2014.09.20
第77話 トライアスロン

ロンドン五輪トライアスロン日本代表監督 飯島健二郎さん「トライアスロンは見てもおもしろい!」

五輪では自転車のドラフティングといって、集団で走っていいルールが採用されています。その集団の力が強ければスピードが上がりますし、ランニングで勝負する選手が集まると牽制しあってゆっくりしたペースになる。そんな風にトライアスロンはレースのたびに展開が生き物のように変わるスポーツに進化しています。
もともとトライアスロンは個人の耐久競技として位置づけられていたので、自転車で他の選手を風よけに使ってはいけないというルールでした(今でもそういうルールの大会もあります)。しかし五輪ルールだと水泳で遅れても自転車で追いつけたり、様々なレースの動きを楽しめるんです。
また現在、五輪のトライアスロン競技はサーキット形式。たとえば40kmの自転車であれば8km×5周みたいに同じところを何度も回るので、観客が順位の変動を目の当たりにできます。もちろん競技は選手が主体なのですが、見ても楽しんでいただけるような工夫をしています。
先月は「世界トライアスロンシリーズ」でカナダのエドモントに行ってきました。このシリーズは世界中の大都市で開催されていて、今年はオークランド、ケープタウン、横浜、ロンドン、ハンブルグなどで開催されましたが、東京で言えば皇居のお堀を泳いで銀座を自転車で走り抜ける……くらい街の中心でやっているので、ものすごく盛り上がります。
日本人選手はまだ五輪でメダルを獲得したことがありませんが、男子は12位、女子は5位に入っているのでメダルまでもう少しです。2020年の東京五輪では日本選手権を開催しているお台場が会場として予定されていますが、かなりフラットなコースなので、五輪ではもう少し難易度を上げるのではないでしょうか。
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