心理学の1つの分野に「交通心理学」という分野があります。
これは、さまざまな交通のシーンにおける人間の行動特性を解明し、
交通事故の防止を目指す研究領域。

その見地からすると、人は性質・性格によって、
交通事故を起こしやすいタイプ、起こしにくいタイプがあります。

今週は、みなさんが「自分はどちらの部類に入るのか?」
ある程度の確認が出来る「交通心理テスト」をいくつかやってみました。
ここでは、そのおさらいをしましょう。
YESか? NOか? 自問してください


<第1問>【些細なことで、意外とすぐに「イラっと」するほうだ】 


<第2問>【特に急いでいなくてもエスカレーターは右側を歩いて進む】


<第3問>【大切な持ち物でも、どこかに忘れたり、失くしたりする性格だ



上の設問からわかることは自分が「短気」かどうか。
また「そそっかしかどうか」かどうか。
YESが多い人ほど事故を起こしやすいタイプに分類されます。
せっかちな人、そそっかしい人は、
基本的に余裕のない運転をすることが多いからです。

「一時停止しない」「スピードを出し過ぎる」「車間距離をつめて走る」。
先を急ぐ運転を日常的にしている場合も多く、
前を走る車との接触などの事故も起きやすくなります。

また、質問?の【些細なことで、意外とすぐに「イラっと」するほうだ】。
YESの人は社会問題になっている「煽り運転」の危険を秘めています。
ちょっとしたことでイラつき、運転が荒くなる、無謀な行動に出る、
といったことがないようにして下さい。
「周囲に当てはまるタイプの人がいるな」と心当たりがある方は、
機会があるごとに、注意を促しましょう。


<第4問>【イヤな事や悩み事が頭から離れず眠れないことがある】


<第5問>【人の反応が気になって 自分の意見をハッキリ言えない】



上の2つは「神経的」な部分についての設問でした。
アメリカでは離婚前後は交通事故が増えるという研究報告があるそうです。
大きな考え事があると、そちらに思考がいき、運転がおろそかになるのです。

より、その傾向が強いとみられる神経質な人は要注意です。
自分の性質を認識してハンドルを握る時は運転に集中するようにしましょう。
悩み事や心配事がある時は、運転はしないという姿勢も大切です。

また第5問の「他人が気になって自分の意見を言えない人」。
気持ちの弱さは、とっさの時に躊躇して、
必要なアクションをとれないことに繋がってしまいます。
ゆったりと落ち着いた気分で運転することを心がけて下さい。


<第6問>【正直に言って 異性にモテようと思って振舞っている】


これは「虚栄心」や「自己顕示欲」をチェックする質問。
YESの方は気をつけましょう。自分の運転能力を過信する。
自分の能力以上のことをやろうとする可能性があります。

ドライバーのみなさんは、いちどご自身の性質・性格を見つめて、
運転に関して注意するべき点を自覚しておく。
そうしたことが、事故回避に繋がるはずです。


「交通安全少年団」という存在をご存知ですか? 
野外訓練や交通安全活動を通して交通ルールやマナーを身につけ、
学んだことを社会に伝え、将来は優しさと思いやりをもつ大人を目指す子供たち。
今週は、東京を例に、その活動を紹介しました。

東京都内では、98の交通安全協会が、
管轄地域で交通少年団を結成し、活動を行なっています。
団員数は3千人ほど。その集合体が「東京交通少年団」です。

高度経済成長期まっただ中の昭和40年代前半。
交通事故死者数は東京都内だけで毎年700人 から 800人にもいました。
子どもの死者数も100人以上。

そんな状況の中、昭和45年、
全国で初めて東京の小松川で「交通少年団」が結成されました。

子どもの交通事故をなくすため、子どもたち自身を主体とした組織を結成。
活動を通じて、子どもに交通ルールや交通マナーを身につけてもらい、
交通安全意識が高まることを、目指したのです。

翌年、小松川地域では、子どもの交通事故が激減。
このことが注目され、全国で交通少年団が結成されていきます。

そして、東京では4年後の昭和49年、
地域交通少年団の連合体「東京交通少年団」が誕生しました。


それから45年。
今では夏休み中に「東京交通少年団」はリーダー研修会を開催しています。
今年も8月19 日と20日に1泊2日で行われました。
その目的は参加している子どもたちが、
各地域にある交通少年団のリーダー的な団員になること。

川奈副団長にお話を伺ったところ
こうした経験を踏まえて団員同士が親睦を深めるとともに
規律を守ることを身につけ、大人になった時に、
交通ルールに対する責任を持って成長していれば未来の事故防止に繋がる。
同時に友達との交流を深めることはいじめがない社会づくりに繋がる。
そう話して下さいました。

真面目な交通ルールの講習ばかりでは
さすがに子どもたちも飽きてしまいます。
そこで、楽しみながら、真剣に交通安全の知識を習得できるよう、
考えて、カリキュラムも作られているのだとか。
    
リーダー候補の研修会なので、もともとは知らない子どもたちの集まり。
少しずつ打ち解けていって、最後には泣きながらお別れする子もいるとか(笑)

参加している子どもたちに話を聞いたところ
いろんな感想を聞かせてくれました。

・自転車でヘルメットを被らなかったとしたら、
 交通事故に遭った時に命を落とす危険性があることなどを学んだ

・これから全国にこのような活動があることを広めていきたい

・安全第一の事故を起こさないドライバーになりたい

・周りにある危険性
 例えばカーブで左右をきちんと確認せずに命を落とした子どももいるので、
 ちゃんと学習して気をつけていきたい。
 そして、リーダーとして習ったことを身の回りの人に伝えたい


こうした意識を持って大人になる人が増えるほど交通事故は減っていくことでしょう。
でも、 最近は「交通少年団」に参加する子どもは少なくなっています。

「交通安全教育は小さい頃から教える必要があります。
守らせるのも大人の責任。それが自己抑止に一番つながっていくと思います。
交通戦争と言われている時代に子供の事故をいかに減らしていくかということで
発足したのが交通少年団。その趣旨は今も引き継いでやっている」とは新田団長の弁。

名称はかつてからのもので「東京交通少年団」となっていますが、
4年前からキャッチフレーズ「BAGS(バッグス)」を打ち出しています。
これは「Boys And Girls for Safety」の頭文字からつくった造語。
「あらゆる安全のために活動・行動する少年少女たち」という意味です。


クルマを運転している時、大切なことの1つが、危険予測。
危険を予測できれば、事故回避の可能性が高まります。

今週はJAFが公式Webサイトで無料提供する
「実写版 危険予測トレーニング」を紹介しました。

いま、アップされているのは55本。
クルマの走行中を中心に、自転車に乗っている時、歩行中、
55のケースで、映像を見て事故の危険を学習できます。

JAF東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
運転とは「認知」「判断」「操作」。
このどこかの過程でエラーがあると事故の危険が高まります。

エラーを防ぐためには認知の前に予測する習慣をつけておく。
そうすることで判断の精度が上がり危険回避に繋がります。

危険予測がいかに大事か?
時速40キロで走行する車をあなたが運転しているとしましょう。
    
危険予測をしていない場合、驚いて危険に気づく「反応時間」+
ブレーキを踏む・ハンドルを持ちかえるなどの「動作時間」は1.5秒。

一方で危険予測をしているドライバーは、危険に気づく「反応時間」 +
ブレーキに足を移す・ハンドルを持ちかえるなどの「動作時間」は合計0.75秒
危険を予測できていないと「2倍」の時間がかかるということが
これまでのJAFの調査結果で出ています。

そして、高木さんは日々の積み重ねで
危険に関する感度は確実に上がるといいます。
そのために、現状55の危険パッターンを動画で紹介。
その中にクイズ形式でシチュエーションに潜んでいる危険を
伝えているのがJAFの危険予測トレーニングです。

例えば1つの動画を説明すると・・・
住宅街を走る片側一車線、対面通行の道路。
前方に見通しの悪い右カーブがあります。
ふと見ると、対向車線のちょうどカーブのところに
ハザードを出してクルマが停車している。

さあ、どこに注意したらいいでしょう?

答えは対向車線からカーブに入ってきたクルマが
停車しているクルマに気づいて中央線がわに進路をとり
ともするとこちらの車線まではみ出してくる可能性があること。
その可能性を考えず中央線ギリギリに走って行っては
衝突してしまう恐れもあります。

こうした、危険の可能性を常に考える習慣をつける。
それは事故を回避するための第一歩。
他にも、交差点編、住宅街編、雨天(うてん)編など、シチュエーションは多彩。
危険予測能力を高めるためJAFの「実写版 危険予測トレーニング」を
体験してみては、いかがでしょう?


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