ドライバーの皆さん。
最近、路上で認められていないところに
クルマを駐車したことはありませんか?





日本では道路交通法で、標識・標示があるところに加え、
坂の頂上付近、トンネル、交差点や横断歩道から5m以内が駐停車禁止です。
さらに、道路に接する自動車用の出入口から3m、消防用施設から5mが駐車禁止。

こうした場所でなくとも、
クルマの右側に幅3.5mの余地がない状態での駐車は違法となります。

路上駐車がおおらかに認められているヨーロッパの国とは違って、
日本では、ほぼ認められていないと言えるでしょう。





合法的に路上駐車が認められているところもあります。
最たるものはパーキングメーターの設置箇所。

また、駐車禁止の標識が時間帯や曜日を指定しているところで、
指定時間外、指定曜日外の時、
交差点や横断歩道から5m以内ではなく、
クルマの右側に3.5mの余地があるなど、
道路交通法に抵触しなければ、問題ありません。
でも、多くのところは駐車禁止です。





先月、コインパーキングなどを運営するパーク24が、  
会員に実施した路上駐車に関する調査結果を公表しました。
有効回答者数は6,816人。

それによると『2年以内に路上駐車をしたことがある』と答えた人が29%。
調査を開始した2013年からは16ポイント減りましたが、3割の人が「ある」。

その一方で「クルマを運転していて、路上駐車が原因で
危ないと思ったことはありますか」という質問に対しては、
90%の人が「はい」と答えています。

令和2年12月に警察庁交通局が発表した『駐車対策の現状』によると
令和元年の東京都特別区における瞬間駐車台数は、およそ4万9千台。
そのうち違反駐車が、およそ4万台。82%に及びます。

『2年以内に路上駐車をしたことがある』3割の中には、
日本の路上駐車に対する規制の厳しさを考えれば
認められていないところに駐車した人も多いでしょう。

路上駐車をした理由について多かったのは

「駐車場に停めるほどの時間ではなかった」53%

「近くに駐車場がなかった」30%

「交通量が少なかった」5%

「駐右車料金を払いたくなかった」2%







しかし、『駐車対策の現状』によると
令和元年中の駐車車両への衝突による交通事故は、
人身事故の発生件数が731件、
そのうち死亡事故が37件でお亡くなりになった方が40人。

また、駐車車両などに起因した交通事故については、
人身事故の発生件数が1,168件、
死亡事故の発生件数が10件で亡くなった方は10人。

交通事故の原因をつくらないため、違法な路上駐車は、やめましょう。
その他、交通渋滞の原因にもなり、交通渋滞はこれも事故に繋がります。
また、緊急車両の通行を妨害することがあり、人命に関わります。

常日頃から路上駐車しなくて済むようなゆとりをもって運転に臨み
「短い時間だからいいだろう」という考えを持たないようにしましょう。
ちょっとした自分への甘さが、重大な事故を引き起こさないとも限りません。




最近、街で電動のキックボードを見かけて「危ない」と思ったことはありませんか?
いま「電動キックボードを乗ろうかな?」と思っている方もいるかもしれません。
実は電動キックボードは、色々な課題や問題が指摘されています。

今週は自動車ジャーナリスト 高根英幸さんにお話を伺い
「電動キックボードと交通安全」をお送りしました。





まず、電動キックボードについて簡単に説明しておきましょう。
スケートボードのようなボードに前輪・後輪が1つずつ付いていて
ボードの上に片足を乗せ、ハンドルを操作しながら、
もう片足で地面を蹴って走らせる遊具、一般名「キックスケーター」。
「キックボード」は特定の商品名ですが、日本ではこの呼び方で広まり
電動化されたプロダクトも「電動キックボード」という言葉が使われています。

カタログ上の最高速度は時速25キロほどで走行し
二輪車や四輪車と並べると大した速さではありませんが歩行者と比べればかなりのスピード。
衝突すると、かなりの危険が伴います。
そこで、私有地外で乗るには本来であれば相応の準備が必要です。





警視庁のWebサイトにはこうあります。
(以下は要約してあります)

道路交通法並びに道路運送車両法上の原動機付自転車に該当します。
よって、原動機付自転車を運転することができる免許が必要である他、
以下のことが義務付けられています。

・ヘルメット着用

・ブレーキ、ヘッドライト、バックミラーの構造・装置が
 道路運送車両の保安基準に適合していること

・自賠責保険の契約

・区市町村税条例で定めるナンバープレートを取り付けていること


つまり二輪車に乗る基準と同じ。
ネット通販でも容易に購入できることが普及している理由の1つですが
使用説明書等に「遊具として日本の現在の法律上は公道では使用できない」という
趣旨の記載があるはずです。この”公道”を道路だと思い込んでいる方もいますが、
空き地や公園など人が出入りするところは全て”公道”。公園でも基本的には禁止です。
例外は私有地の庭や工場内などで、”公道”では上記の要件を満たさなければ違法となります。





しかし、今年4月に東京・大阪など一部のエリアで
「特例電動キックボードの実証実験」がスタートしたことで混乱と誤解が生じています。
それは、国に認可された事業者による電動キックボードのシェアリングサービス。
「ヘルメット着用が任意」などの特例が認められているのです。

これには原動機付自転車、いわゆる原付ではなく小型特殊として登録しているものがあり
速度15キロを制限として、ヘルメットは任意、となっています。
そこで、ナンバープレートもなく、ヘルメットも被らず、
公道を電動キックボードで走る人が面に入るようになり
個人所有のものでも同じような使い方をする人が増えてしまっています。
時には歩道を走っている姿さえ見かけることがあります。

普及とともに問題視されているのは、
電動キックボードによる事故が起こり始めたから。
大阪では、無免許で2人乗りしていた電動キックボードが、
歩道を走り、歩行者に背後から衝突。
首の骨を折る重傷を負わせた事故も起きています。
反対に自動車に対して、キックボードは、
常に危険に晒されていることを知っておきましょう。





重心が低いので肩に重たいトートバックをかけて乗ると危険です。
できればボディバックやリュックなど揺れない身につけるバックを使うのが安全。
また、便利だからと、あまり大きな道路を走るのは非常に危険です。
車輪が小さいので速度が上がってもジャイロ効果という安定性を高めるような効果が
自転車と比べてほとんどありません。スピードが出ても安定しない乗り物です。
それとタイヤが小さいことは路面の凹凸や穴に弱い上に
急制動をかけた時にバランスを崩して転倒する恐れが非常に高い。
転倒してしまうと体がむき出しなので怪我をする可能性が高いことは想像つくはず。
かなり危険な乗り物だと言えるでしょう。

昨日、無免許で電動キックボードを運転し、
赤信号を無視して人身事故を起こした20代女性を、
警視庁が自動車運転処罰法違反(無免許危険運転致傷)などの疑いで、
書類送検する方針を固めたという報道がありました。

電動キックボードに乗るなら必ずルールに則って下さい。
そして、危険性を認識して安全に乗ること。

また、自動車のドライバーは運転中、
電動キックボードが近くを走っていたらスピードを落として注意を払いましょう。


もう少し続く子どもの夏休み「緊急事態宣言」や
「まん延防止等充填措置」が発令されていない地域では
親戚・友人・知人の家に行くため、行楽のため、
クルマで山間部を訪れる方もいるでしょう。

山道には勾配やカーブの連続が少なからずあるもの。
見通しが悪いところも多く、注意が必要です。
そこで、今回は JAF 東京支部 事業課 交通環境係 
栗原悠羽さんにお話を伺い「山道走行は慎重に」をお届けしました。





山道では特に上り坂の時にカーブ同様見通しが悪いことも考えられます。
坂を登りきった先に何か危険がないか予測しながら運転するとともに
前の車に接近しすぎないで車間距離をしっかりととって走行することが大切。

下り坂では平坦な道よりもスピードがつきやすく危険です。
下り坂に差し掛かった時にはフットブレーキだけでなく
エンジンブレーキを活用してゆっくりと坂を下りましょう。
AT車はチェンジレバーをセカンドやロウや1速に入れる
マニュアル車は少し低めのギアを使います。


 


クルマで山道を走行している時、
カーブを曲がったら目の前に対向車がいた!
坂道でスピードが出過ぎてハンドルを取られそうになった! 
前のクルマにぶつかりそうになった!など
ヒヤッとした経験がある人は多いでしょう?

山道を走る時はスピードをしっかりと抑えるようにする。
見えないところから危険が近づいているかもしれないという心構えを持つ。
といった姿勢が大切です。





そして、事故を起こさないようにするため大切なことの1つは、
自分のクルマの存在を、他のクルマが気づくようにアピールすること。

日中であっても天気が悪かったり
日差しが届きづらい場所であればヘッドライトを点灯して
相手に存在を知らせることが大切です。

夜間はハイビームを積極的に使用します。
ただ、前の車や対向車がいる場合はハイビームからロービームに切り替えます。
また、霧が立ち込めている時にハイビームを使うと光が乱反射して
先が見えなくなってしまう恐れがあるのでロービームにしましょう。





日中のヘッドライトの点灯は交通事故防止のため世界で広がっています。
特に電力消費が少ないLEDライトのクルマは、
山道では昼間でも点灯を習慣にするといいかもしれません。
   
運転に不慣れだと、夜間の「ロービーム」「ハイビーム」の切り替えと
山道でハンドル操作と同時にやるのは大変ですが、
スピードを出さずに落ち着いてしっかりとやりましょう。

ヘッドライトと合わせて有効に使ってほしいのがクラクション。
市街地では止むを得ない場合を除き警笛を鳴らしませんが
山間部では警笛鳴らせの標識がある場合があります。
見通しのきかない坂道の頂上や道路の曲がり角で音で危険を知らせましょう。





そして、運転前の天気予報のチェック。
今の日本では市街地でもやったほうがいいですが、
慣れない山間部を運転する時は特に欠かさないようにして下さい。

それから、全国的に獣害が増えている昨今、
山間部では猪、鹿、猿、タヌキ、キツネ、イタチ、カモシカなどが
突然出てくることもあります。その可能性を念頭に置いて
山道での運転は、くれぐれも慎重に!

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