■第4話
事故が起こった。
悦子が大怪我をした。
隣で作業する人の斧が足に刺さったのだ。
あわてる仲間たち。
島に一軒しかない診療所に行ったが、医者はいなかった。
週に二日しか来ないのだ。
みんなが、途方にくれている中、修一の声が響く。
「僕は医者です。心配しないで」。
修一の的確な治療で、ことなきをえた。
診療所に泊まったひなみに、ベッドの上の悦子が、
ふとつぶやく。
「わたし、返さなきゃいけないもの、いっぱいあるんだよね」
海を臨む堤防。そこに修一がいた。
ひなみは声をかける。
修一は、初めて自分のことを話す。
彼は小児外科医。
でも、ある子どもを死なせてしまった。
そのことから逃れるために、
ここに来た。それを聞いたひなみは、幼い頃、
水泳大会の前日に、緊張するひなみに父が
言ったひとことを伝える。「深呼吸してごらん」。
二人で深呼吸してみた。朝の空気が
胸いっぱいにひろがった。

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