ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

火星

2018.07.28

第277話 火星

ゲストコメント
SF評論家 大森望さん「火星が舞台のSF作品といえば」
SF評論家 大森望さん
── 火星が舞台のSFにはどんな作品が?

火星を扱ったSF作品にはリアル路線と幻想路線の2種類があります。幻想系で一番有名なのは『火星のプリンセス』。これはエドガー・ライス・バローズの小説で、映画『ジョン・カーター』の原作としても知られています。火星にお姫様がいて、南北戦争の頃の兵隊さんが死にそうになったらなぜか火星にいて、重力の低い火星で地球育ちの男が大活躍する……というお話です。

ディズニーが製作した映画版は興行的には大コケして大失敗と言われてますが、映画自体はけっこうおもしろかったと思います。原作がシリーズ化してて6作くらいあるのに、映画版は1作で終わってしまったのが残念です。その原作で描かれる火星は現実とはほぼ関係ありません。卵で増える独自の文明を持つ火星人たちが登場して、そこに地球人が現れるのも特に理屈はないですね。

── リアル路線というのはどんな作品ですか?

リアル路線が増えたのはNASAのマーズ・パスファインダーが火星の地表の画像を送ってきて、本当の火星の様子が分かるようになってからです。その典型がアンディ・ウィアーの小説『火星の人』で、こちらもマット・デイモン主演で『オデッセイ』という映画になっています。

原作者はとにかくNASAオタクで、NASAの火星探査計画などを調べまくり、ありうべき火星探査の未来をリサーチして、可能な限りリアルに描いたのが『火星の人』でした。ただ、リアルを追求した結果、ひたすらジャガイモを育てる描写が延々と続き、やっとここまで育ったと思ったらまたトラブルが……という農業サスペンスになっていますが。

── その他にはどんな作品がありますか?

イアン・マクドナルドの『火星夜想曲』は火星を舞台に、ひとつの町が出来上がってから滅んでいくまでを描いた傑作。幻想系の火星SFの中では非常にレベルの高い1本なのでおすすめです(今だとちょっと手に入りにくいかもしれません)。

日本の作品なら、川又千秋さんの『火星人先史』は砂漠の火星に適応したカンガルーがそこら中にいるお話。数々の賞を受賞している宮内悠介さんも、『エクソダス症候群』で火星の精神病院を舞台にした物語を書いています。主な乗り物として馬車が使われていたりするあたり、リアルなNASAの話も踏まえた上で、「俺は馬車を出したい!」という美学を感じる作品です。
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