ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

タイムマシン

2019.02.16

第306話 タイムマシン

ゲストコメント
書評家 大森望さん「小説ではタイムマシンの使い方も色々です」
書評家 大森望さん
── タイムマシンのSF小説って最近どうですか?

タイムスリップするお話だと、日本ではループものが流行ですね。これは同じ時間が何度も繰り返されるタイプのお話で、一番最初に書かれたのは1958年の『退屈の檻』という作品でした。火星人の罠にはめられて怪しい機械で10分くらいのループを繰り返すことになる人間のお話で、主人公はその10分間でいろんな工夫を繰り返します。

まず電話帳でいろんな人に電話を掛けます。女の子が出たら口説こうとするのですが、もちろんすぐに切られてしまう。でもその短い会話で得た情報を元に、ループでやりなおすんです。そして何度もリトライする中で「会いましょう」という話になっても、10分しかないので難しい。そんなループを無限に繰り返す内に記憶だけが降り積もっていき、その重みに押しつぶされそうに……というお話です。

このリチャード・R・スミスの『退屈の檻』は、12月に私がハヤカワ文庫から出したばかりの『revisions 時間SFアンソロジー』でお読みいただけます。1月から始まったアニメ『リヴィジョンズ』の関連企画としてまとめた1冊で、機会があったらぜひご覧下さい。

── その他にタイムマシンものに傾向ってありますか?

タイムスリップをロマンスと絡めるのも流行りです。この手の小説は何が最初と言うのかは難しいのですが、ジャック・フィニイの『愛の手紙』という短編があります。これは骨董屋で買った古い机の隠し引き出しから、昔の女性の手紙が出てくるのが冒頭。主人公はその手紙の内容にほだされて発作的に返事を書いてポストに投函してしまいます。

すると不思議なことに、別の隠し引き出しから、出した手紙に対する返事が出てくるんです。いわばポストがタイムマシンになっているお話ですね。ところが隠し引き出しはあと1つしかない。さて、主人公はどうするか……というお話で、オチまで非常に良く考えられています。

最近だと『シグナル』というドラマが過去と繋がる警察無線のお話でしたが、これはもともと『オーロラの彼方へ』という映画のリメイク。あるいは乙一さんの『きみにしか聞こえない―CALLING YOU』は時間帯の違う携帯電話がつながる話。恋愛モノは男女の間に何か障害が必要で、普通はそれが距離や戦争だったりしますが、それを時間のズレにしたタイムマシンものも人気です。
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