秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2018.11.24

理解を深めよう! ODA



開発途上国の発展などを手助けすることは、相手国のためだけでなく、巡り巡って私たちの暮らしを豊かにすることにもつながっているそうです。今回は「ODA(政府開発援助)」についてお話しました。

秋元  JOYくんは「ODA」って何か分かりますか?

JOY  えっ、分かんない!オー・ディー・エー?オダさんのこと?

秋元  政府開発援助、“Official Development Assistance”の頭文字を取って、「ODA」だそうです。ここからは外務省・国際協力局・政策課長の今福孝男さんに伺います。まずは【ODA】とはどういったことなのか、教えてください。

今福  はい。世界には貧困などで、十分な食べ物や飲み水が得られない、教育や医療を満足に受けられない人がいる国や地域がたくさんあります。こうした国や地域を公的な資金を使って支援することをODAと言います。日本は、ODAによって、開発途上国の発展や気候変動対策のような国際社会全体で取り組まなければならない課題の解決に協力してきたことで、各国との友好関係が強まり、国際社会における地位も向上しました。実は、日本も戦後に海外からODAの協力を受けたおかげで、東海道新幹線や首都圏の高速道路、富山県の黒部ダムも作ることができたんです。

JOY  日本も戦後にODAを受けて、今では助ける側になったんだね。

秋元  具体的に、日本はどういった協力を行っているんですか?

今福  協力の方法は、大きく分けると「有償資金協力」「無償資金協力」「技術協力」「国際機関を通じた支援」の4通りがあります。有償資金協力は、港や空港、電力施設等、開発途上国の発展に必要な大規模な施設を整備したりするために、必要な資金を低金利で貸してあげる支援です。無償資金協力は、病院の機材を買ったり、小規模な水道設備を整備したりするために必要な資金をあげる支援です。そして、技術協力は、開発途上国が自立できるよう日本の技術を伝えるものです。国際機関を通じた支援は、国連などと協力して行う支援です。ODAでは、政府だけではなく、民間企業やNGO、自治体、大学などと連携し、官民で様々な事業に取り組んでいます。

秋元  実際、これまでにどんな事業を実施してきたのでしょうか?

今福  例えば、北九州市の専門家などが、カンボジアのプノンペンで水道を整備し、その水道を管理する技術を教えたことで、水道水の水質を日本と同等レベルにまで劇的に改善させました。蛇口をひねるだけで、きれいで安全な水が飲めるようになったのです。これは【プノンペンの奇跡】と呼ばれていて、多くの人々に安心して飲める水を提供することに貢献しました。また、トルコのイスタンブールの地下鉄も日本のODAで作りました。市内を東西に隔てる水深60mのボスポラス海峡にコンクリート製のトンネルを沈めて、陸地から掘ってきたトンネルとつなげるという神業のような大工事を日本の建設会社がやってのけました。しかも、このトンネルは150年前にトルコの王様が夢見たという海底トンネルで、トルコの人のハートをわしづかみにしました。

秋元  そんなふうに夢を叶えてくれたとなると、いい関係が築けそうですよね!他にも、より大きな反響があった事業はありますか?

今福  はい、スーパーに並んでいる“チリ産”のサーモンにもODAが関係しているんです。今から50年前、チリにはサーモンは1匹もいなかったんです。1970年代、チリで産業を興すため、日本の水産の専門家がチリでサーモンの養殖に挑戦しました。初めは卵がふ化しなかったり、稚魚が1匹も戻ってこなかったり、困難の連続でしたが、今やチリのサーモン輸出量は世界第2位です。おかげで私たちも美味しいサーモンをたくさん食べることができるようになりました。

JOY  サーモンの輸出量がゼロ匹から世界第2位ってすごくない?!

秋元  開発協力したことが、私たちの生活につながっているんですね。

今福  そうなんです。あらゆることは世界とつながっています。ビジネスの面から考えても、開発途上国が発展すれば市場が拡大しますから、日本のビジネスチャンスは広がります。つまり「ODAは人のためならず」、ODAは、開発途上国のためであるのと同時に、日本のためでもあるんです。ODAの協力を受けた国や地域の人々は、日本に好意を抱いてくれるようになるので、ODAは人と人とのより良い関係づくりにも役立ちます。また、日本に限らず、ODA実施国に対して、好意を抱いてくれる国や地域がどんどん増えれば、最終的には世界全体の平和につながっていくと思っています。これこそODAが目指すところなんです。

秋元  まだODAについてよく知らない人も多いと思うんですが、多くの方に知ってもらうために、何か工夫されていることはありますか?

今福  外務省では、皆さんにもっとODAについて知っていただくために、ODA広報として人気のアニメ【秘密結社 鷹の爪団】を起用しました。主人公である吉田くんが“ODAマン”に変身して、ODAの事業を紹介していますので、ぜひ【ODA 鷹の爪】で検索して動画をご覧ください!

JOY  これはおもしろそう!ODAについて初めて知ったけど、身近なことにもつながっているし、最終的には世界平和にもつながっていく素敵なことなんだね。

秋元  支援したことが、巡り巡って自分たちに返ってくるってすごいよね!ODAは政府の取組だけど、私たちにもできることを考えていきたいですね。