2013.10.26
第30話 B級ご当地グルメ


素材は鳥のもつ。砂肝、レバー、ハツ、ちょうちん(卵になる前の黄身)などを甘辛い醤油で炒めると、「鳥もつのポリマー加工やぁ〜」というくらいテカテカにコーティングされる。レバーの柔らかさや砂肝のシャリシャリした食感は健在。1羽に1つしかないハツは大当たり。
この鳥もつ煮、最近は「縁を“鳥もつ”ので恋人同士で」なんて言って地元で盛り上げている、値段はB級グルメだけに控えめ。僕にとって「B級」は「A級の下」じゃなくて「Best級」。味と値段と手頃さと、そこに生まれる地域性とバックストーリーがあるB級グルメは最高だと思う。
B級グルメの愉しみ方の基本は現地へ行くこと。出かけていって現地で食べるからこそおいしい。甲府なんて都心からでも車で中央高速を2時間も走れば着いてしまう。シンイチ君のような初心者がドライブするならちょうどいい距離だし、ぜひ地元で食べる愉しさを感じてほしい。
関東近郊なら神奈川県の厚木の名物「シロコロホルモン」もオススメ。これはその名の通り白くてコロッとしているホルモン。腸を洗浄する時に裏返しているので、チュルチュルの内壁を包むような形になっている。この内に包まれたコラーゲンの固まりが口の中に溢れると、チュルチュル満ちるでまさに幸せの青い鳥。
実はシロコロホルモンのチュルチュルは皮下脂肪とは違い、コラーゲン質なので胸焼けすることもない。精肉工場が近いから新鮮で、甘みも食感も他と全然違う。コラーゲンが出た後の肉も弾力性抜群で、ホルモンのトランポリン(もしくは反抗期)。塩味、タレ、ピリ辛と各種の味付けもあるし、一度味わってみてほしい。