日本列島には、桜が咲き始めて、やってきた春。
クルマで遠出する機会も増えるでしょうが、高速道路では車線変更に注意して下さい。
時速100km前後で走っているので、万が一の時には大きな事故に繋がりかねません。





今回のコメントは、日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員菰田潔さんでした。

高速道路での車線変更は、約3秒前に合図を出すと道路交通法で定められています。
合図は一般的にはウインカーで、安全確認・ウィンカー・3秒後に車線変更開始が正しい順序。

菰田さんの印象だと3秒前にウインカーを出して車線変更するドライバーは稀。
ウインカーを出すのは、他の車に自分の行動予定を示すためです。
車線変更をしたいと思ったらすぐにウインカーを出すこと。
そして、3秒間に他車の動向を見て、安全ならゆっくり車線変更します。





高速道路での車線変更は後続車にも注意しましょう。
バックミラーで1回だけでなく複数回見て、続いて来る車の速さを予測します。
特に走行車線から追い越し車線に出る時には気をつけて下さい。
追い越し車線に出て走行車線の車を追い抜いた後で、
前方に車がいなければ走行車線に戻ることも大切。
戻るタイミングはドアミラーではなく
ルームミラーに追い抜いた車のフロント部分が見えた時です。

また、ハンドルの切り方も重要。
ハンドルには指1本分ぐらいの遊びがありますが
その遊びの範囲内で車線変更したい方向にハンドルをやや押す程度でいいそう。

100km/hで走るクルマは1秒間に28m、5秒間で140m進みます。
最近は一部で120キロの制限速度の区間もできました。
120km/hだと、1秒間に33.3m、5秒間に約167m進みます。

この走行距離を考えると、ほんの少しの車の角度の変化で、大きく横に移動してしまいます。
だから、より丁寧な運転が必要になるのです。





車線変更してはいけない、あるいは避けるべき状況もあります。
まず、道路交通法で、トンネル内での追い越しは、原則として禁止されています。

また、雨や雪が降っている時には、路面が滑りやすく、視界も悪くなりがち。
車線変更の時に急ハンドルを切るとスリップしてしまう可能性も大。
そうなると接触事故や追突事故となって、
どのクルマもかなりのスピードを出しているわけですから大惨事が生じかねません。
無茶は決してしないようにしましょう。
      
もうすぐ4月。暖かい春を迎えて、みんな活動的になり、
外を歩く時、自転車に乗る時、これまでより自由度が増します。
そんな時に気をつけたいのが横断歩道。
利用する側もクルマを運転する側も交通事故に遭わないように起こさないようにしましょう。





警察庁によると、令和元年からの5年間で
自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故は4,435件。
3,079件が歩行者が横断中の事故で、
そのうちの35%、1,086件が横断歩道で起こっています。

まずは、どんな立場にあっても、
横断歩道の交通ルールを知っておく必要があります。

歩行者は横断歩道が近くにあれば、横断歩道を渡らなければいけません。
その際には縞模様になっているラインの上を歩くこと。
横断歩道の近くを横断する行為は禁止されていて、細い規定ですが、
歩行者の安全を考えての規定なのできちんと守るようにしましょう。

横断歩道がなくても、信号がある交差点があるなら、ここを渡ります。
近くにはともに無く、さらに歩道橋や地下道もない場合には、
道路を横断していいと規定されていますが、斜め横断や、
例えば車が渋滞していてその前後・隙間から抜けていくような横断は禁止されています。





歩行者は、道路を渡りたい時、近くに横断歩道があるなら、
必ず横断歩道を横断しなければいけませんが、
ここで、歩行者用信号には青から赤に変わる前には点滅時間がありますが、
あれはどんなメッセージか知っていますか?

横断歩道を渡ろうとしたら歩行者用信号が点滅し始めて、
急いで横断したけれど横断途中で赤に変わったという経験があるでしょう。
実は、それは当然のこと。

道路交通法では「歩行者用信号機が青信号で点滅している時は、
道路の横断を始めてはいけません。 横断中の場合は、速やかに横断を終えるか、
引き返しましょう」と規定されていて、引き返す前提があるので点滅時間は短め。
多くの歩行者用信号は、半分を渡れる程度の設定になっていて、
点滅してから横断しても渡りきらないうちに赤になってしまうというわけです。
覚えておいて下さい。





次に自転車を利用している方。
自転車に乗って横断歩道を歩行者と一緒に横断しているでしょうか。
これは、交通ルール上NGというわけではありませんが、注意が必要です。

道路交通法では、歩行者の通行を妨げないことが求められていて、
歩行者の邪魔になってしまう場合は、降りて押して渡らなければいけません。
もう一つ、「自転車横断帯」がある場合には、そこを通行する必要があります。

自転車は歩行者に準じたものではなく、法律的には軽車両という扱い。
横断歩道の利用も車両であることを意識して下さい。





最後にクルマを運転している時の注意点。
まず、信号のない横断歩道に渡ろうとしている人がいたら必ず停止線で一時停止すること
ただ、横断歩道がないところを歩行者が渡ろうとしている場合は、
クルマで走行している道路のほうが幅が広い、優先道路なら泊まらなくても大丈夫です。
ただ、もちろんその場合も、渡ろうとしている人がいることを意識して通過しましょう。

それから、横断歩道や自転車横断帯の30m手前からは追い越しや追い抜きは禁止。
横断歩道や交差点の前後5mの中は駐停車禁止。
交通事故の要因を作らないため、こうしたルールはきちんと守って下さい。





歩行者、自転車利用者、クルマのドライバー、
それぞれの立場で横断歩道での事故が起きないように気をつけましょう。
夜間や交通量の少ない交差点で
赤や黄色の点滅する信号に出くわすことがあるかもしれません。
この場所では、各地で出会い頭の衝突事故も起きています。
今週は「点滅信号の意味とルール」についてお伝えしました。





まず、点滅する信号には2つのタイプがあります。
1つは一灯点滅式信号機。
一灯点滅式信号機は、道が狭く、信号機が設置できない交差点などに、
設置されているもの。四方に1個ずつライトがあって、
主道路は黄色の点滅、従道路は赤の点滅。








もう1つは三灯点滅式信号機。
通常の信号機が、時間帯などで点滅信号に変わるもの。





今回のコメンテーター モータージャーナリスト 藤田竜太さんによると
夜間交通量が少ない箇所では、夜の10時頃から早朝5時頃まで
黄色や赤色の点滅信号に切り替えているところがあります。
こうした点滅信号の導入については実は明確な基準がありません。

警察庁の信号機設置指針を見ると、その条件の1つが
「主道路の1時間の最大自動車等往復交通量が原則として300台以上」。
これは「信号を守る意思がある人でも12秒以上クルマが来ないと
信号を無視して横断を開始する割合が増える」傾向があるから。
そこから推測すると1時間に300台を平均した「12秒」以上クルマが来ない
昼間は青・黄・赤を繰り返す信号機も夜間は点滅式に移行する可能性ありとのことでした。





点滅式信号機は一灯点滅式信号機、三灯点滅式信号機、
いずれのタイプにしても黄色の点滅信号と赤の点滅信号があります。

黄色の点滅信号は「歩行者および車両などは、
他の交通に注意して進行することができる」
の意味。
赤の点滅信号は「車両等は、停止位置において一時停止しなければならない」と
道路交通法施行令で定められています。

自転車や歩行者の場合ですが、自転車は車両ですから車と同じ。
赤の点滅信号では一時停止する必要があります。
しかし、歩行者は赤の点滅信号でも他の交通に注意して進行することができます。
周囲の状況に気をつけて通りを渡りましょう。





点滅信号の交差点でよくある事故は、
黄色点滅信号側の車が減速が不十分で交差点に進入して対向車両と衝突事故になるケース。
また、自転車が赤の点滅信号でも一時停止をしないで交差点に進入し、
車と出会い頭に衝突した事故などもあります。
いずれにせよ、点滅信号のある交差点では、出会い頭の事故が多い傾向が見られます。


出会い頭の事故を避けるためには、
交差点に入る前に、十分な注意を払うこと。
「赤の点滅信号での一時停止」と「黄色点滅信号で徐行すること」が大前提。
その上で、黄色点滅信号でも「自分に優先権がある」と過信せず
安全が確認できるスピードまで速度を落として
左右の見通しが悪ければ一時停止をするぐらい慎重に交差点を通過しましょう。

特に歩行者や自転車は、赤の点滅信号でも一時停止をしないで
そのまま交差点に入ってくることがあるので要注意です。

点滅信号があるのは、交通量が少ない場所。
スピードを落とさずに交差点に入るクルマがあるかもしれません。
十分に気をつけて下さい。


最後に一灯式の点滅信号機は、見えにくいということや
なじみがなくてかえって事故に繋がりやすいということで
全国で撤去が進み、道路標識・道路表示に置き換えられていることを伝えておきます。
今週は、毎年この時期の恒例になっている
「JA共済 全国小・中学生 交通安全ポスターコンクール」。
全国から8万260点の応募があった令和6年の受賞結果について
JA共済連 農業・地域活動支援部 根本めぐみさんにお聞きしました。





小・中学生の図画工作・美術教育の高揚を図り
交通安全への想いを広く社会に訴えることが目的の「交通安全ポスターコンクール」。

その時々の子供たちの交通安全についての関心ごとが表れるという意味で
興味深いとともに大切なコンクールですが、令和6年で最も多かったのは
「スマートフォンの使用マナー」を訴求する作品でした。

特に中学生の作品では、若者の「歩きスマホ」に対して注意を呼びかけるものが多く
同年代の仲間たちや自分自身への戒めの意味も込められているように感じたといいます。

それでは受賞作をいくつかご紹介しましょう。
まずは内閣府 特命担当大臣賞を受賞した
小学6年生 白川歩美さんの作品。





これは交通ルールをテーマにしたポスター。
「止まれ」の標識で一時停止をせず、爽快に自転車をこぐ女の子と
曲がり角から飛び出してきた自転車に驚く車の運転手の表情が対照的に描かれていて
交通ルールを守らないことがいかに危険かが伝わってくる作品です。
交通ルールを守って安全に行動してほしいという願いが込められているのでしょう。

次は農林水産大臣賞を受賞した
小学5年生 岡本 咲耶さんの作品。





反射材をテーマに、方言を活用した覚えやすい標語を
読みやすい文字や並べ方で描いた印象に残る作品です。

反射材のようにハッキリと見えるように色の組み合わせなどが工夫されていて
ポスターを見た人がみんな反射材をつけて、交通事故が少しでも減ってほしいという
願いが込められているようです。

続いては次は長官賞を受賞した
小学3年生 吉屋 璃音さんの作品。





これは「ながら運転」をテーマにしたポスター。
すぐそこに迫っている「危険」にまだ気付いていない二人の楽しそうな表情が
ながら運転の恐ろしさを強調していて、見る人にながら運転の危険性を考えさせる作品です。

最後は文部科学大臣賞を受賞した
中学1年生 近藤 穂さんの作品。





壊れて変形した自転車とそばに落ちているスマートフォン。
遠くに救急車が描かれ、どんな原因で何が起きたのかを想像させる作品です。
他人事ではなく自分のこととして想像して
ながらスマホの抑止に繋がって欲しいという気持ちが伝わってきます。

子どもは大人が思っている以上に
普段から交通安全に強い関心を持っていると同時に
大人や周囲のことをよく見ています。

子どもの描いたポスターを見て、交通安全に対する姿勢を見直したり
家族と一緒に交通安全について話し合うきっかけにして下さい。


JA共済 全国小・中学生 書道・交通安全ポスターコンクール 公式サイト

http://social.ja-kyosai.or.jp/contest/