2019.07.20
第328話 アイスコーヒー

バリスタ 石谷貴之さん「おいしいアイスコーヒーを作るコツ」

ホットコーヒーの場合、粉の量に対してお湯の量は15倍というのが一般的です。粉が15gなら、お湯225gですね。アイスコーヒーの場合はお湯の量を8倍にします。そうやって濃く抽出したコーヒーに氷を100g入れて急冷すると、コーヒーの香りが瞬時に閉じ込められ、味も引き締まるので、おいしいアイスコーヒーになります。
豆については好みによります。スッキリめが好きなら酸味のある豆ですね。それは焙煎の色味を見て判断します。色の濃い豆は苦味が強く、色が薄い豆は酸味が強いので、お好きな方を選んで下さい。産地によっても味は違いますが、焙煎の度合いの方が大きく違いが出ます。
── 豆を選ぶ時のコツはありますか?
深煎りの場合、豆の表面に油が出ているくらいの深煎りだと、ちょっと嫌な苦味が出てしいます。ですから油の出ていない豆を選んでいただいた方がおいしく飲めるでしょう。専門店で見比べれば豆が油でテカテカしているのですぐに分かります。
ここ5年くらいはスペシャルティコーヒーといって、生産国や地域、農園まで分かるようなコーヒーが人気です。エチオピアはフルーティーでフローラルな香りがしますし、ブラジルはナッツやチョコレートみたいな味がします。中米系のコーヒーはオレンジのような柑橘系の風味。そんな違いが分かるよう、焙煎の度合いを抑えた浅煎りのアイスコーヒーが専門店では多くなっています。
ただ、日本は喫茶文化なので、苦味系のアイスコーヒーを求めているお客さんが多いのも事実です。こちらは深煎りにすれば、どんな産地の豆でもそれほど変わらない味になります。
── 水にもこだわった方が良いのでしょうか?
コーヒーには軟水が良いと言われています。日本はもともと軟水の国なので、浄水器のついた水道水ならまったく問題ありません。こだわる方はコンビニで水を選んでいらっしゃいますね。そうすると若干ですが味に違いが出ます。でもその辺は好みです。
ミルクを入れるなら、苦味との相性が良いので焙煎の深い豆を使うとおいしいと思います。カフェオレならミルクとコーヒーが1対1くらいが一般的です。シロップは意外に酸味系のアイスコーヒーにも合います。エチオピアのフルーティーなコーヒーにちょっとだけシロップを垂らすと紅茶っぽくなるので、一度お試し下さい。
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