ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

写生

2014.09.13

第76話 写生

ゲストコメント
東京藝術大学 准教授 佐藤直樹さん「風景画の歴史を振り返ると……」
東京藝術大学 准教授 佐藤直樹さん
古代の壁画などには風景だけを描いている絵もありますが、ヨーロッパでは中世になるとキリスト教美術が中心になり、風景はあくまで背景になって、純粋な風景画は消えてしまいます。たとえば「キリスト降誕」の絵であれば、牛小屋にマリアやヨセフがいて、その後ろに岩山や川があって天使が飛んでいる……こんな風景表現が行われていました。

それが15世紀になると、ベルギーやオランダで風景描写に力点をおいた宗教画が登場します。そして1520年頃、ドイツのアルブレヒト・アルトドルファーという画家が、ついに物語場面を完全に排除した、純粋なドナウ川の風景を描きます。これがヨーロッパにおける風景画の誕生と言われています。

それでも、その後も長らくヨーロッパで風景は物語の背景であり続けます。そんな状況が変わったのは17世紀のオランダです。オランダは経済の発展によって裕福な市民が出てきて、絵画を購入できる人が増えました。さらにプロテスタントの国なので、教会に絵画をたくさん飾ることもありません。それでオランダではフェルメールのように市民の生活を描く風俗画の画家と並んで、風景画を描く画家も増えていったんです。有名なのはロイスダールホッベマですね。

ロイスダールと同時期、フランスのクロード・ロランという風景画家も人気でした。この画家はイタリアに住んで風景をスケッチし、アトリエでスケッチを元に自分がイメージする理想的な風景を描いたんです。これは実際の風景とは違いますが、スケッチを元にしているだけにイタリアらしさがしっかりと描かれていて、大いに人気を博しました。イギリスではクロード・ロランの風景画をモチーフにした庭園がいくつも造られたほどでした。

イギリス人はイタリアに旅行する時に「クロード・グラス」という曇った鏡をわざわざ持っていき、美しい風景を鏡に映して「クロード・ロランの絵のようだ」と喜んでいたそうです。かなり倒錯しているとは思いますが(笑)、クロード・ロランの人気ぶりが窺えますね。
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