2018.08.11
第279話 トウモロコシ


トウモロコシはイネ科に分類される植物です。お米やサトウキビ、タケノコの仲間ですね。そのトウモロコシは大きく2つに分けられます。1つはスイートコーンと呼ばれる、野菜として食べられるトウモロコシ。もう1つが完熟させて粉にするフリントコーン。粉にしたトウモロコシはメキシコのトルティーヤを作ったり、動物の餌にしたりします。
トウモロコシの旬は5月下旬から7月くらいと言われています。種を蒔いてから収穫までは、スイートコーンであれば3ヶ月くらい。大きいものであれば高さ3mくらいまで成長します。それで防風ネットとして畑を囲うように植えられることもあります。
── 普通、植物っておしべとめしべがあって実りますよね?
トウモロコシの場合は、てっぺんにススキの穂のような形の雄花があります。それに対して葉っぱと茎の間にできるモジャモジャのヒゲが雌花です。そして雄花の花粉を雌花が受け取って、トウモロコシの種が膨らんできます。だからヒゲ1本ずつがトウモロコシの粒1つずつに繋がっているんです。ヒゲの数=粒の数という計算ですね。
普段、私たちが食べているトウモロコシの粒はトウモロコシの種にあたります。トウモロコシは収穫したてがおいしいと言われるのは、収穫した後もトウモロコシが呼吸をしているからです。その呼吸に使うエネルギーを種から使ってしまうので、収穫後に時間が経つと甘みが弱くなったりします。
── トウモロコシの呼吸を止めるにはどうしたら?
加熱することで止まります。トウモロコシの呼吸とは酵素の働きです。そして酵素はタンパク質なので、熱で止めることができるんです。酵素が死ねば糖分やアミノ酸が消費されることはなくなるので、その時の甘味が残ります。だからトウモロコシは「獲ったらすぐに茹でましょう」と言われるんです。
さらにトウモロコシがなっている時はヒゲが上を向いて立っているので、収穫後もその状態で保存した方が糖分の損失は少なくなります。すぐに茹でるのが理想ですが、そうもいかない時は涼しい場所に立てて保存しましょう。お店で選ぶ時もそうやって保存されているものがおすすめです。ヒゲが多くて、手に持った時にずっしりと重くて、ヒゲに近い部分を握った時にボリュームを感じる、先端まで中身が詰まったものを選んで下さい。