年末に「2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー」が発表されました。
選考対象は前年11月1日からの1年間に日本で発表された車種。
まずは60名の選考委員が それぞれ「10ベストカー」を投票。
得票数の多かった10台がカー・オブ・ザ・イヤー候補として残ります。
      
最終投票での各選考委員のもち点は25。
そのうちの10点を最も高く評価する1台につけて残りを他の4車に配分。
獲得点数のトップになった車種がカー・オブ・ザ・イヤーの称号を獲得します。

今回対象に輝いたのはボルボ XC60。
ボルボは初の栄冠でした。





38回を数える歴史の中でも?度目の外国車による受賞。
自動車評論家で日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴30年の菰田潔さんによると
ボルボXC60の受賞には流れがあったといいます。
遡ることその1年前に発売されたのがボルボXC90シリーズ。
これが莫大な資金をかけて開発された車でした。

ふつうメーカーが新しい車を作る時のコストは数千億円規模。
ところがボルボはXC90に1兆3千億円を投じました。
感じられるのは徹底的にいい車を作ろうという意思。

そのプラットフォームを使って製造したのが少し小さめのXC60です。
これもXC90の流れを受けてすごくいい車として完成したとのこと。

乗ってもいい。デザインもいい。質感も高い。安全性の装備も優れている。
その結果 最終投票でボルボCX60に10点を入れた選考委員は9人。
10点獲得人数では10台中4番目でしたが
ほぼ全ての選考委員がCX60を5番目までに選択。
ポイント0が他の車種と比べて圧倒的に少なかったそうです。
かくしてボルボCX60は最高点を獲得。
広く評価されるポテンシャルを持っていたことの証でしょう。

ところでボルボといえば かつてはボディの頑丈さがセールスポイントでした。
そうした安全面は 今はどうなのか菰田さんに尋ねたところ

固ければ固い方が良いと思われていた時代は変わったそうです。
車内の安全性だけを考えると攻撃性が強くなってしまう。
そこで今は丈夫な部分と衝撃吸収する部分が分けらています。
例えば 歩行者を撥ねてしまった時のため前方は柔らかく 
ボンネットに頭ぶつけても怪我しないようになってるのです。
そしてこれは既にに世界各国の車に共通のこと。

そして 菰田さん曰く「全ての車種の安全機能は洗練」されてきています。
前方をレーダー、レーザー、カメラを付けて認識。
後方もバック時に30m以内に近づく車がいるとドライバーに知らせるアラーム機能。

ADAS(advanced driver assistance system)」
と呼ばれる運転者支援システムが当たり前になっています。
古い車を大事に使う美徳はもちろんんあります。
しかし 安全性という観点だけから見れば
新しいほど良い車になってると言えそうです。

そして 2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー
イノベーション部門賞に輝いたのがトヨタ プリウスPHV。





菰田潔さんによると モータリゼーションは今 大きな転換期。
ハイブリッドよりも大きなバッテリーを積んで
家庭で充電できるプラグインハイブリッド車は
これから世界でさらに増えていくことでしょう。

自動車メーカーが可及的速やかに解決する必要があるCO2排出量。
2021年にはメーカー毎に95g/1km以下という基準が求められます
普通のエンジン車では どんなに頑張っても100gを切るのがやっと。
ところがPHVだと40g - 50g。

今回優勝したボルボも2020年の全車電動化を明らかにしていますが
2, 3年後には各社PHVが圧倒的に増加。
ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EV、
10年後には販売台数の半分はそういう車になるのではないかと
菰田潔さんはおっしゃっていました。



今週は 新年初の「なるほど!交通安全」。
今年も交通事故を起こさないよう 交通事故にあわないよう 気をつけましょう。
2018年も交通安全に役立つ情報をお伝えしていきます。
今週は交通安全啓蒙グッズを追跡。
モノの紹介とともに各社の交通安全への‘思い’もお伝えしました。

最初は静岡市にある株式会社フシミの交通安全PRトイレットペーパー。
株式会社フシミは交通安全・防犯用品・消防防災グッズを扱っている企業。
反射材や横断幕といった王道の交通安全グッズもありますが
トイレットペーパーやティッシュペーパーなど
交通安全メッセージを見えるように配置して啓蒙を図るものもあります。

このトイレットペーパーには
飲酒運転、チャイルドシート、迷惑駐車についての
交通安全スローガンとイラストが印刷されています。

株式会社フシミによると・・・

減少している交通事故と交通事故死者数。
しかし、最終的にゼロを目指す気持ちを持っているとのこと。
被害に遭うことが多いのが高齢者や子供。
彼らが交通事故に遭わないように事業展開しているそうです。

これを目にしていたら
交通安全の意識が頭に刷り込まれるかもしれません。
トイレットペーパーのように毎日見えるところにあるのは
ナイスなアイデア!だと思います。





本来の商品は交通安全に関わるものではないのに
交通安全啓蒙グッズを持っている会社もあります。
大阪市中央区のUHA-味覚糖。
ご存知のように本業は飴を中心とする菓子・食品の製造販売。
でも 12月に兵庫県警察監修の「ポリスめし」という商品を発売しました。

UHA-味覚糖によると・・・

「ポリスめし」誕生の経緯は去年の春夏に神戸市消防局とコラボして
熱中症対策のために「救塩隊キャンディ」という商品を発売しました。
それを見た兵庫県警からコラボレーションできないかというオファーが届きました。
そこで 既にあった「忍者めし」という硬めのハード食感のグミを応用。
兵庫県では死亡事故などが増えているということでパッケージを変え
少しでも目につく機会を増やし 気をつけようという意識を持つように
もう1つは噛むという咀嚼によって また兵庫産レモン果汁によって
頭がスッキリするように そんな狙いで開発されたものです。





最後は遊びやゲーム イベントを通して
交通安全の啓発活動をしている名古屋市の有限会社 広報企画。
「酒酔い体験ゴーグル」にフォーカス。

これは飲酒の体験ができるゴーグル。
そのゴーグルを使いゲームというかたちで
手に与える影響や足に与える影響を仮想体験できます。
中西さんも体験してみましたが かなり酔った感覚を実感できて
その状態で何かをすることが いかに難しく危険かがわかります。

広報企画によると・・・

交通安全はこのところずっと愛知県が国のワースト1。
自分の身近な人たちが事故に遭ったり
事故を起こしたりしたときにどうしたらいいか
そんな時の気持ちを自分の気持ちに置き換えて
優しい気持ちや思いやりの気持ちを持つことが一番。
そんなことを伝えたいと考えているそうです。





今回紹介したようなグッズやエンターテインメントから
交通安全をより身近なものにしていくというのも1つの方法
みなさんの生活にもこうしたものを
交通安全のために取り入れてみてはいかがでしょうか。



あと4日で新年がやってきますが
来年の全国交通安全運動で使用されるスローガンが11月に決まっています。
今年最後の「なるほど!交通安全」は
「平成30年(2018年)交通安全年間スローガン」を追跡しました。





一般財団法人 全日本交通安全協会・毎日新聞社主催 
「平成30(2018年)交通安全年間スローガン」の入賞は19作品。
今回はそのうち最優秀賞にあたる「内閣総理大臣賞」3作を取り上げました。

【一般部門A 運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの】】
内閣総理大臣賞 静岡県 浜松市立 二俣小学校5年大場皐生さん
「ぶつかるよ ながら運転 じこのもと」




サッカーとフットサルをやっていて
週7日 練習するサッカー少年の皐生くん。
スローガンは学校の授業で考えたということですが
6万4422点の中から3作品だけの
内閣総理大臣賞を手にしたのですから大したものです。
このスローガンはどんな“気づき”から思いついたのか?

ながら運転という言葉を使ってどんなスローガンができるか考えていたら
お父さんが車を運転している時に助手席に乗っていて
他の車の運転手がスマートフォンを触っているシーンを思い出したそう。

スマホを操作しながらの運転は絶対にダメです。
万が一 事故を起こさなくても皐生くんのような子供が見ています。
その子供たちが大人になってから真似をしないとも限りません。
大人は責任を持った行動をとりましょう。


【一般部門B 歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの】
内閣総理大臣賞 兵庫県丹波市 村岡 孝司 さん 
「行けるはず まだ渡れるは もう危険」






村岡さんは27歳の時 地元の交通安全協会のスローガン募集に応募。
入選したことから やみつきになって 
その後 いろんな標語募集に挑戦しているとか(笑)
今回はどんな思いで受賞作を考えたのかというと

村岡さん自身 今年に後期高齢者の仲間入りをして
高齢になるにつけて年々動作の鈍さを感じているそうです。
今なら渡れるはずと思いきや車はもう近くにあって恐い思いをしたり。
まだ行ける まだ渡れるという過信が事故につながることを肝に銘じて
ひと呼吸置いてから 車の通り過ぎるのを待ってから渡る様に心がけている。
その思いを伝えました。

身近に高齢者がいるなら こうしたことを伝えるようにしましょう。
そして 誰もがいずれ高齢者になります。
その時に過信しないように注意しましょう。


【こども部門(こどもへ交通安全を呼びかけるもの)】。
内閣総理大臣賞 静岡市立 長田北小学校6年 小田 友華さん。
「自転車は 車といっしょ 左側」





好きな食べ物はイチゴ。
好きな音楽はAAAという友華さんも
学校の授業で交通安全スローガンをつくりました。
思い出したのは お母さんから日頃 注意されていること。

友華さんは自転車で右側を走ってしまうことがあって
お母さんに自転車は左側だと注意をよくされるそうです。
自転車で右側を走ると歩いてる人にぶつかることがあるので
同じ子供たちに左側を走って欲しいと考えてつくったものです。

冬休みに入った小中高生のみなさん
自転車は交通事故の被害者にも加害者にもなります
運転する時は充分に注意しましょう

こうして交通安全スローガンを知ったり つくった人の話を聞くと
交通安全の大切さが より一層 リアリティを持って感じられますよ。
全作品は交通安全協会のWEBサイトに掲載されているのでご覧になってください。
     
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