今週は前回に続いて3月12日に改正される
「道路交通法」の主な改正ポイントをお伝えする後編。

警察庁 運転免許課 高齢運転者等支援担当補佐 
松代栄一さんをお伝えしてお送りしました。
今回の改正点の軸となるのは3つ。

【1】臨時認知機能検査と臨時高齢者講習 

現行制度では、75歳以上の運転者は、
3年に1度の免許証更新の時だけ認知機能検査を受けています。

改正後は更新時以外でも、75歳以上の運転者が、
認知機能が低下した時に起こしやすい違反行為をしたときは、
臨時に認知機能検査を受けることになります。
その「違反」とは信号無視・高速道路の逆走・一時不停止など 18種類。

臨時の認知機能検査の結果、
それ以前の検査結果より悪くなっている場合は、
新設される臨時の高齢者講習を2時間受講することになります。
講習では車を運転する実車指導や、その様子をドライブレコーダーで記録し、
映像に基づいた個人指導を行います。


【2】臨時適性検査制度の見直し 

現行制度では「認知症のおそれがある」方でも、
医師の診断を受けるのは信号無視などの一定の違反があった人のみ。

改正後は臨時の認知機能検査、免許更新時の認知機能検査、
ともに「認知症のおそれがある」人は医師の診断を受けることになります。

そして、指定された期日までに診断書を提出しない場合は、
免許の停止や取消しの対象となります。
また、診断の結果、認知症だと診断された場合は、
運転者の事情を聴くなどの手続きの上で運転免許の取消しなどの対象となります。
この点は、現行制度でも同じです。


【3】高齢者講習の合理化・高度化 

高齢運転者に負担をかけすぎないように、認知機能検査の結果、
認知機能の低下のおそれがない方、75歳未満の方の講習を合理化して
現行の3時間程度から2時間へと短くなります。
      
一方、認知機能の低下のおそれがある方などへの講習については、
運転の様子をドライブレコーダーで記録し、
その映像に基づいて個人指導を行うなど内容を充実させます。
講習時間も2時間半から3時間に長くなります。

最後に警察庁 運転免許課 高齢運転者等支援担当補佐 
松代栄一さんからのメッセージを記しておきましょう。

超高齢社会を迎えている中、
今後も運転免許を持つ高齢者の増加が見込まれます。
高齢者ではない方も、ご家族に高齢者がいらっしゃる方は多いでしょう。    
また、誰もがいずれ高齢者になります。決して他人事ではありません。

高齢者の方でこれまでのような運転ができなくなったと感じ始めたり、
ご家族の運転に不安を感じたりしたときは早めに警察にご相談いただくことが重要です。
全国の運転免許センターなどに設置されている運転適性相談窓口では、
専門知識の豊富な職員が高齢者の方やそのご家族からの相談に、
丁寧に対応してまいりますので遠慮なくご相談ください。
免許証の自主返納に関する相談も受け付けています。


高齢者による交通事故を社会が協力して減らしたいものです。
      




3月12日から「改正道路交通法」が施行されます。
今週と来週は、その改正のポイントを、追跡。

お迎えしたのは警察庁 運転免許課 
高齢運転者等支援担当補佐 松代 栄一さん。

今回の改正の目的。
それは高齢運転者の認知機能の状況をタイムリーに把握し、
認知症の方やその恐れののある方による交通事故の防止を図ることです。

死亡事故全体の件数は10年前の半分近く減少していますが、
75歳以上の運転者による死亡事故は450件前後でほぼ横ばい。
運転免許を持つ「高齢者」の増加を背景に、
死亡事故全体に占める高齢者による事故の割合が増えているのです。

免許保有者10万人あたりの死亡事故件数を見ると
平成27年中、75歳以上は75歳未満と比べて2倍以上なのです。

しかし、75歳未満が起こしている死亡事故件数では、
16歳から24歳までの若い年齢層が高いことも覚えておいてください。

ただそうは言っても、高齢者による死亡事故の数は横ばい。
75歳以上の割合は高くなっているということで、
今回の道路交通法改正ではどんなことが変わるのか?

1つめは【臨時認知機能検査と臨時高齢者講習】 

2つめは【臨時適性検査制度の見直し】

3つめは【高齢者講習の合理化・高度化】

この3つのポイントについて、
来週は松代さんに詳しく説明していただきます。




最近、聞く機会が多い『ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故』。
これを防止するためのグッズが昨年末に発売されました。
そして、大注目され、売れています。
今朝はその「急発進防止装置 ペダルの見張り番」を追跡しました。

ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は 平成25年でおよそ6,500件。
この事故の特徴は以下のことが挙げられます。
     
▷「駐車場」や「サービスエリア」で多い

▷ 状況は「発進する時」や「バックする時」
      
▷ 運転者は75歳以上の高齢者に多い
      
▷ パニックになりアクセルを何度も踏む


狭い場所で誤った急発進は、
人がいれば重大な事故に繋がりかねません。

この事故を防ぐために開発、発売されたのが『急発進防止装置 ペダルの見張り番』。
カー用品店「オートバックス」が企画し、ミラリードというメーカーが製造。
全国のオートバックスのみで販売されています。



販売している商品の大きさはティシュペーパー箱より小ぶりなもの。
中身はタバコのパッケージ大。
それを車内の見えないところ、アクセルの後ろ側に接続します。
これはオートバックスで購入したその日のうちにやってもらえます。
金額は取り付けも含めて税込43,198円。

車が止まっている、もしくは10km 以下で走行していて、
ブレーキを踏まずに同じ力でアクセルを踏んでしまった時、ふつうは加速します。
でも、この『ペダルの見張り番』を装着しておけば急加速しません。
車はクリープ(アクセルを踏まずに10kmで動く徐行状態)が続きます。
その時に踏み間違えていることを知らせる電子音が鳴るので、
気づいた運転手はあらためて冷静にブレーキを踏むことができます。

実際に体験したみたところ、これは凄い!
思いきりブレーキを踏んでもまったく加速はしません。
踏み間違い事故では間違ってアクセルを踏んだことでパニックになり
アクセルに乗せた足を何度も踏み込んでしまうことが多いのです。
車が急発進していないので、さほど慌てることもないでしょう。
万が一、対物・対人事故になったとしても徐行状態ですから損傷や怪我を軽減できます。

『急発進防止装置 ペダルの見張り番』の適合車は100種以上。
電子制御の車種であればOK。
とても売れているため、現在は品切れ状態。
3月末から4月上旬に予約済みの取り付けを終えて、
その後に店頭に並ぶ予定だということです。

誰もがあり得る「アクセルとブレーキの踏み間違い」
‘万が一’のため、こうした装置をつけておくことが事故防止に繋がります。
特に高齢者のドライバーにはこうした装置が必要かもしれません。




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