2008.12.27 間違いだらけの大麻伝説

今週のキーワード「間違いだらけの大麻伝説」について解説してくださるのは麻薬取締りのプロ! 中川孝行さん。
厚生労働省の政策実施機関 のひとつ、関東信越厚生局の麻薬取締部の部長を努めている中川さんの 18歳からスタートした麻薬取り締まり任務のキャリアは、40年を 数える、麻薬取り締まりのプロフェッショナルです。


中山 「ニュースをにぎわしている大麻問題の誤解について、詳しくお聞かせ下さい。まず始めに"大麻はタバコよりも害が少ない?!"これについてはどうでしょうか」

中川 「タバコに比較して、害があります。1997年のWHOの報告書では、長期に使用すると男性の場合は精子の数、構造、形態、運動性が異常、女性の場合は月経が異常があると言われ、精神毒性については集中力、記憶力の減退、知的水準の低下、幻覚、妄想、目に力がなく、焦点がさだまっていない、やる気が全くなく、仕事も手に付かない状態になり、記憶力がなくなるという要素があります。」

中山 「吸っても害がないはうそだと、言う事ですね。では次、”タネなら持っていても罪にならない!?”」

中川 「マスコミの報道などでタネはOKと誤解されていますよね。本来は栽培を目的にタネを持っていたり、提供したりするだけでも処罰の対象になっております。最近種子のネット販売をしていた人が逮捕されましたが、売買ももちろん処罰の対象です。」

中山 「大麻の種って大きいんですか?」

中川 「大体直径が3 ~4ミリですね。七味唐辛子の中にも入っていますが、熱処理されて芽が出ないようになっています。」

中山 「なるほど、では次の間違いだらけの大麻伝説、次にいきます。"大麻で捕まっても、罪がは軽い?!"」

中川 「大麻を持っていたり、人からもらったりすると5年以内の懲役、営利目的にすると7年以下の懲役、200万円以下の罰金、栽培になりますと、また違った懲役があります。ですから、決して軽いとは言えませんね。」

中山 「"最近大麻で捕まる人が急増している?!"こんなこともちまたで騒がれていますよね。」

中川 「最近は確かに押収量等は増加傾向にありますが、ここ5年くらいを見ていると、少しの増加は合っても横ばいに近い状態ですね。」

中山 「他に間違っている情報などあれば、お話し頂けますか?」

中川 「習慣性がないと言われますが、長期に使用すると精神的依存がありますし、大麻に対する反応が低下して、結果として使用量が増加する傾向にあります。」

中山 「ダイエット効果があるなんて噂もありますが…。」

中川 「これは、逆でして吸煙すると食欲が増すんです。だから、太る可能性がありますよね。もう一つは大麻を吸っても罰せられないと言いますが、確かに使用は処罰の対象にはなっていませんが、吸うには手に持たないといけませんよね。ですから、結果的には罰せられる事と同じ事になるんです。」

中山 「麻薬や覚せい剤に比べて若者に多いと感じますが、どうなんでしょう?」

中川 「麻薬や覚せい剤より軽い感じがあるんでしょうね。麻薬や覚せい剤は注射器等を使うので犯罪意識があるんですね。ですから大麻等から始めて、よりハードな薬物に進んで行く可能性はありますね。」

中山 「もはや麻薬等への入口みたいになっているんですね。」

中川 「そうですね、不良外国人が路上で販売していたりする事もあります。」

中山 「街を歩いていて聞かれる事もあるということですか?」

中川 「そうです。ですから、ちょっとでも好奇心があると手を出してしまったりするんですね。」

中山 「なるほど、軽い気持ちから重大な事態につながるということなのですね。」


◇感想◇
間違いだらけの大麻伝説ということで皆さんの誤解をすっかり解く事が出来たんではないかと思うんですけど、人伝てに聞いたりと間違った情報が蔓延していると私自身も感じていたんですが、事実やはり大きく違いましたね。
要は絶対に手をださない!触れない!傍に行かない!ということですね。