2018.06.23
第272話 ホタル

ホテル椿山荘東京 喜楽真行さん「都心の庭園でホタルをお楽しみ下さい」

ここ、椿山荘では毎年「ほたるの夕べ」というイベントを行っていまして、夜になると広大な庭園でホタルをご覧いただけます。専門の先生にアドバイスをいただいてホタルが住みやすい環境を作り、ゲンジボタルの人工飼育をしているので、都心でもホタルが見られるんです。
庭園を流れている水は秩父山系の湧き水です。ホタルの幼虫はカワニナという巻き貝をエサにしているのですが、そのカワニナが水が綺麗でないと生きられません。ですからホタルも水が綺麗でないと生きていけないんです。この庭園では水質の検査も定期的に行って、ホタルが生きやすい環境を実現しています。
── 池ではなくて沢なんですね
ゲンジボタルは水が流れているところでないと生きられないので、ちょうど沢になっているところにゲンジボタルが住める環境を作りました。池で生きているホタルはヘイケボタルですね。この庭園は沢の流れがあったので、ゲンジボタルの人工飼育に挑戦しました。
人工飼育は庭園の沢に産んだ卵をひとつずつ回収し、孵化しやすい安定した環境で育てて、冬頃にある程度大きくなった幼虫を放し、それが成虫になって卵を産んだらまた回収する……というサイクルで行っています。厳しい自然界では卵から成虫になるホタルは数%ですが、人工飼育だと8割は孵化させられるんです。どこかで取ってきたホタルを放流しているわけではないというのは、誇れるところだと思っています。
── どれくらいのホタルが見られるんでしょうか?
イベントの期間中は、のべ8000〜1万匹のホテルが庭園を舞います。ピークの時は特に探すまでもなく、ホタルが目の前を飛ぶ姿をご覧いただけるでしょう。雨や風の強いときは葉っぱの裏に隠れてしまうので、少ししゃがんで葉っぱの裏を見てもらうと良いと思います。ホタルは気象条件にすごく敏感な生き物で、梅雨時のちょっとジトジトとした感じの気候を好みます。
ホタルは特に人間を警戒したりしないので、飛んできて肩や頭に止まったりすることも良くあります。もちろん捕まえたりはしないでいただきたいのですが、手のひらの上に止まって光ったりするとすごく盛り上がりますね。それから写真を撮りたくなりますが、ホタルのためにフラッシュは厳禁です。ホタルは撮影がものすごく難しいので、静かにくつろぎながらご自分の目でお楽しみ下さい。
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