秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2019.01.12

若い人にも知ってほしい民事調停!



日々の生活の中での困り事やちょっとしたトラブルは、民事調停で円満に解決できることがあります。今回は『若い人にも知ってほしい民事調停!』というテーマでお話しました。

JOY  民事調停って、裁判関係の話?難しそう…。

秋元  これを若い人にも知ってほしいというのはどうしてだろう?ここからは最高裁判所・事務総局・民事局第二課長の渡邉達之輔さんに伺います。まずは“民事調停”がどういうものか、教えてください。

渡邉  民事調停とは、裁判所が当事者の間に入って話し合いを進め、問題解決を図る手続きです。

秋元  裁判とは違うんですか?

渡邉  裁判、つまり“訴訟”は、裁判官が公開された法廷で、争いのある当事者の主張や証拠を見聞きし、法律に照らしてどちらの言い分が正しいのか判決という形で判断する、白黒はっきりさせる手続です。一方“調停”は、裁判官のほかに2名以上の調停委員が当事者の間に入って話し合いを進め、問題の解決を図る非公開の手続きです。訴訟と違って、こちらは白黒はっきりさせるのではなく、当事者同士が納得するまで話し合うことが基本なので、実情にあった円満な解決を図ることができます。

秋元  なるほど。調停で扱われる案件というのはどんなものですか?

渡邉  調停には“民事調停”と“家事調停”があります。民事調停で扱うのは、例えばお金の貸し借りや、代金の支払い、交通事故の損害賠償、ご近所トラブルなどです。家事調停で扱うのは、離婚や相続といった家庭内のトラブルなどです。

秋元  調停では身近な問題を扱っている感じがしますね。具体的には、どんなトラブルの相談があるのでしょうか?

渡邉  例えば、「部屋の敷金が戻ってこない」「バイト代を払ってもらえない」「自転車同士でぶつかってしまった」などがあります。大家さんや不動産会社に聞いても取り合ってもらえなかったり、法律のこともよく分からないので、諦めてしまっているという方もいらっしゃると思います。バイト代の不払い、自転車同士の事故なども、どう解決したらいいのか分からなかったり、仮に訴訟をするにしても、弁護士を頼むとお金がかかるので、諦めてしまう人も少なくないと思います。

JOY  たしかに。裁判するとなるとお金も時間もかかるから、やめておこうとか、我慢しようっていう人も多いだろうね。

秋元  だから若い人にも民事調停を知ってほしいということなんですね!

渡邉  はい。民事調停は身近にあるちょっとしたトラブルを解決するのに、とても利用しやすい有効な手段なんです。調停委員は、民間から選ばれる有識者で、その中には弁護士、医師、建築士、不動産鑑定士など専門の知識を持った方もいて、案件の内容ごとに最も適任と思われる調停委員が指定されることになっています。そのため当事者に法律の知識がなくても安心して話し合いを進めることができます。もちろん、調停委員には守秘義務がありますし、非公開の手続きなので、内容を第三者に知られることもありません。

秋元  では、民事調停を利用するにはどうしたらいいですか?

渡邉  手続きは簡単です。裁判所の窓口やウェブサイトにある申立書に必要事項を書いて、相手方の住所がある地域の簡易裁判所に提出して申し立てることができます。申立書には、名前や住所、電話番号、トラブルの内容の要点や調停申立ての理由などを簡潔に記載いただく程度ですので、法律の知識がなくても一人で作成することができます。それに、基本的に話し合いの手続きなので、手続きが始まってからも特に準備をしていただくものはありません。

JOY  思ったより簡単ですね!ちなみに費用はかかるんですか?

渡邉  裁判所に納める手数料が必要ですが、民事調停は訴訟に比べて手数料が安く設定されています。例えば100万円の返済を求めるなら、訴訟の場合は1万円の手数料がかかりますが、調停の場合は5000円の手数料で済みます。その他、申立時に納めていただくのは、相手方に呼び出しの書類を送るための郵便料金のみです。

秋元  もっとお金がかかるイメージがあったので、それはありがたいですね。解決までにはどれくらいの期間がかかるのでしょうか?

渡邉  調停ではポイントを絞った話し合いをしますので、解決までの時間は比較的短くて済みます。通常、申立てがされてから、2、3回、話し合いの場が設けられ、概ね3か月以内に70%程度の案件が終了しています。話し合いの結果、当事者が納得して調停が成立すれば、その結果について裁判所が正式な書面を作成します。その書面には訴訟の判決と同じ効力が認められます。訴訟に比べると利用しやすいので、身近な困り事があれば是非、利用してください。

秋元  “民事調停”と聞いて、もっと複雑で難しそうだなと思っていたけど、これなら若い人でも、もしもの時に利用できそうですね。

JOY  そうだね。できればトラブルには巻き込まれたくないけど、敷金のこととか、お金の貸し借りとか、もしトラブルが起きた時に、円満に解決できる手続きがあることを知っておくといいよね。