2019.09.07
第335話 サバ


可愛らしいパッケージで大人気の『Ca va? 缶』です。このサバ缶は岩手県で作られているのですが、2011年の東日本大震災で岩手県も凄まじい被害を受けました。その時に全国から応援物資を送ってもらったことを、今でもみんな感謝しています。
そこで岩手県の缶詰メーカーなど3社がタッグを組んで「全国から貰った元気をお返ししたい」と、岩手で獲れたサバを使った缶詰を作る企画を立ち上げたのがこの商品です。それで商品名もフランス語の「Ca va?(お元気ですか?)」なんです。
── なるほど、ただの駄洒落じゃないんですね(笑)
震災の翌年くらいからこのサバ缶を作る計画はあったのですが、どの会社も震災で被害を受けて、お金もあまりありません。それでも「恩返しのために」と思い切って作ってみたら、買った人がみんな「カワイイ!」とSNSで紹介して、岩手県産の缶詰の売上記録を塗り替えるほどの人気になりました。近年のサバ缶ブームに火をつけた一因と言っても良いでしょう。
もちろんパッケージだけじゃありません。缶詰業界では知らない人がいない岩手のメーカーが作っているので、脂ののった良いサバを使っています。味付けも発売当時はまだ日本では珍しかったオリーブオイル漬け。でも決して脂っこくなく、シンプルにサバのおいしさを味わえます。さらに後から追加で、ピリ辛のパプリカチリソース味と、サッパリ味のレモンバジル味も発売されました。
『Ca va? 缶』はキャンプにも良いと思います。サバを食べ終わった後、缶に残ったオリーブオイルにもサバのエキスがたっぷりと溶け込んでいるので、パンをつけて食べると最高です。缶詰は空気を抜いて密封しているので、開けるまで中身が空気に一切触れません。つまりオリーブオイルもまったく酸化していない新鮮な状態で味わえます。
── サバ缶のおいしい食べ方ってありますか?
サバの味噌煮の缶詰は、中身を取り出して、よく汁気を切り、お皿に盛りつけた後に上からゴマ油をかけてみて下さい。味噌にゴマの風味がすごく合うので、とてもおいしいおかずになります。辛いものが好きなら、ゴマ油のかわりにラー油もおすすめです。缶に残った味噌ダレは熱湯で倍くらいに薄め、少しだけバターを加えて、ちょうど1人分のサバ味噌スープに。これも絶品です。
サバ缶はこんなにおいしいのに、意外なくらい塩分も控えめで、味噌煮の缶詰1缶をまるごと食べても塩分は2g以下でしょう。厚労省が推奨する1日の塩分が成人男性で8g以下ですから、2g以下というのはかなり余裕があります。ぜひ、サバ缶でおいしくて健康的な食生活を楽しんで下さい。