ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

美術館

2015.02.07

第97話 美術館

ゲストコメント
建築家 隈研吾さん「美術館の建築にもぜひ注目して下さい」
建築家 隈研吾さん
私が設計を手がけた根津美術館は、竹の廊下のひさしが3m以上とすごく深く作っています。これは深いひさしの下に生まれる闇を歩く内に気分が変わる……という意図で設計しました。建物の中も深いひさしのおかげで直射日光が入ってきません。そうやって日本空間で一番重要な「闇」を作るのが根津美術館における第一のデザインテーマです。

美術館には絵画や彫刻など素晴らしい作品がありますが、実はそれだけではおもしろくありません。その作品が外の庭などと一体になった時、他では味わえないアート体験が実現するんです。だから根津美術館は庭をアートの一部と考え、庭と建築の仕切りを大きなガラスにして、フレームをなくして一体感を実現しました。

照明もすごく凝っています。作品はガラスや瀬戸物、金箔などいろんな素材や色で作られているので、それぞれに合わせて一番いい色を選んで照らしているんです。たとえば金箔はロウソクの火と同じ色温度の照明で照らしていますが、皆さん口を揃えて「金箔ってこんなに魅力的だったっけ?」と仰います。

また根津美術館では線を使って天井を表現しています。これは和風建築では「柱」「梁」「障子」などの線が重要だからです。薄くスライスした竹を天井に使っているのですが、それが少しずつ幅を違えているので線に見えます。庭にある木の幹や枝の線が、軒下の垂木の線につながり、それが室内の天井の線につながる。内外空間の連続性はそんな線で作られます。

中国のお寺は威厳があってもやや重い印象を受けますが、日本は線をギリギリまで細くして、さらに面を取って(角を少しカットして)、柔らかく軽く見せるんです。根津美術館でもそんな日本建築的な作り方を徹底するため、普通は鉄のパイプを使うところに鉄棒を使って細くしたんですが、これは鉄パイプの何倍も手間がかかりました。

こんな風に美術館の建築は展示されている作品と同じくらい工夫が凝らしてあります。美術館に足を運ぶ時は、ぜひ建築にも注目して下さい。
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