都道府県警察は事故撲滅を目指して
さまざまな取り組みを行っています。

奈良県では今年、奈良市と大和郡山市
2つの交差点に新信号機が導入しました。
「歩行者早出し方式」と言われるタイプのものです。

一般的な信号機では、歩行者用信号機の「青」と
車用信号機の「青」が同じタイミングで表示されます。







奈良県警察が導入した信号機は、
先に歩行者用信号機 の「青」を表示。
歩行者が横断歩道の半分ぐらいまでくるタイミングで
車用信号機が「青」に変わるという方式です。
時間にして5、6秒の時間差を設けました。







奈良県では昨年、歩行者の死亡事故が多発。
そこで事故の状況を分析しました。

すると浮かび上がったのが1つのパターンです。
青信号で横断を始めた歩行者が、
やはり青信号で右折する車に、
横断歩道上ではねられるという状況です。

こうした事故を防止する対策例として
歩行者と車の信号を別に表示する
「歩車分離式信号機」があります。

しかし、2つの交差点は渋滞が発生しやすい地点。
「歩車分離式信号機」は円滑な交通を阻害しかねません。

そこで奈良県警察は頭をひねって妙案を考えました。
すると出てきたのが青表示に時差を設けるというアイデアです。

検討した結果、車が横断歩道に差し掛かる頃には、
歩行者は横断を終えているか、
横断中でもドライバーに発見されやすい位置にいる。

また、全ての方向の車を停止させている時間が短くて済むので
交通渋滞も悪化しないのではないかという結論に至りました。

そこで、こうした信号機の運用事例が無いか
近隣警察に確認したところ、
和歌山県で昨年から導入しているとわかりました。

そこで、担当者が和歌山県に赴き、
現場の横断歩道を渡って見て、その有効性を確認。
さっそく奈良県でも導入しよう!ということになりました。

2つの信号機は3月に設置あれ、
当該交差点では現状、人身事故はゼロ。

有効な対策として効果が発揮されているので、
今後も交通事故の分析を進めて、
必要性のある交差点に導入を考えているとのこと。

全国の都道府県警察の交通安全のための施策が、
これからもどんどん効果を発揮することを期待します。



雨が降る環境下は晴天時より運転しにくいもの。
今は梅雨時。充分に気をつけましょう。

雨の日と晴れの日を比べると
首都高速道路では交通事故数は約4倍。





JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
平成27年は1年で1mm以上の雨が降った日は6%。
ところが、その6%の日に交通事故の20%以上が起きています。

雨で気をつけたいのは、まずスリップ事故。
特に要注意なのは雨の降り始め。
路面に沈んでいた油や埃が浮き上がり、
タイヤについて滑りやすくなります。

そして「見る」「聞く」。
運転時に大切な感覚が雨天時には落ちます。

サイドミラーに雨粒がついて見えにくくなる。
暗さは視界を狭くする。
雨の音で他の音が聞こえにくくなる。

ライトを点けることによって視界が広がり
他者に自車の存在を知らせることができます。
昼間でも積極的にヘッドライトを活用しましょう。





雨の時、ドライバーは自分の視覚や聴覚だけを考えてはダメ。
雨は歩行者や自転車運転者の視界や聴感の感度も落とす。
このことを考慮して車を走らせるようにしましょう。

傘は視界を狭まる。
雨合羽はフードで耳が隠れ音を聞こえにくくする。
歩行者や自転車運転者は車が接近に気づかないかもしれません。

雨天時に晴天時のような運転をするのは非常に危険。
ブレーキを踏んでから車が停まるまで走る距離は長くなります。
十分速度を落として運転する習慣を身につけましょう。
目安は晴天時より10%スピード減とされています。





ドライバーも歩行者も自転車運転者も危険を察知しにくい「雨の日」。
ドライバーは晴れた日よりもスピードを落として走る。
歩行者、自転車運転者は気づかれにくいことを認識する。
それが交通事故防止につながります。



全国のドライバーのみなさん。
夕方、あたりがどのくらい暗くなるとヘッドライトをつけますか?





この番組でも秋の交通安全運動期間などに伝えている「早めのライト点灯」。
交通安全のため、今いろいろなところから推奨の声が上がっています。
その1つが「おもいやりライト運動」です。

「おもいやりライト運動」は2010年、
日産自動車の「ハローセーフティーキャンペーン」の一環としてスタート。
翌年、市民一体になって交通安全を実現するという考えから
夕方4時〜6時の交通事故を減らすための独立した活動になりました。





「おもいやりライト運動」のWEBサイトには、
交通事故総合分析センターによる、
2011年の「時間帯別 事故件数」グラフが掲載されています。
それによると・・・・

「全事故の構成率」は8時-10時を上まわり16時-18時が最多で約15%。
「歩行者事故の構成率」は16時-18時が突出して最多で約22%。

18時-20時からは事故は減少しています。
1年平均では、その時間はライトを点けていることが多い。
そのことを考えると早い時間のヘッドライト点灯が
対策として出てくるのは当然の帰結です。

ヘッドライトの早めの点灯は、
ドライバーの視界を確保する側面もありますが、
クルマの接近を歩行者に知らせる意味合いが強く、
それで「おもいやりライト運動」です。 

「おもいやりライト運動」最初のアクションは皇居周囲のランニング。
ドライバーに早めのライト点灯を促すTシャツを着て走ったそうです。

今年でスタートから8年。
全国およそ100の個人・企業・団体が賛同して、
各地域でおもいやりライトのロゴマークを使い、
のぼり旗を作ったり、メッセージ発信を独自で行なっているそう。

なぜ早めのヘッドライト点灯が実現されないか?
「おもいやり運動」事務局でも議論になるそうですが、
「恥ずかしさがあるのではないか?」とのこと。

他のドライバーが人がライトを点けていなくても、
交通事故を起こさないためにライトを点けることは恥ずかしくありません。

「おもりやりライト運動」が推奨している点灯の30分前。
6月14日の各地の日没時間は以下です。

札幌    午後7時15分
仙台      7時 1分
東京      6時58分
名古屋     7時 8分
大阪      7時12分
福岡      7時30分


おもいやりライト運動
横浜市西区みなとみらい2-3-1
クイーンズタワーA403B(ルーデンス株式会社内)
TEL:045-228-7681 / FAX:045-662-0017
http://www.omoiyari-light.com/

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