ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : スポーツ

箱根駅伝

2014.01.04

第40話 箱根駅伝

ゲストコメント
コラムニスト 泉麻人さん「箱根駅伝を歩く」
コラムニスト 泉麻人さん
僕はどちらかと言えば往路、つまり東京から箱根へ向かう方が好き。それはテレビ観戦をしているだけで旅に連れていってもらっている気分が味わえるから。大磯の松並木が見えたり、反対側には富士山があったり、そんな景色が映し出されるテレビ画面がまるで車窓のよう。5時間くらいの小さな旅を愉しむ感覚で観戦している。

だから上位があまり動かず競技的には退屈な感じの時でも、街並みを眺めていれば十分に愉しめるし、意外な発見もある。往路なら、3区に入りかけの戸塚中継所を過ぎた辺りから、電信柱に「宝ビスケット」という看板がずっと並んでいる。気になって現地に行って調べてみたら、戸塚中継所のちょっと奥に昔ながらのビスケット工場があった。

そんな実地探索を1区から5区までやったら、東海道は史跡が多い場所なのですごく愉しかった。大磯あたりなら大物政治家がたくさん住んでいた土地柄で、吉田茂のお屋敷、伊藤博文の別荘、新島襄が療養していた百足屋(むかでや)旅館などがある。そんな場所を巡りつつ歴史を学んだ。

ただし実際に歩くのはけっこう大変。たとえば箱根の山の区間なら宮ノ下から小涌谷までの坂がとんでもなくキツイ。でも「山の神」と言われた東洋大の柏原選手もインタビューで「あの辺がしんどくてたまらない」と言っているのを聞いて少し嬉しくなった。

宮ノ下から小涌谷へと至る坂を登り切ったあたりには箱根登山鉄道の踏切がある。山の中で登山鉄道が踏切を通過する光景はなかなか貴重。今はちゃんと連絡を取り合って踏切で選手が止まらないように配慮しているけど、20年くらいまではこの踏切で止められる選手も出ていた。

さらに昔は戸塚の駅の横にも大きな「開かずの踏切」があって、選手がやたらと長い貨物列車を待つ光景も見られた。でも大磯に住んだ吉田茂が踏切を待たされるのを嫌ってバイパスを造らせ、昭和30年頃から箱根駅伝もそのバイパスを通るようになった。
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