全国には交通安全の学習施設がたくさんあります。
その1つ「山口県交通安全学習館」が 
先月、来館者100万人を達成しました。





この施設は平成5年に全ての人が正しい交通ルールを身につけ
交通安全意識を高めるための施設としてオープン。
屋内には主に機器を使用して交通安全体験ができ
屋外では模擬市街地コース等を利用した交通安全教育が実施できます。

山口県交通安全学習館は今年開館25周年。
去年12月から改修のため休館し、4月にリニューアルOPENしたばかり。
山口県警察本部 交通企画課 課長補佐 藤村俊之さんによると
リニューアル以降の来館者は前年度同期の2倍に増えているそうです。

どんな交通安全学習のためのツールがあるのか。
1つは以前から屋内にある「四輪車事故体験シミュレーター」。

機器に座り、3Dの映像で交通環境を見ます。
その上でハンドル、ブレーキ、アクセルの操作。
実際に起こり得る交通事故の危険を予測します。
結果は事故の回避あるいは交通事故となりますが
その場面を振り返り、インストラクターの説明を聞くことで
交通事故を防止しよういうするものです。




山口県警察の公式WEBサイト内
山口県交通安全学習館のページには

『42インチのフルハイビジョン画面に映し出される仮想市街地を運転。
 さまざまな危険や衝撃を体験できます。迫力満点!!』という言葉。

ゲーム感覚で遊ぶだけではダメですが、
楽しみながら交通事故の怖さを学べそうです。

「四輪車事故体験シミュレーター」に類するものとして
「二輪車シミュレーター」「自転車シミュレーター」
「歩行環境シミュレーター」もあり
それぞれの立場での『交通安全』を体験学習できます。





そして、リニューアルをきっかけに導入された機器もあります。
その1つが、クルマのハイビームとロービームの視認性の違いを
バーチャルリアリティー(VR)で体験できるシミュレーターです。

この「VRハイビームロービーム視認性体験シュミレーター」は
椅子に座り、ヘッドマウントディスプレイを装着することで
ハイビーム、ロービームの視認性を擬似的に体験することができます。

ハンドルはなく、ブレーキとアクセルの操作を行い
歩行者が見えたら即座にブレーキを踏むというもの。

ロービームであれば当然歩行者の発見が遅れて
ギリギリで停止できるか歩行者と接触してしまう。
ハイビームであれば余裕を持って止まることができます。

夜間、ロービームを活用すると40m先の歩行者しか見えませんが、
ハイビームを活用すれば100m先の歩行者等を発見することができます。
ハイビームの重要性を認識するための機器です。





こうした各地の交通安全学習施設の多くは地方自治体警察機関の運営。
無料か、有料だとしても利用料は高額ではないはず。
積極的に利用されて、交通安全に役立つといいですね。


山口県交通安全学習館
山口県山口市小郡下郷3560−2(山口県総合交通センター内)
電話番号・FAX(083)973−1900
http://www.police.pref.yamaguchi.lg.jp/koutsu/page_d001_000069.html


多くの人にとって生活に必須のスマートフォン。
LINEのやりとり 地図を見たり 音楽を聴いたり ゲームをしたり 
便利なことは間違いありません。
       
でも 公道で歩きながら 自転車に乗りながら
クルマの運転をしながらの使用は絶対にやめましょう。





去年11月 政府は「ながらスマホ」注意を呼びかけました。
そこにあるデータを見ると・・・

【原付以上運転者が第1当事者の交通事故件数】


交通事故全体

平成23年(2011年)— 65万6,000件

平成28年(2016年)— 47万5,000件 ▷ 28%の減少


「ながらスマホ」などを原因とする交通事故

平成23年(2011年)— 1,280件
       
平成28年(2016年)— 1,999件   ▷1.6倍に増加
  

交通事故全体が3割近く減っているのに
「ながらスマホ」が原因の事故は増えている。 
相対的に考えると数字以上に増えていることになります。

日本自動車連盟(JAF)では、
「ながらスマホ」の危険性について実験を行っています。
      

⬛️ 車のドライバーが運転中にスマホを使っていた場合ゴムボールを回避できるか?
      
⬛️ 歩行者が歩きスマホをした場合 どのくらい人混みの中を通れるか 
      
⬛️ 自転車の運転者がスマホを使っていた場合 人形を避けて通れるか 

     
JAF東京支部 事業課 交通環境係長 善養寺雅人さんに伺ったところ
実験は大きく2パターンの状況下にあるドライバーを対象に行ったそうです。

? 車を運転しながらゲームやSNSを目的に使い画面を注視している

? ハンズフリーで通話して運転している


すると かなり危険な結果が出ました。
ゲームアプリ使用だと4/5人がボールにぶつかる。
ハンズフリーだと4/5人がウィンカーの遅れか出し忘れる。

ハンズフリーはスマホを操作していないといえども
運転への集中が疎かになっていると実証されたわけです。





またJAFは歩行者の「ながらスマホ」についても実験しました。
人通りの多い交差点を?スマホをやらずに?スマホをいじって渡ります。

結果はスマホをいじっていない人のほうが早く横断歩道を歩ききり
歩いている時にはきちんと安全確認するために上下左右を見ていました。
ところが スマホをいじっていると かなり見る範囲が狭くなってしまい
人にぶつかりそうになった、接触したということも見られたそうです。

クルマのドライバーの「ながらスマホ」
歩行者の「ながらスマホ」から類推されるように
自転車運転者の「ながらスマホ」も危険なことに変わりありません

クルマや自転車運転中の「ながらスマホ」は道路交通法違反です。
「ながらスマホ」中に誰かを怪我させた場合
自転車でも過失傷害罪に問われるおそれがあります。

歩行者がスマホを使う時は、周囲を確認して立ち止まり、
通行の妨げにならない安全な場所で操作しましょう。

「自分は大丈夫」と思う気持ちは間違い。
事故を起こす人は みな1秒前までそう思っていたはずです。




日本の交通事故は全体的に減少傾向にあります。
ところが住宅街では 交通事故数が相対的に減っていません。





一般社団法人 日本自動車連盟
JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
住宅街を走る車の速度を調べたところ平均34.2キロ。
最高速度は46キロだったそうです。
なんと計測した地点は見通しの悪い交差点手前。

そんな傾向もあるせいか
幹線道路での交通事故数は減り続けている一方で
車道の幅が5.5メートル未満の道路では
年別の交通死亡事故件数は増減の繰り返し。
15%前後で推移しています。





高木さんによると 住宅街は歩行者がとても多い。
平成29年の状態別の交通事故者数は歩行中の死者が最多で全体の36.5%。
これが住宅街での運転は十分に注意しなければいけない根拠です。

JAFが東京・世田谷区の住宅街にある一方通行
時速30キロ規制の道路で通行車の速度を計測したところ

法定速度の時速30キロ以下 → 13台
時速31キロ 〜 35キロ    → 27台
36キロ 〜 40キロ      → 11台
41キロ 〜 45キロ      → 5台
45キロ          → 1台 





6割の車が法定速度を超えてしまっているのです。
JAFがまた別の検証実験を行ないました。

住宅街で急な飛び出しを回避できるか
5名のモニターの方にボールを歩行者に見立てて出したところ
30キロで走行中に回避できたのは5名のモニター中1人だけ。
「だから30キロで走っているから安心しないで下さい」
高木さんは指摘します。





時速30キロで走っていたにも関わらず
歩行者に見立てたボールを回避できたのは5人中1人。
法定速度が30キロでも30キロで走っていては危険なのです。
       
ただ ある運転姿勢をとっている場合は
全ドライバーが歩行者に見立てたボールへの衝突を回避できました。
それはブレーキを踏む姿勢。

交差点だけではなく 家があり 
歩行者も多い所であることを認識して
ブレーキをいつでも踏める状態にして走っておく。

ブレーキの構えが無い状態だと25km/hで走っていても
衝突を回避できなかったというケースがあるそうです。
速度を落とせば安心かというと決してそうではない。
いつでも止まれる準備をしておくことが大切です。



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