ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

書道

2019.01.12

第301話 書道

ゲストコメント
製硯師、『宝研堂』4代目店主 青柳貴史さん「1000年残る硯を目指して」
製硯師、『宝研堂』4代目店主 青柳貴史さん
── 書道の道具って高そうなイメージがありますが

ここ、宝研堂にあるのは全部、ひとつひとつ職人さんが作っている手作り品なので、どうしてもそれなりの値段になってしまいます。文房四宝と呼ばれる筆・墨・紙・硯(すずり)、すべてが天然の材料を使って作られているんです。

ただ、全部を宝研堂で作っているわけではありません。硯は宝研堂で作っていますが、それ以外は各産地で作られたものを取り寄せています。墨なら奈良県の奈良墨が有名ですね。墨は全国の90%以上が奈良で作られています。かつて中国から伝った墨を、奈良のお寺でお坊さんが作るようになったのがその発祥です。

── 墨以外の道具はどうですか?

筆はいろんな産地があります。有名なのは国民栄誉賞の記念品としてなでしこジャパンに贈られた広島の熊野筆ですね。その他にも愛知県の豊橋筆、東京の江戸筆などがあります。紙は水の綺麗な山があるところじゃないと作れません。現在は山梨県や鳥取県、四国などの山間部で作られているのですが、寒い中、職人さんが手をかじかませながら、1枚1枚手作りしています。

そして硯はピンキリです。学童向けのプラスチック製品なら100〜300円。石製の硯でも700〜800円くらいからあります。四五平 (しごひら)と呼ばれるスマホくらいの大きさの硯がそれくらいから。でもプロが使うような古硯(こけん)になると古美術の要素もあるので、200〜300万円という品もあります。

── 300万円!すごいですね!

ところがさらに上があって、中国には有名な書家や皇帝が使った名硯(めいけん)が残っています。大事に伝わる中で使った人々の名前が刻まれた名硯は、香港や中国本土のオークションで3000〜5000万円という値段が付くこともあるんです。3000万円と言えば家1軒。でも坂東貫山という愛硯家は、蘭亭硯という硯を手に入れるために実際に家を1軒売っています。

硯を作る工程をざっくり言えば、山から石を持ってきて、それを切って皆さんがご存知の形に成形して、刀で彫って、磨いて、最後に化粧仕上げをして完成です。ただ、相手が1億年かかってできた石なので、とにかく硬くて。機械だと力が強すぎて石にストレスを与えてしまい、目に見えない内部に傷が生まれる可能性があるので、石の凝りをほぐすようにゆっくり優しく彫っていきます。石の硯が誕生した唐代の職人は、硯ひとつ作るのに2年もかけていました。そんな時代の硯の完成度には脱帽しかありません。
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