秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2019.06.01

UPDATEしよう! エイズ治療のこと HIV検査のこと



あなたのエイズやHIVに関しての知識は更新されていますか?「エイズは死に至る病」と思っている方は、情報のアップデートが必要です。今回は、「アップデートしよう。エイズ治療、HIV検査のこと」についてお話しました。

JOY  HIV、エイズ…怖い病気で治らないというイメージがあるよね。あとは、性的な接触があって感染するというイメージかな。

秋元  「エイズは死に至る病」だと思っている方もいるかもしれません。でも実は、医療の進歩によりHIVやエイズを取り巻く状況は劇的に変わってきているそうです。
ここからは厚生労働省 健康局 結核感染症課の日下英司さんにお話を伺っていきます。

日下  エイズがはじめて確認され、エイズやHIVが注目されたのは1980年代です。その頃は原因不明で有効な治療法がなく死に至る病であるということがセンセーショナルに世界中を駆け巡りました。そのためいまだに当時の認識をお持ちの方がいらっしゃるようです。

JOY  「エイズ」イコール「死に至る病」というイメージですね。

日下  エイズが世の中に注目されてから、もう40年近く経っています。医療は進歩して、今では早期発見、早期治療をすることにより、エイズの発症を防いで感染していない人と同じような生活を送ることができるようになっています。つまり、エイズは必ずしも死に至る病ではないのです。

秋元  状況は変わってきているんですね。ちなみに、今の若い世代の方はHIVやエイズにどんな印象を持っているのでしょうか。

日下  若い世代の方はHIVやエイズについて知る機会が少なく、正しい知識を持たずに漠然と怖い病気と思っている方も多いようです。
そこで今日は、改めてHIVやエイズについて最新の情報を知っていただきたいと思います。

秋元  それではまず、HIVやエイズがどういうものなのか、基本から教えて下さい。

日下  まずHIVですが、こちらは【ヒト免疫不全ウイルス】のことです。感染すると、身体を病気から守っている免疫力を低下させてしまいます。感染経路はいくつかありますが、日本では大半が性行為による感染です。握手やくしゃみ、入浴、ペットボトルの回し飲み、同じ鍋を囲む、同じ蚊に刺されるなどでは感染しません。唾液で感染すると思っている方もいらっしゃいますが、唾液では感染しません。

秋元  では、エイズはどういうものなんでしょうか?

日下  エイズは【後天性免疫不全症候群】と言って、HIVに感染することによって起こる病気です。HIVに感染し免疫力が徐々に低下すると、本来なら自分の免疫力で抑えることができる病気を発症するようになってしまいます。免疫力の低下によって、特定の病気を発症してしまった場合に、エイズ発症と診断されます。

JOY  日本ではどのくらいの方が、HIVに感染したり、エイズを発症しているのですか?

日下  速報値となりますが、2018年のHIV感染者報告数は921名、このうち病気を発症してしまったエイズ患者報告数は367名です。新たに診断されたHIV感染者とエイズ患者については、その9割以上が男性で、年齢はHIV感染者の場合20代から30代が多く、エイズ患者の場合は30代以上に多いというデータがあります。

JOY  若い人に多いんですね。HIV感染者報告数は921名。思ってたより多かったな。

日下  世界的に見ると数自体は必ずしも多いわけではなく、ここ数年は下がってきています。一時期、日本は先進国の中で唯一、増え続けていると言われていました。特に若い世代でこういう病気が流行っているということは非常に大きな問題だと捉えています。

また、残念なことに、新たにHIV感染がわかった人のうち、すでにエイズを発症している人がおよそ3割もいます。HIVには、感染してから自覚症状のないまま数年間の潜伏期間があります。この間にHIVに感染していることがわかっていたら、治療して発症を防ぐことができたんです。ですから、HIV検査を受けていただきたいと考えています。HIVに感染しているかどうかを調べるためには、HIV検査を受けるしか方法がありません。

JOY  検査はどこでできるんですか?

日下  全国の保健所や病院などで受けることができます。保健所であれば無料で、匿名で検査を受けることが可能です。検査はわずか5cc、一般的な健康診断の採血よりも少量の血液を採るだけでできます。検査結果は通常、1週間から2週間でわかりますが、その日のうちに結果がわかる即日検査を実施している保健所もあります。

秋元  自分の名前で検査結果が残ることを心配する人でも、匿名なら安心ですね。

日下  6月1日から7日は【HIV検査普及週間】で、この期間は通常よりも検査の受付時間を延長し、夜間の検査や、土日の検査を行っている保健所もあります。また、保健所以外の場所に、特設の無料検査場を設けているところもあります。【エイズ予防情報ネット】というサイトをご覧になっていただけば、HIV検査を行っている特設の無料検査場を簡単に探すことができます。

JOY  HIV検査って、どういうタイミングで受ければいいのでしょうか?

日下  実はHIVに感染して3か月以内だと、HIVの抗体がまだ血液中に出来ていない可能性があるので陰性となる場合があります。ですから正確な結果を得るためには感染の可能性のある機会から3か月以上たってからの検査をおすすめします。

JOY  検査結果がもし陽性だったらどうしよう…その怖さから迷う人も多そうですよね。

日下  検査結果が陽性の場合、その場でカウンセリングや病院の紹介、治療の相談なども受けられます。検査を受けることは安心につながるので、ご心配な方は、ぜひ受けてください。

秋元  カップルで検査に行くというのも良いですよね。

日下  HIVは誰でも感染するリスクがあるものですから、予防する意味でも、パートナーが変わったタイミング、結婚の機会などにカップルで一緒に受けていただくのも良いのではないでしょうか。また、今現在、パートナーがいなくても年に一度、健康診断を受けるような意識でHIV検査も受けていただければ、確実に早期発見、早期治療につながると思います。

JOY  そもそも感染しないように予防することも大事ですよね?

日下  予防にはコンドームの適切な使用が有効です。自分だけでなく、大切な人を守るためにも基本的なことを守っていただければと思います。今、HIVやエイズは死に至る病ではありません。早期発見、早期治療で感染していない人と同様に、健康的な社会生活を送ることができます。HIV検査を受けることが感染の広がりを防ぐための第一歩です。エイズ治療やHIV検査について、ぜひ最新の情報にアップデートしてください。感染した方に対する偏見や差別をなくし、誰もが関係のある健康問題として、考えていただければと思います。

秋元  大まかな知識だけで、それが正確な情報かどうか、自分の中で分からなかったけれど、今日のお話を聞いて明確になったので良かったです。他人事だとは思わずに、しっかり検査を受けていただきたいと思います。

JOY  アップデートされましたね。定期的に検査を受けて、なるべく早期に見つけられるようにしないといけないね。しっかり、チェックしていかないとだね。