■第5話
キビ刈り隊として頑張った35日間。
それから一年後。
ひなみは、今、もう一度あの島に行こうとしていた。
今も島に残り、診療所で働いている修一に会うために。
二人は、この一年メールを続けてきた。
そして、ひなみは会いたいと思った。
空港に見送りに着てくれた悦子に
背中をおされ飛行機に乗り込む。
雲海を見ながら思い出すのは、
キビを刈りきったときのこと。あの充実感。
あの爽快感。そしてあの不思議な喪失感。
島に着いた。でも診療所に行っても修一はいない。
仕方なく、あのサトウキビ畑に行ってみた。
刈り切ったキビが、また新しく生い茂っていた。
そこにひとり動く影。
修一がひとりでキビを刈っていた。
思わず駆け出すひなみ。再会を喜ぶ二人。
一面のキビ畑を前に、ひなみと修一は深呼吸した。

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