ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

映画館

2020.03.07

第361話 映画館

ゲストコメント
録音技師、日本映画・テレビ録音協会専務理事 志満順一さん「映画館で音がやけに小さいと思ったら…」
録音技師、日本映画・テレビ録音協会専務理事 志満順一さん
── 最新の音響システムはどうなっていますか?

最近、ドルビーの推奨している音響システムが「アトモス」。これは前方の左・中・右の3つのスピーカーに加えて、後方の左右に2つ、真後ろに1つ、天井に1つ、合わせて7つのスピーカーを使うシステムです。このシステムに対応した映画館は国内にまだそれほど多くありません。特に天井は映画館の中で一番弱い部分なので、そこにスピーカーを後付けするのは難しいんです。

日本は10年くらい前に、映画がフィルムからDCP(デジタルシネマパッケージ)に一気に切り替わりました。これは国がDCPを推奨して、専用映写機の導入に補助金を出したからです。それによって個人経営の映画館が対応できなくて潰れたケースも多々ありました。各地の名画座がなくなったのがこの時です。

── 録音技師の皆さんは映画の音をどう調整をするんですか?

録音技師は85デシベルを基準に音を調整します。これは一般的にはかなり大きな音なんですが、それをスピーカーから出す前提でセリフや音楽を調整するんです。ところが今でも映画館で「音がやけに小さい」と思うことがけっこうあります。映画館によってはスピーカーやアンプを長持ちさせるために音のレベルを下げるところもあるみたいです。

実はアメリカのアクション映画は日本映画よりも音のダイナミックレンジが狭く、そのせいで観客が「うるさい音がずっと続く」と感じます。それで観客から「うるさすぎる」という苦情はあっても、逆はほとんどいません。だから映画館としても「本当はアンプのボリュームをここまで上げなきゃいけない」と分かっていても、つい上げないことがあるようです。それで割りを食うのが日本映画で、小さい音が聞こえなくなったりします。

── 日本映画の方が繊細に作られているんですね

良く言えばそうかもしれませんが、映画に限らず全般に、アメリカでは決められた基準はものすごく生真面目に守るんです。日本の方が「これくらいで十分だろう」と恣意的に判断します。それで良いこともあるかもしれませんが、基準をきちっと守ることが必要な場合もあって、映画の音はどうか基準を守ってほしいと思います。

よっぽど酷い時は映画館で名刺を出して苦情を言うのですが、地方の映画館だと「壁が薄くて隣の劇場の音が飛びこんで来てしまうので音を下げざるをえない」なんてトホホな事情を聞かされたりします。我々も観客に伝わるよう頑張って作っているのですが、映画館を運営している方々にも別の苦労があるのだろうとは思います。
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