秋元才加とJOYのWeekly Japan!!

生活に身近な情報や政府の取り組みをわかりやすくお伝えする番組「秋元才加とJOYの Weekly Japan!!」。番組パーソナリティーの秋元才加とJOYが、毎回、生活に密着したトークをゲストと繰り広げ、私たちの暮らしに必要な情報をお届けします。

2019.10.19

あなたのサポートが必要です。命のボランティア 骨髄バンク



“誰かの命を救える仕事”は、災害現場や医療現場での活動といった直接的なものや、間接的なものまで様々あります。私たちの身近なところでは献血や骨髄ドナー登録も、その一つです。骨髄ドナー登録をすること、骨髄移植について知ることは、誰かを支える、救える一歩に。今回は「あなたのサポートが必要です。命のボランティア 骨髄バンク」というテーマでお話しました。

秋元  骨髄バンクや骨髄移植について、耳にしたことはあっても、よくわからないという方、多いと思います。

そこで今日は、厚生労働省・健康局・難病対策課・移植医療対策推進室長 井口豪さんにお話を伺っていきます。

井口さん、骨髄バンクや骨髄移植について、基本的なことから教えてください。

井口  はい。骨髄バンクというのは、血液の病気で骨髄移植を求める患者さんのために、広く国民の皆様からドナー登録者を募り、公平に骨髄を提供する機関です。
現在50万人ほどの方にドナー登録をしていただいていますが、年齢別にみると、40歳以下の若い方の登録が少ない状況なんです。

JOY  献血も若い方の協力が少ないって聞いているけど、同じなんですね。

井口  はい。骨髄移植については、「詳しく知らない」、また、漠然と「怖い」「痛い」と思い、登録まで至らない方が多いと思います。でも、白血病など重い血液の病気と診断され、骨髄バンクを通じて移植を必要としている患者さんは、年間2000人以上います。
ですから今日は、骨髄移植や骨髄バンクへのドナー登録について少しでも知識を深めていただき、ドナー登録にご協力いただければと思っています。

秋元  そもそも「骨髄」とはどういうものなんですか。

井口  はい。骨髄とは、骨の内部に存在するスポンジ状の部分のことで、この中にある骨髄液に、血液のもとになる細胞が多く含まれています。
骨髄移植はこの骨髄液をドナーから採取して患者さんへ、点滴で注入する治療法です。

JOY  ドナーになった場合、骨髄液を採取後、減ったままではなく、血液と同じように、また増えるんですか。

井口  はい、増えます。

秋元  骨髄液は、誰のものでも移植できるわけではありませんよね。

井口  もちろんです。骨髄移植のためには、血液中の白血球の型が適合する必要があります。この型は数万とおりあり、一致するのは兄弟姉妹で4分の1の確率しかなく、親子ではまれにしか一致しません。
さらに、血のつながっていない方では、数百から数万分の1の確率でしか一致しないんです。
だからこそ、広く、多くの方にドナーになっていただきたいのです。

秋元  ドナー登録者が増えると、一致する確率もちょっとでもあがりますね。

JOY  若い人のドナー登録数が増えていかないと、数年後には、登録者数がすごく少なくなり、困った状況になるよね。
より多くの方の協力が必要なのはわかるんですけど、どのように骨髄液を採取するのか知らないから、怖いというイメージを持っている人はたくさんいると思うんだよね。

秋元  そうですよね。
井口さん、骨髄移植のためにはドナーの骨の内部から骨髄液を採取する、ということですが、実際、どのようにして採取するんですか。

井口  全身麻酔をして腰の骨に針を刺して骨髄液を採取します。
採取中は痛みを感じず、およそ1時間から3時間程度で終了します。

JOY  全身麻酔なので、痛みは感じないということですが、採取した後はどうですか。

井口  痛みの感じ方には個人差がありますが、提供いただいたドナーの方へのアンケートによると、9割以上の方が「麻酔が切れた後も痛みがなかった」と答えています。
通常は2日から3日程度で退院でき、日常生活に戻ることができます。
この採取にかかる費用について、ドナーの方の負担はありません。

秋元  お話を伺って痛みに対する恐怖は少し和らいだんですけど、全身麻酔というのに抵抗がある方もいそうですね。

井口  はい。お話を聞くと、そういう方もいらっしゃるようです。
実は、全身麻酔をせず、献血のように腕に針を刺して、血液のもととなる細胞を取り出す方法もあります。
この場合、白血球を増やす薬をドナーの方に注射する必要があるので、採取の3、4日前から入院していただくことになり、トータルで5日間から6日間の入院が必要となります。

JOY  入院日数は増えるけど、全身麻酔をしないという選択もあるんですね。
ただ、仕事を1週間近く休むのが難しい方もいらっしゃるかもしれませんね。

井口  そうですね。
実はドナー登録をしたものの、実際に提供の依頼を受けた時点で、辞退される方も多くいらっしゃいます。

秋元  提供の意思があって登録したはずなのに、辞退する方が多いというのは、どうしてですか。

井口  そうですね。健康上の理由もありますが、「会社を休むと職場に迷惑がかかるかもしれない」「いざ提供となると不安になった」などの理由があるようです。
また実際に提供することになれば家族の同意が必要になります。
しかし家族の理解が得られずに、提供を断念する方もいらっしゃるんです。

JOY  登録した当時は独身だったけど、もしかしたらその後、家庭を持ち、周りの理解が得られないといった、登録した時と状況が変わっているケースがあるかもね。
ドナーの方に加え、家族や周りの理解や協力も必要なんですね。

井口  提供が途中で断念されると患者さんの治療が遅れ、実際に提供してくれるドナーを待っている間に、最悪の場合、亡くなってしまうこともあります。
ですから、もし、身近な方がドナーに選ばれた場合、是非、周りの方も理解して協力していただければと思います。

秋元  今日のお話を聞いて、ドナーに登録したいという方もいらっしゃると思います。骨髄バンクへの登録条件などを教えていただけますか。

井口  骨髄バンクでは、18歳から54歳までの健康な方に、ドナー登録をお願いしています。
その他のドナー登録の条件などは、日本骨髄バンクのホームページをご覧ください。
登録は献血センターや保健所などで登録書類に必要事項を記入し、腕から、わずか2mlほどの採血をするだけです。

骨髄移植によって、文字どおり、命が救われます。
まず、骨髄バンク、骨髄移植について、知るところから始めてみてください。また、皆さんの会社やご家庭に、ドナーに選ばれた方がいらっしゃったら、どうか、その方が骨髄提供のために、仕事や家事を休んで入院できるよう応援してあげてください。

JOY  家族の間での会話で当たり前のように、こういう骨髄バンクの話が出るようになるといいよね。
助けを必要としてる人が多くいる中、若い人のドナー登録数が減っているという事は、長い目で見た時にすごく大変な問題だと思うんだよね。だから、今日の話を聞いてすごく勉強になったし、自分も登録しなきゃと思ったし、この番組を聞いてくれているリスナーの方の中にも、登録しようと思ってくれた方がいたら、すごく嬉しいな。
協力できる人は、みんなでやっていきましょう。

参考:骨髄バンク