子供たちが夏休みに入り、お盆の季節が近づいてきました。
今週は先週の続き「夏のロングドライブ」の後編。
出発後の注意点をモータージャーナリスト 菰田潔さんに聞きました。


1)あおり運転に注意

最近、たびたびクローズアップされる「あおり運転」。
自分にその気がなくても、前の車に煽っていると思われる運転があります。
それは前を走る車との車間距離。

世界的には、いま車間距離は2秒とるというのが標準。
1秒だと前の車は後ろの車が迫っていると思います。
それで嫌でアピールのため急ブレーキを踏むと
後ろの車は急ブレーキを踏んだことに怒るという悪循環に陥ります。
前の車と2秒間離れていれば視界も開けて、その点でも安全。
疲れも少なく、燃費も良い運転です。

ちなみに「2秒」をメートル換算すると、
高速道路だと時速100キロで1秒28m走るので約56m。
一般道だと時速50キロで1秒14m走るので約28m。





2)適切なポジションで疲労を避ける

菰田さんによるとドライビングポジションが運転の疲れの80%。
正しいドライビングポジションは意外とハンドルに近い状態です。
シートに深く腰掛け、アイポイントは、やや高めにする。
フットレストに左足で踏ん張っても膝がきちんと曲がるようにする。
ハンドルとシートバックの距離はハンドルの一番上を握っても
肘が少し曲がるくらいの位置でヘッドレストもきちんと合わせる。
直進している時でもハンドルを手のひら少し前に押すような感じで持つと
背中がシートバックにきちんとついて楽に走行できます。





3)仮眠のとり方

先週、出発前の準備で伝えた「凍らせた水」と「硬いおせんべい」。
飲んで、食べてみたけれど、やっぱり眠気が・・・zzz
そんな時は仮眠を取ります!

正しい仮眠の取り方はサービスエリア、パーキングエリアに入り、
まずはカフェインを飲むことが大事なポイントです。
そしてすぐに寝てください。仮眠の時間は15分から20分。
それ以上長く寝ると本格的に眠くなってしまうからです。

カフェインが効くのは飲んでから30分後。
起きたら冷たい水で顔を洗い、
運動をして運転を始めた頃にカフェインが効いてきます。





4)もしも事故を起こしてしまったら 

事故が起こってしまった場合には負傷者の救助が第一。
そして警察に連絡をして救急車を呼びます。

それから交通の障害にならないように車を避けるのも大事なポイントです。
高速道路で事故を起こした場合は走行車線に降りないで下さい。
車を必ず路肩に停めてから降りましょう。
車を路肩に停めた場合、特に夜は遠くからだと前の車が走っているように見えます。
車から100メートルくらい後ろに三角表示板を立てましょう。
間違っても後から来る車に轢かれないようくれぐれも気をつけましょう。


7月31日。明日からは8月。
全国一斉休校の影響で、登校が続いていた学校も、そろそろ夏休み。
お盆休みも近づいて、クルマで遠出をすることも、あるでしょう。
今週と来週は夏のロングドライブの注意点をお伝えします。
お話を伺ったのはモータージャーナリスト 菰田潔さんです。
前編の今週は、まずは出発前の準備。


1)洗車とタイヤチェック

菰田さんが、まず薦めたのが洗車。
綺麗な車は事故が少ないというデータがあるからです。
汚い車だと多少擦っても何とも思わないという傾向にあります。
そこで、事故から遠ざかるという意味において、
まず綺麗に車をしましょうというわけです。
窓ガラスの外側も内側も綺麗にしておくと、
視界も良く見えるようになって安全性が高まります。

また、タイヤは使うほどにですけど空気圧が低くなります。
洗車のついでに空気圧のチェックもしておきましょう。
そして、タイヤの溝がきちんとあるかどうか?
タイヤに傷がないか? チェックして下さい。




2)天気と地図の確認

最近の日本では突然の豪雨もよく降ります。
そういう悪環境下での運転は事故の可能性が高まります。
天気を調べて、悪天候は避けるようにしましょう。

また、目的地までの行程をナビ頼りにするのはやめましょうl
事前にナビを設定して、目的地や中継地の街の名前は把握します。
そして、進行方向が常に画面の上になる「ヘディングアップ」表示だと
違う目的地に進んでいたとしても間違っていることに気づきにくい。
目的地を設定した上で地図や地図アプリで確認をしたほうがいいです。





3)凍った水と固いせんべい

長距離ドライブは、途中で眠くなってしまうこともあります。
そんな時のためにペットボトルの水を半分にして凍らせたものと
堅いせんべいと持って行きましょうと菰田さん。

凍らせたペットボトルは、水を足してドリンクホルダーの中に入れておく。
眠くなった時に手でそれを握るだけでも冷たいので覚醒作用があります。
もちろん飲んでも冷たいので眠気が冷めます。
もっと眠くなったら堅いせんべいを齧るとガリッという刺激で脳が覚醒します。








4)走行計画を立てる

混んでいなければ高速道路の平均スピードは時速80km。
それwをベースにして2時間ごとに休憩をとる場所を決めておきましょう。
2時間走るとドライバーの集中力は途切れてきます。
同じ姿勢で運転しているとエコノミークラス症候群にもなります。
15分ほど休憩し、車から出て体も動かしましょう。





来週は「夏のロングドライブ 後編」。
出発してからの注意点についてお伝えします。


例年なら、学校は夏休みに入っている時期。
でも、今年はコロナ対策で休校があったため、夏休みが短縮。
まだ1学期が終わっていない学校も多いでしょう。

それでも、もうすぐやってくる夏休み。
昨日からは連休も始まっています。
子供たちに交通安全を心がけてほしい!ということで
今週は『夏休みに交通事故に遭わないために』をお届けしました。





JAF東京支部 事業課 交通環境係 高木 孝さんによると
夏休みに子どもの事故が増えているというデータはないそうです。
でも、平常時と比べて外に出る機会が増えるので
道路を横断する機会も多くなります。
友達と過ごしたり、家族と遊びに出かけることもあるので
いつも以上に交通事故には気をつける必要があります。





例えば、夏休みに起こりがちな事故としては、
家族で親戚の家に出かけた子どもが道路の反対側に親戚の家があるので
ようやく着いたと思い、渋滞車両の間を通って駆け足で横断する。
そこで、車と衝突したというケースがあります。

安全確認をしなくてはいけないということは、
子ども知識として知っていると思いますが、
こうした場面では、はしゃいで衝動的に行動してしまうというのが子ども。
何か意識が集中すると他のことが目に入らなくなる傾向もあります。
そのあたり、お父さんやお母さんから、伝えておくようにしましょう。





夏休みは道路を横断する機会が増えるわけですが、
逆に言うと保護者の方が手本を見せるいい機会。
高木さんは、実際に外を歩いての、
家庭内の交通安全教育を薦めています。
お父さんお母さんが手本を見せて子どもに教えてあげると、
子どもが自分ごととして考えるきっかけになります。

横断歩道の信号が青になっていても
クルマが信号を無視して暴走してくるかもしれない
青信号でもきちんと安全を確認する。

道路を渡る時は「右を見て、左を見て、もう一度右を見て」
危険がないことを確かめること。

歩道で信号が赤から青に変わるのを待っている時でも
車道近く、歩道スレスレに立っているのは危険です。
大型車が左に曲がる時 内輪差に巻き込まれるかもしれない。
交差点で衝突したクルマが突っ込んでくるかもしれない。
車道から離れた位置に立って待つ。
そんなことを現場で説明しながら教えてください





「うちの子どもが事故に遭うわけはない」という考えは禁物です。
正しい行動をとっていても危険な運転をする
ドライバーがいることも伝える必要があります。

そして、ハンドルを握る善良なドライバーの皆さん。
夏休みのお出かけで慣れないところを走ることもあるでしょう。
子どもの「存在」に常に注意するべきです。

例えば路上に子どもがいない状況であっても、
飛び出してくる可能性も考えられます。
見通しの悪い交差点だったり、公園があったり、
ポイントを見極めて子どもが飛び出してくるかもしれない、
そう考えて運転していることが大切です。

予測しながら運転していれば、なるべく速度は落とすことになります。
いつでも止まれる状態なので危険が訪れても
落ち着いて対処できることに繋がります。
      
2020年の夏休み。
全国で子どもが事故に遭う交通事故を1つでも減らしましょう。

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