夏休みに車で遠出をする時期。
もうすぐお盆で帰省という人もいるでしょう。
一般道より遥かに速く走る高速道路は気をつけましょう。


  


JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
2017年のデータで高速道路で一番多い事故は「追突事故」で全体の63%。
特に多いのは「車線停止車」=道路で停まっている車への衝突で38.9%。
お盆が近づいて渋滞が発生しやすくなっている時期。
前の車の動きによく注意して運転してください。

車線上で停車している車への追突に次いで多いのが「走行車」への追突。
前を走っている車が何らかの理由で速度を落とす。
後続車がそれに気づかずに速度を落とすことなくぶつかるケース。
上り坂道やトンネルに差し掛かった時などにしばしば見られます。
後続車は早い段階で察知しないといけません。





さらに高速道路での事故の特徴は単独事故の多さ。
交通事故全体中の割合を見ると車両単独事故は2.7%。
それが高速道路に限ると12.9%。
特に高速道路での死亡事故の4割は車両単独事故です。

高速道路は一般道より速度が出ています。
ちょっとした認識・判断・操作のミスが大きな事故に繋がるもの。
そのことを念頭に置いてハンドルを握って下さい。





高速道路における事故で第一当事者に最も多い法令違反は
「前方不注視」で43.7%を占めています。
単調な直線道路を走っていると刺激が少ないことから
ついボーッと漫然運転してしまうことは誰しもあるでしょう。

そういう時は前を向いてはいても認知がしっかりできていません。
前の車が止まっているのに止まっているという判断に結びつかず
対応が遅れてしまい事故になってしまうということがあります。
「見る」というのは目を向けているだけではダメ。
しっかりと認知して判断に結び付けないといけません。





高速道路の運転は必要以上にスピードを出しすぎない。
前の車との車間距離をきちんととりましょう。
時速100キロなら100m、時速80キロなら80mが目安です。
夏休みの高速道路、安全に運転しましょう。


夏休み。
ふだんはあまり車の運転をしていない方は、
セルフサービス式のガソリンスタンドに戸惑うことがあるかもしれません。
戸惑うだけならいいですが、行動次第では大事故に繋がる可能性もあります。





ガソリンスタンドは減り続けています。
資源エネルギー庁のデータでは平成元年 60,421が平成26年33,510に。







平成に入って半数に減少。
その中にあってセルフサービスのガソリンスタンドは増えています。

アメリカなどでは早くに普及したセルフ式ですが
日本では長い間、認められなかったという歴史があります。
消防法が改正されて解禁になったのは20年前の1998年(平成10年)。
2014年(平成26年)には全国で9,481カ所になりました。





1998年、セルフ式ガソリンスタンドの解禁にあたり
当時の消防庁 危険物規制課 課長はこう話しています。

「消防庁がセルフ式を拒んできたのは、
日本のガソリンスタンドの事故発生率が欧米に比べて極めて低いから」
「日本では年間30〜40件。アメリカでは、その200倍以上だろう」 

給油するオイルは危険物。
つまりはセルフ式ガソリンスタンドも危険が伴います。


<セルフ式ガソリンスタンドの注意点?>

給油する油の種類を間違えない 

ガソリン車に軽油を入れたり、ディーゼル車にガソリンを入れると、
走行中にエンジンが止まる、壊れる、可能性があります。
オイルの種類によって、ノズル受けなどが色分けされているので
確認して、間違わないように気をつけましょう。



レギュラーガソリン  → 赤色

ハイオクガソリン   → 黄色

軽      油   → 緑色


<セルフ式ガソリンスタンドの注意点?>

給油中の吹きこぼれに気をつける! 

セルフスタンドの計量機には、満タンになると自然に給油が止まる、
オートストップ機構がついています。

ただ、少ない流量で給油した場合や
給油ノズルを奥まで差し込まなかった時は作動しないこともあり
ガソリンが吹きこぼれるので危険です。気をつけることは・・・

(1) 給油ノズルを止まるところまで確実に差し込む。

(2) 給油ノズルのレバーを止まるところまで確実に握る。

(3) 自動的に給油が止まったら、それ以上給油はしない。

(4) 給油後は、給油ノズルを確実に元の位置に戻す。


もしも吹きこぼれてしまった場合には、
給油ノズルをそのままにして従業員を呼びましょう。





<セルフ式ガソリンスタンドの注意点?>

給油中の火災に気をつける! 

ガソリンはマイナス40度でも気化し、
爆発性が高いため、給油中は火気厳禁です。
静電気や衝撃の火花でも引火します。
気をつけるべきことは・・・

(1) 給油前に静電気除去シートにふれる

(2) エンジンをかけたまま給油しない

(3) ライター、タバコなどの火をつけない





以上を心にとめてセルフガソリンスタンドを安全に利用して下さい。





子供たちは夏休みに入りました。
小学生・中学生の皆さんは夏休みの間も
十分、車には気をつけるようにしましょう。

お父さん、お母さんは、
「うちの子は大丈夫」という根拠のない考えは捨てましょう。
あらためて、お子さんに交通安全の心がけを伝えて下さい。

そして、ハンドルを握るドライバーの皆さんは
夏休み中は思いがけない時間に思いがけないところから
子どもが飛び出してくる可能性を頭にとめておきましょう。
どの立場にあっても、起きてしまった事故は取り返しがつきません。
  
     



子どもが被害者になった交通事故を月別に見ると、
全体としては7月・8月が突出して多いという訳ではありません。





しかし、やはり夏休みは気を引き締めるべきです。
根拠となるデータもあります。

【大阪府】 
平成25年〜27年の3年間、
交通事故で亡くなった中学生以下の子どもは20名。
そのうち5名、4割は7月・8月に遭遇してしまった事故によります。


【徳島県】 
去5年間の子どもの交通事故の月別平均発生件数は
7月が「18.2」件とダントツで1位。
しかも、夏休みに入ってすぐの7月後半に突出しているとして、
去年の今頃、注意を呼びかけています。

JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
平成29年は7才〜12才の子どもの飛び出し事故が152件発生。
これは全ての飛び出し事故のうち約4割に相当します。
また、6才以下の子どもの飛び出し事故も92件あり
飛び出し事故は全体の7割が12才以下の子供となっています。





子どもは好奇心旺盛。
落ち着きがなくて、ジッとしていられない。 
よく考えて行動せず、衝動的に動く。

それが感受性を育むアンテナになったりしますが、
事が交通事故に至るのは避けなければいけません。
できるだけ彼らの頭に交通安全の意識を刷り込んでおくべきです。
    
子どもの頃を振り返ってみれば、
誰もが「あの時、大きな事故に遭わなくてよかった」
ということが1つや2つあるのではないでしょうか。
体験談を子どもたちに話しましょう!
よりリアリティをもって車の危険を感じるはずです。





前述の高木さんは「止まる」「見る」「待つ」
3つのことを子どもに教えることを提言します。
まずは止まり、見るというのも漠然と見るのではなく
しっかり自分の目で車がきていないかどうか確認する。
その上で、子どもは正確な判断ができない場面もあるので、
すぐ行動せず、いちど待つことを伝えてほしいと話して下さいました。

また、ドライバーに気をつけてほしいことは、
子どもは遠くのものを認識する能力が大人と比べて低いこと。
遠くから走ってくる車があっても何だかわからず
大人は横断しないタイミングで道路を横断し始めたりするもの。
そういう特性があるというのを念頭に置き
子どもを見たらいつでも止まれる運転を心がけましょう。




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