第510回 阪神淡路大震災から30年 〜 運転中に大地震が起こったら

2025/01/17
阪神淡路大震災から今日で30年。
ハンドルを握っている時に大きな地震が起こったら、
どうすべきか心と頭に刻んでおきましょう。
今回はモータリング・ライター  藤田竜太さんにお話を伺いました。





ハンドルを握って一般道を走行中に揺れを感じたら
周囲の状況を確認しながらゆっくりとスピードを落とし、
ハザードランプを点滅させながら、道路の左側に車を寄せて停止させます。
このとき交差点や陸橋の下に停めるのは避けましょう。

高速道路でも基本的に対象法は同じです。ハンドルをしっかり握り、
前後の車に注意しながら、徐々にスピードを落として道路の左側に停車します。
左側に駐車できない時は右側に車を寄せて警察・消防等の車両が通行できるよう
中央部を開けるように心がけて下さい。

停車する際は大きく山を削った斜面の下、いわゆる「法面」や
トンネルの出入口付近は崩落の危険があるので、なるべく避けましょう。
停車したらエンジンを切り、揺れが収まるまでは車外に出ず、
スマホやカーラジオから情報を入手します。





揺れが収まったらパトカーなどが広報しながら巡回するまでそのまま待機し
その指示に従いましょう。パーキングエリアやサービスエリアにいるとき、
強い地震が発生した場合は、係員の避難誘導に従って行動してください。

本線上でも高速道路には約1キロごとに非常口が設けられており、
ここから徒歩で地上に脱出することが可能です。
ちなみに高速道路では、計測震度4.5以上で通行止めとなり、
道路点検が行われることになっています。

山道で地震に遭うのは土砂崩れや地崩れのリスクが高いです。
車を斜面の反対側に寄せて停車し、車外に避難する準備をしましょう。
海岸線や橋の上、河畔などでは、津波の危険があるので、
なるべく速やかに高い場所へ避難しなければなりません。

結局、状況次第では車を置いて徒歩で避難したりすることになりますが、
それについては冷静な判断が必要です。





どんな道で運転していたとしても、
気をつけなければいけないのが、急にハンドルを切ったり、
急ブレーキをかけたりしないこと。

落ち着いて、安全な場所にクルマを停めます。
停車できるところがなく、運転を続ける時は、
道路の損壊や信号機の作動停止、道路上の障害物などに注意しましょう。

停車できたらスマートフォンやカーラジオで情報収集。
そのまま様子を見るのか、クルマから離れて避難するか、
判断は難しいところですが、状況に応じて判断・行動して下さい。





クルマから離れての避難はエンジンを止め、車のキーはつけたまま、
ドアをロックしないで窓を閉めます。その上で、連絡先のメモを見えるところにおき、
車検証や貴重品を持って行きましょう。

そして、オートバイなどの二輪車は比較的地震に強い乗り物ですが、
震度5以上になってくると話は別で横揺れなどの影響で転倒する危険性も生じてきます。
バイクで走行中も、揺れを感じたら速やかに減速、とにかく安全な場所に寄せて停車します。
停車時はセンタースタンドを使うより、サイドスタンドを使った方が
転倒防止に繋がりますし、ローギアに入れたままエンジンを切っておくと、
パーキングブレーキ代わりになります。万が一転倒してしまった場合は、
まず自分の体に怪我がないかを確認し、次にバイクのダメージをチェック。
ガソリンなどが漏れていないかもしっかり確認しておきましょう。





また、大地震の時に自宅や仕事場などにいて、
そこから避難する時は、津波から逃れるためなど、
やむを得ない場合を除いてクルマは使わないほうが良いとされています。

基本的に大きな地震が発生した時は車は使えないと考えること。
地震による停電で信号機がストップする可能性があり、
大規模な渋滞が発生する可能性があります。
また、道路に避難する人々が増えてくることが考えられ
道路が陥没したり、橋が落ちたり、塀や瓦礫が道路に崩れ落ちてきたりして
走行不能になる道も出てきます。

地震後、都市部の主要道路などは交通規制が敷かれることにもなり
ガソリンスタンドに客が殺到、あるいは停電で給油機がストップし
燃料が貴重になるといったところが主な理由です。

クルマを運転している時に大きな地震が起こったら、
今日の情報を参考に、落ち着いて対処して下さい。