クルマのハンドルを握る方、
そして、免許を持たない人もクルマに同乗する機会はあると思いますが、
ドアを開ける時、どのくらい注意を払っていますか?
今週は「ドアの開放時に起きる事故」を追跡しました。

コメントは公益財団法人 交通事故総合分析センター 
研究部 主任研究員の高橋昭夫さんでした。

四輪車のドアを開ける時に起こる事故もまた「交通事故」。
平成26年には2,325件。
多い数ではありませんが、大きな事故にもなります。
平成27年には死亡事故もあったそう。

運転者、同乗者、クルマの近くを通る人、
それぞれの立場で気をつけたいところです。
2つの「ドア開放時に起きる事故」のケースを紹介しましょう。


1)乗用車が郵便局に行こうとして車を道路脇に停車。
  ドライバーが急いで降りようとしてドア開けた時、
  後ろから走ってきた原付バイクが開いたドアにぶつかり
  二輪運転者が対向車線に放り出され大怪我をした。



2)ドライバーがスーパーマーケットに買い物に来て駐車。
  止めた場所の右側は自転車とか保護者が歩ける通行帯があった。
  そこを自転車が通行してきた時に運転席のドア急に開けたため、
  自転車が空いたドアに当って、その勢いで右に倒されて軽傷を負った。



四輪車のドアを開ける時に起こる事故。
事故対象の7割が「自転車」で2割が「二輪車」。
多くはクルマの後方から近づいてきた時、
開いたドアにぶつかって事故になっています。

「自転車の事故の多さは中学生、高校生が通学で乗ることが考えられる」とのこと。
自転車通学をしている子どもがいる方は、ぜひとも注意喚起をしてください!

ところで、ドアを開けるのは運転者と同乗者の場合があり、ドアは右左にあります。    
データから、この事故の特徴を見てみると・・・


【右ドアでぶつかるケース】

荷物を配送している運転手が、
急に開けてしまったというパターンが非常に多いでそうです。
高橋さんによると、仕事なので非常に忙しく、
道路が長く駐車が出来ないような場所だと気が焦ってまう、
ついつい急にドアを開けてしまうということが考えらるということです。



【左ドアでぶつかるケース】

左側のドアに当る場合は同乗者が開けてぶつかるケースが多いそうです。
特に女性が運転していて人を送迎して降りる時、
同乗者が普通にドアを開けて衝突してしまうという可能性が高いということです。



実際、ドアを開けたクルマの運転目的の2トップは、
「業務」が54%、「訪問・送迎」が16%。
プロドライバーが運転する車だから安全というわけではありません。
乗客を乗せるために急ぐタクシーのドアにも気をつけましょう。
      
そして、同乗者が開けたドアも事故に繋がりますが、
実は運転者は、それについても責任を負っているのです。

道路交通法71条には「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない」とあり
「安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、
及びその車両等に乗車している他のものがこれらの行為により交通の危険を
生じさせないようにするため必要な措置を講じること」とあります。

【クルマの運転者】

⬛️ ドアを開ける前にルームミラー、サイドミラーを見る
⬛️ 振り向いて 自分の目でも確かめる
⬛️ ドアはいっぺんに開けず 少し開いてからゆっくりと
⬛️ 同乗者にも注意を促す


【自転車・二輪車の運転者】

⬛️ 渋滞中のすり抜けをできるだけ控える
⬛️ クルマの横を通るときはできるだけ間隔をあける
⬛️ 駐停車しているクルマの中の動きに注意する


それぞれの立場で気をつけて「ドア開放時の事故」をなくしましょう!


冬至から1ヶ月過ぎましたが、日没時間はまだ早いですね。
今日の東京の日の入りは17時9分。

日が暮れて夜になった時、
みなさんと家族は反射材を身につけていますか?
今週は反射材の使用をスウェーデンに学びました。

コメントはスウェーデン発「Glimmis」という
反射材(リフレクター)を輸入販売する
大阪市 株式会社アルゴデザイン 代表取締役 伴 敏行さん。

日本の平成23年の交通事故に関するデータから
昼間と夜間の「歩行者」の危険を見ると・・・

⬛️ それぞれの「交通事故数」に占める「死亡事故数」の割合は夜が昼の3倍!

⬛️ 昼間の「交通事故死亡者」に占める「歩行者」の割合は2割
夜間の「交通事故死亡者」に占める「歩行者」の割合は5割!

それが、数字として表れているので意識が高いのでしょう。
スウェーデンのリフレクター着用率は成人で5割、12歳以下の子どもは9割。
そして、リフレクターを着けていない歩行者の死亡率は着けている歩行者の10倍にもなるとか。
これも周知されていれば着用率は高くなるはず!

ただ、だからと言って「何でもいいからつけなさい」というのは
大人はもちろん、子供にも通用しません。そこは北欧スェーデン。
可愛いリフレクターが普及しています。
バッグにつけても恥ずかしくない形やデザイン。
その1つが「Glimmis」。

スウェーデン交通局調べでは
夜間、自動車をロービームで運転しているドライバーが
歩行者を確認できる視認距離は平均25メートル。

車が時速80キロで走行している場合、
ドライバーが歩行者を確認し反応するまで1.3秒。
しかし「Glimmis」をつけていればロービームでは125メートル、
ハイビームだと450メートル手前から歩行者の確認が可能。
交通事故を避けことが可能になります。

伴社長が「Glimmis」と出会ったのはスウェーデンにて。
アルゴデザインはもともと北欧を中心に家具や雑貨を輸入販売する会社。
街で子供たちがカバンにぶらさげているものは知っていました。
でも、まさかそれが反射材だとは思っていなかったそうです。
しかし、あるフェアでそれが可愛らしいリフレクターだと知りました。
そこで、販売ライセンスをとり、輸入することにしたのです。

日本での販売価格も中心は600円ほど。
決して高くなく、種類は多彩。

スウェーデンですからムーミン!



おばけ



恐竜



デザイナーとのコラボもの




子供が好きなものが必ずあるはず。
反射材(リフレクター)は運転者に対する存在のメッセージであり
つける人の身を守ってくれるもの。
大人はもちろん、子どもには、ぜひともつけるようにして下さい。


今週はクイズ形式で冬に気をつけたい
交通安全についての情報をお伝えしました。

【出題1】

雪道のドライブ
前のクルマとの車間距離は道路が乾燥している晴天時の時と同じでよい
◯ か X か?


<正解> X 

道路は滑りやすい状態。
ふつうの状態よりも車間距離をとる必要があります。    
車間距離が狭いとスリップした時に追突の危険が増します。


【出題2】

雪道に撒かれる凍結防止剤がクルマに着いたままにしておくと
クルマにどんな影響が出る可能性があるでしょう?


<正解> クルマが錆びたり、シミができたりする  

凍結防止剤には塩分が含まれているので
車体に付着したままだと錆びやシミの原因になります。
早めに洗い流すことが大事です。


【出題3】

寒冷地でクルマを運転しているあなた。
駐車する時にブレーキに関して気をつけたいことは何?


<正解>パーキングブレーキを引くと凍結して戻らなくなることがある 

サイドブレーキ、ハンドブレーキのパーキングブレーキは、
寒冷地での冬に凍結して戻らなくなる恐れがあります。
そうなるとクルマは動かせなくなります。
寒冷地ではオートマ車はPレンジに入れて停めましょう。
必要であれば「輪止め」しておくこと。


【出題4】

雪が積もった坂道をクルマで上っているあなた。
・・・と、タイヤが滑って止まってしまいました
発進するためにアクセルを思いっきり踏み込むのは正しい? 間違い?



<正解> 間違い

雪道の上り坂でアクセルを踏みすぎるとタイヤがスピンするかもしれません。
摩擦で雪が溶けてもっと滑りやすくなる可能性もあります。
こうしたケースでは傾斜が緩やかな場所まで下がってゆっくりアクセルを踏んで発進すること。


冬の環境はちょっとしたことがクルマの安全な走行に影響しかねません。
充分に注意して下さい。

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