「夢への路」
あれからもう２年が過ぎたのかと思うと、何だか寂しい気もするが・…。2001年12月、僕はある思いを胸に秘め、夢でもあったメジャーリーグでのプレーをするため渡米した。そこは、想像していたよりも寒く、思っていたよりも賑やかな都市だった。そう、メッツ本拠地のあるニューヨークである。初めて足を踏み入れた土地ではあるが、ここにくるまでの数ヶ月間の間に、日本のTVや雑誌であの痛ましい事件を観ていろいろな事に対し免疫は出来ているつもりでいたが、やはり実際にグランドゼロに足を運んだ時には胸を締め付けられるような思いに
なっていたことを思い出す。
ニューヨークメッツの一員として、この街を勇気付けるような活躍を誓ったのもこの時であった。さて、入団会見はというと今年も日本からプレーヤーが入団するよぐらいののりだろうとたかをくくっていたが、どうやら雰囲気が怪しい。会見前日、ボビーバレンタインの計らいで、ガスリー、セデーニョ、そして何と憧れのロベルト アロマ−と食事をしたのだが、もう何が何だか・…。翌日の会見は、それらの選手に加え投手陣の親分、殿堂入りも間違いなしと言われるジョン フランコまでもが同席していたのである。球場での撮影も、肌に突き刺さるような寒さであったと思うが、過去にないぐらい気持ちが高ぶっていたため、熱かった事を思い出す。
(続く)
