未来の学び プログラミング教育がはじまります!
いよいよ2020年度から、小学校でプログラミング教育がはじまります。問題を分析して、どのようにすればこれが解決できるか、論理的に考える力が、これからを生きる子供たちに大切になってきます。
今回は、「未来の学び プログラミング教育」についてお話しました。
秋元 ここからは文部科学省プログラミング教育戦略マネージャーの中川哲さんにお話を伺っていきます。
そもそも、プログラミングってどういうことなんでしょうか?
中川 プログラミングとは、コンピュータが理解できる言葉を使って、私たちがコンピュータにやってほしいことを、お願いすることを言います。
みなさんがお持ちのパソコンやスマホなど、この中に入っているゲームやアプリ、さらに冷蔵庫など身近な家電製品にも、コンピュータが内蔵されていて、プログラミングで動いています。
JOY エアコンが部屋の温度を調節してくれるのは、プログラミングされているからってことだね。
結構、家の中はプログラミングされたモノに囲まれていますね。
中川 今の子供たちが大人になった時には、こういう状況がもっと進むと思います。コンピュータを上手に使いこなすためにも、コンピュータがどのように動いているのか、仕組みを理解しておくことが重要になると思っています。
僕たちが子供の時は、プログラミングと言うと英語や数字を打ち込むイメージでしたが、今は、子供向けのプログラミング言語やプログラミングツールがたくさんあって、ブロックを積み上げるようにコンピュータに命令を与えていくようなことができるようになっています。小学校では、プログラミングの技能そのものを学ぶというよりも、プログラミングの考え方、“プログラミング的思考”を学びます。
JOY プログラミング的思考???
どういうことなのか、さっぱりわかりません!
中川 例えば、日本語を話す僕たちは何か人にお願いする時に日本語で「〇〇をしてください」というお願いをしますよね。英語を話す人たちに対して日本語でお願いしても通じないじゃないですか。だから、英語を使いますよね。コンピュータには、コンピュータの言葉“プログラミング言語”を使ってお願いをするわけです。コンピュータは融通がきかなくて、論理的に順序だててあげないと、先回りして考えてくれないので、コンピュータに論理的に命令を与えていく必要があります。
JOY そうしないと正常に動いてくれなかったり、機能しないということなんですね。だから、どういう動きを組み合わせるかをしっかり考えていく必要があると。
秋元 ロボット掃除機に指示しようと思ったら、どういう感じになるんですか?
中川 ロボット掃除機の場合は、ゴミを吸って欲しいわけですから「ゴミを吸いなさい」、つまり、モーターを動かして吸引しなさいという命令を出し続けながら、「まっすぐ進んでください」という命令をします。壁にドンと当たったら、「1回右に曲がってください」。「また、まっすぐ進んでください」みたいなことをずっと繰り返していくと、そのうち部屋がきれいになるということになります。実際には、アルゴリズムと呼ばれるロジックを使って部屋をキレイにしていくのですが、そういった単純な命令の組み合わせをコンピュータに順序立てて与えていくというのがプログラミング的思考なんです。
JOY 子供たちは、このコンピュータにはこういう目的を持たせるということを決めて、そこに向かってどうやっていくかを考えるってことですよね。
中川 コンピュータの良いところは、何回でも失敗できるところです。
何度も何度も失敗して、こういう命令を与えたらこんな動きするんだ、でも、僕のやりたかったこととは違う、というように自分が意図する動きをしてもらえるように、何回も失敗を繰り返して学ぶことができます。
JOY 結構、楽しみながらできそうな感じもしますが、子供たちはどんな反応ですか。
中川 僕は実際に、子供たちがプログラミングをやっている授業を何回も見に行きましたけど、授業の時間が終わって、先生が「あー、ストップ、ストップ!もうやめて!」と言うぐらい、子供たちは集中してプログラミングの授業を楽しんでいました。
JOY 教えるのは小学校の先生ですか?
中川 はい。学校の先生たちも、2020年度のプログラミング教育の実施に向けて今、準備を進めていらっしゃいます。
実は、文部科学省は総務省、経済産業省と連携して今年の9月を【未来の学び プログラミング教育推進月間】に設定しました。文部科学省では、企業と連携して【総合的な学習の時間】におけるプログラミング教育の指導案を用意するなど、小学校での取組を支援することとしています。
秋元 小学校だけでなく、企業などと協力をしながらプログラミング教育を進めていくということですね。
中川 2020年度から小学校でプログラミング教育が始まりますが、あくまで、これはプログラミングそのものを学ぶというより、プログラミングやコンピュータというものを使って社会の問題を解決する考え方、見方を育んでいく取組になります。コンピュータやプログラミングに対して苦手意識のある保護者の方、子供たちもいるかもしれませんが、楽しんで体験をしてもらえたらと思います。
JOY 授業にこういうのが入ってくるということは、これからの時代必要なことだし、マイナス面はないよね。さっき、僕たちも触らせてもらったけど、ネコのキャラクターを動かすという簡単なもので、これなら親子で楽しみながら学べるものだと感じたな。
秋元 何だかワクワクしますね。私たちも授業で学びたかったな。