自動運転技術の実用化が進む自動車。
その周知を図るCMもよく見るようになりました。
自動運転は今、どんな段階にきているのか? 安全性はどうなのか? 
今週はモータージャーナリスト 菰田潔さんにお話を聞きました。






自動運転のレベルは6段階が定義されています。


<レベル0> 運転自動化なし


<レベル1> 運転支援

前後・左右、いずれかのクルマの制御に係る運転操作をシステムが行うもの。
自動ブレーキと呼ばれている衝突被害軽減ブレーキや
前の車との車間距離を取って走るアダプティブ・クルーズ・コントロール
レーンをはみ出さないように走るレーン・キープ・アシストなど。


<レベル2> 部分運転自動化

前後・左右、両方のクルマの制御に係る運転操作をシステムが行うもの。
基本的に高速道路で60キロ以上の時にできる部分的な自動運転です。

ドライバーが監視をしている必要がありますが、
停止シーンではアクセル、ブレーキを車がやってくれます。
さらにレーン・キープ・アシストでレーンからはみ出さずハンズオフで走れます。
ただ、何かあった時はすぐにドライバーが操作しなければいけません。
ドライバーが脇見をしていると注意してくださいと車から怒られる。

反対にBMW製品の場合は渋滞の時に運転操作を担ってくれます。
高速道路、60キロ以下、前に車がいる、という3つの条件が揃うと
渋滞モードで走ることができると車側から教えてくれて
ボタンを押すと手足フリーで走ることができます。


<レベル3> 条件付運転自動化 

システムが全ての運転タスクを行いますが
システムの要請でドライバーの対応が必要です。







<レベル4> 特定条件下、基本的には高速道路での完全自動運転 


<レベル5> 完全自動運転

       
レベル4とレベル5ではシステムが安全の監視・対応を行います。
人間は関与しません。難しいのがレベル3。

まだ、レベル3のクルマは世界に走っていませんが、
今年、日本で実用化される予定です。それがHondaのレジェンド。
これはハンズオフどころかアイズオフが許されます。

ところが、車から運転操作を依頼された場合はドライバーが操作します。
なので、景色を眺めたりというところまではできますが、
運転席から離れることはできず、寝ることもできません。

レベル3より上になると人間が一時的に介入せず車が勝手に走るモード。
実は自動車メーカーごとに見解がわかれているようです。
例えばボルボなどレベル4になるまで出さないところもあります。

レベル3ではドライバーが本当に寝てしまった場合、
気がついた時にすぐ運転に戻れるかという曖昧な部分があるためです。

自動車の完全自動化はまだかなり先のこと。
一方で自動化は段階的に進んでいくでしょう。
その過程にあるこれから、人間の運転と自動運転が混在した状況には、
注意が必要だと菰田さんは指摘します。





菰田さんはスカイラインのプロパイロットで試験走行した時のこと。
ランプ・ウェイに出てインターチェンジに出るところ、
減速区間が終わってカーブが始まりました。
自動運転の車は標識を読んで60キロ、40キロと
標識通りにスピードを落としていきます。

ところが一般の車は100km/hで走っていて
ランプ・ウェイに入っていく時に80キロくらい出ています。
そこで後ろから車が迫ってきたので思わずアクセルを踏んで逃げたそうです。
自動運転と普通の車が一緒に走ることの危険性を指摘します。

自動化が進んでいく中にあっては、
自分のクルマの走行に、他のクルマとのコミュニケーションに、 
充分気をつけて走行することが必要になります。





今日から2021年。
新しい1年も安全運転を心がけましょう。
新年の初回は「令和3年 交通安全 年間スローガン」。

全3部門からなる「交通安全 年間スローガン」は、
全日本交通安全協会と毎日新聞社の主催。
令和3年の各賞は12月に発表されました。

今朝は最優秀賞にあたる各部門の「内閣総理大臣賞」作品を
受賞者のコメントとともに紹介しました。





◆ 一般部門A 運転者(同乗者を含む)へ呼びかけるもの

 ゆとりある 心と車間の ディスタンス

 開智日本橋学園高等学校2年
 焼山 美羽(やきやま・みう)さん



焼山さんは将来“文章”に携わる仕事につくことが夢。
実力を磨こうと作文コンクールや標語コンクールを探している時
担任の先生から「交通安全 年間スローガン」のことを聞き、応募しました。

新型コロナウイルスが感染拡大して
当たり前だと思っていた生活が大きく変わった昨年、
イライラする人も増えたのかな
車の運転にも影響しているのではないかなと思った焼山さん。
コロナ対策同様、車間もしっかりとってほしいとこのスローガンを作りました。
運転が荒い人やスピードを出し過ぎてしまう人が多いと感じるので気をつけて欲しいと思います。
そう話してくれました。







◆ 一般部門B 歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの

 ママなんで? 赤は止まると 習ったよ

 関西学院大学・4年 天野 瑛斗(あまの・えいと)さん



天野さんは春から社会人になる大学4年生。
広告業界を目指して就職活動をしている時に
コピーライターの技術は公募に挑戦して磨くといいという
アドバイスを受けて応募したところ内閣総理大臣賞を見事に手にしました。

交通安全の大事さを促すだけでなく
人の行動を変えるキャッチコピーを目指したという天野さん。
日常生活で自転車に乗る中で、お母さん世代が乗る自転車へのメッセージを思いつきました。
お母さんが誰に注意されると最も心に響くか?と考えると、その答えは子供。
そこで、子供視点のスローガンになったという半ばプロの発想から生まれました。





◆ こども部門 中学生以下(自分たち自身)へ交通安全を呼びかけるもの

 自転車に 乗るならきみも 運転手 
 埼玉県川口市立青木中央小学校4年 前奈菜子(まえ・ななこ)さん



奈菜子さんの家庭では去年、6歳の妹も自転車に乗れるようになりました。
そのこともあって同じ子供たちに交通安全に気をつけてほしいと思ったようです。
子供は特に自転車でスピードを出すことが多く、
車の運転手さんのほうがより交通安全に気をつけている気がしました。
そこで、自転車に乗る時は車を運転する大人のような気持ちで!と呼びかけたのです。
どんなに急いでいてもスピードを出し過ぎない。
あと右と左を良く確認してほしいと話してくれました。


交通安全スローガンは自分で考えることにも意味があって
イマジネーションを膨らませて言葉にすると
交通事故の怖さ、交通安全の大切さにあらためて気づくでしょう。
みなさん自身の2021年の交通安全スローガンも作ってみませんか?






2020年も残すところ1週間。
この年末年始は、外出を控える方が多いと思いますが
初詣に出かけたり、実家や友人宅を訪問することも、あるかもしれません。

何かとお酒を飲む機会がある時期。
そんな時でも、浮かれた気分になりすぎず、交通安全に注意して下さい。

今年最後は JAF東京支部 事業課 交通環境係  高木 孝さんにお話を伺い
『年末年始の交通安全』をテーマにおとどけしました。





忘年会・新年会シーズン。
まずは、やはり飲酒運転から。

お酒を飲むと判断力は鈍くなります。
運転してはいけないと分かってはいても
「そんなに飲んでいないから大丈夫」という
甘い判断が顔を出さないとも限りません。

ですから、そういう影響が出る前、お酒を飲む前に
今日は運転しないということを皆で意識を共有して下さい。
お酒を飲んだ仲間が車で帰ると言い出したら周りの人が止めないといけません。

アルコールの影響で正常な運転ができない状態で運転した場合は免許取り消しです。
その後、免許が取れない期間が3年、そして5年以下の懲役、または100万円以下の罰金。

酒気帯び運転でも呼気中アルコール濃度が0.25mg以上であれば
免許取消、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となっています。

免許停止になったら、生活や仕事に支障をきたす人も多いはず。
それだけなら、まだいいかもしれません。
交通事故を起こして、誰かを怪我させたり、命を奪ってしまったら
これまで築いてきたものは失われます。

「自分には起こらない」ということは決してありません。
起こってからでは遅いのです。
飲酒運転による死亡事故は、飲酒なしと比較すると、およそ8倍です。





いま、交通事故者の当事者の割合がとても高いのが高齢者。
歩行中に亡くなる高齢者も多数います。
年末年始、街で遭遇する高齢者がお酒を飲んでいてよろめくかもしれません。
ハンドルを握っている時には、そうしたことを頭に置いておきましょう。
歩道の歩行者の動きにも注意を払っておく必要があります。





そして、交通量が減る街もあるかもしれません。
道路が空いているからとスピードを出すのは危険です。

交通量が少ない道路では、ついアクセルを踏みこみがち。
でも、非常に危険性が高い。それは他の交通の参加者も同じだからです。
例えば自転車が速度を落とさないで交差点に進入してくるかもしれません。
他のクルマもスピードを出しているかもしれません。
スピードが出ているほど、事故は大きくなる可能性があります。
空いている時こそ気をつけないといけないのです。





そして、ふだんは運転に不慣れな人がハンドルを握ることがあるかもしれません。
最後にそういう方たちへの注意点。

まず、運転をする車の全体像を運転前に把握しましょう。
車高、幅、クルマのサイズを運転感覚のために認識する。

その上でワイパー、ヘッドライト、機能操作を一通り抑えましょう。
運転中に「わからない!?」となると慌ててしまうことがないように。

そして、交通ルールや標識もしっかり把握しておく。
標識がわからない、例えば侵入禁止の道路に入ったりすれば、
来ないはずのクルマが来るわけですから事故の元になります。

道を間違えた時てもイラついたり、パニックになったりしないように。
安全が第一。目的地にはいつか受けるのです。
安全な場所へ車を停めて道を確認してから再び発進する。

高速道路で降りるべきインターを通過してしまった!
後ろから車来てないから今のうちに…
とバックして戻るなんてことは決してないようにして下さい。





«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 57 | 58 | 59 |...| 156 | 157 | 158 || Next»