早朝や夜に屋外を歩く時に反射材を身につけていますか。
反射材は歩行者を交通事故から守る大切なツール。
警察や行政によって強く使用が呼びかけられています。
      
交通事故に遭う危険が高い子どもや高齢者は特に身に着けるべきもの。
今週は『反射材使用の効果』をお伝えしました。

去年暮れに福島県警察が1月から11月末まで
県内で起きたクルマと歩行者の死亡事故を調べたところ
夜間に起きたクルマと歩行者の交通事故は182件。
内訳は亡くなった人は17人で重軽傷を負った人が164人でした。

その方たちが反射材を身につけていたかどうかを見ると、
死亡者のうち反射材を着用していた人は17人のうち0人。
重軽傷者は164人のうち9人。

反射材の着用率が低いということもあるでしょうが、
反射材を身につけていれば、この数字はもっと減ったかもしれません。

以前、全日本交通安全協会が、
全国の1千人ほどを対象に行ったアンケート調査を見ると

<反射材を知っている人>  89.5%

<反射材が安全性向上に効果があると感じている人>  94.1%


ところが

<歩行者として反射材着用している人>  19.5%

ずいぶん少ない結果となっています。
身につけない理由として多い3つの理由は

面倒くさい
カッコ悪い
クルマや自転車がライトを点灯しているので必要だと思わない


「面倒臭い」「格好悪い」は、ひとまず置いておいて
「クルマや自転車がライトを点灯しているので必要だと思わない」を考えると
夜間に運転者から歩行者が見える距離は着ている服の色によって違ってきます。
一般的に言われているのがクルマがヘッドライトを下向きにしている時で

黒っぽい色 約26m    明るい色  約38m

これに対して

認定されている反射材の視認性 57m以上 

乾いた路面を時速60kmで走っている時
運転者が歩行者に気づき、ブレーキを踏んで
クルマが止まるまでの距離は約44m。
単純な数字上では歩行者が反射材をつけていない場合
クルマは歩行者を避けることができないことになります。
一方で57m以上先から歩行者に気づけば安全性は格段に高まります。

そして、「面倒臭い」「カッコ悪い」といった反射材を着用しない理由。
これについては、反射材もひと昔前とずいぶん様変わりしました。
ネットには「おしゃれな反射材を世界から集めた」というショップもあったりします。

夜の時間が長いフィンランドやエストニアなどでは
反射材の着用が法律で義務付けられています。
そのため、ふだんのファッションに取り入れることができる
リフレクターグッズがたくさんあります。

反射材の効果と最近の状況がわかっていただけたでしょうか。
子どもや高齢者に薦めることはもちろん、
みなさん自身も、反射材の着用、考えてみてください。


新年がスタートして10日。
皆さん、安全運転を心がけていますか。

全日本交通安全協会と毎日新聞社主催「交通安全年間スローガン」。
令和2年の標語が、去年11月に発表されています。
今週は、その主な作品を紹介しました。





「交通安全年間スローガン」には、3つの部門があります。

【一般部門 A】 運転者や、その車の同乗者へ呼びかけるもの

【一般部門 B】 歩行者・自転車利用者へ呼びかけるもの

【こども部門】中学生以下へ交通安全を呼びかけるもの


最高賞にあたる内閣総理大臣賞は各部門1つ、計3作品。
その3つを以下に紹介します。

【一般部門 A】

受賞者 坂崎 野々花さん。
川口市にある新雪運輸株式会社の監理部で働く方。

スマホより 横断歩道の 僕を見て

どんなことから標語をつくったのか。
坂崎野々花さん聞いてみました。

私はバス通勤をしているのですが、
ある時、スマホを見ながら運転するドライバーが多いと気づきました。
小学生が横断歩道を渡れずに困っているのを見たこともあり
歩行者に優しい運転をドライバーがもっとしてくれたらと思い
子供の目線に立った標語を作りました。

同じ会社に所属するプロドライバーに聞くと
決して焦らず、ゆとりを持って運転している。
ハンドルを握ると運転に集中して常に気を引き締めていると言っていました。

プロドライバーの安全運転に対する意識は
一般のドライバーの方より数十倍高いと思います。
最近、横断歩道で一時停止する車が前より増えたように感じます。
取り締まりが強化されたからかもしれませんが
歩行者に優しい運転を心がける人が
少しでも多くなればいいなと思っています。






【一般部門 B】

歩行者・自転車利用者へ交通安全を呼びかける一般部門B。
受賞者は愛媛県の高橋長英さん。
ニッポンレンタカー新居浜営業所で働く方。

夕暮れの 一番星は 反射材

      
高橋長英さんに、この標語をつくった理由を聞いてみました。

夕暮れ時に西の空を見上げた時
一際明るく光るのが「宵の明星」こと 1番星ですが
反射材の光も誰もがその存在に気づくことができる。
歩行者にとっては安全に欠かせない一番星として
しっかり身につけていただきたいと思います。

また、車や自転車のドライバーも、その光を生み出すために
早めのライトの点灯を心がけるようにしてもらいたいという願いを込めて
この作品を作りました。

ドライバー、歩行者、いずれの立場であっても
それぞれマナーをきちんと守り
交通安全の高い意識を持っていくことが大切だと思います。






【こども部門】

内閣総理大臣賞を受賞したのは
群馬県前橋市立 月田小学校4年生 中島木陽さん。


しっかりと 止まってかくにん 横だん歩道


木陽さんに、どんな思いで標語を作ったのか伺いました。


毎朝歩いて登校する時
低学年の子がよそ見をして横断歩道を渡っているので
それがなくなるといいなと思って考えました。

よそ見をしていたら低学年に注意しています。
大人もよそ見などをしないで安全に運転して欲しいです。
よろしくお願いします。






令和2年の交通安全年間スローガンを
頭の片隅において交通安全に繋げてください。

例えば、家族と一緒に自分なりの交通安全スローガンを作って発表。
そんなことをすると、より交通安全の意識が高まるかもしれません。



2020年が幕開けました。
クルマを運転する皆さん、オートバイに乗る皆さん、
新しい1年も交通安全を心がけて無事故の1年を送りましょう。

歩行者の立場にある皆さん。
交通事故は多くのケースで歩行者の規則違反が絡んでいます。
「歩行者は交通弱者で注意するのはクルマやバイク」という考えNG。
自分の安全は自分で守ることを常に考えましょう。





2019年が終わり、各都道府県で、
1年間の交通事故データがまとめられています。

東京都内での2019年の交通事故死亡者は速報値で累計133人。
減少傾向は続いて前年2018年から10人の減少です。
減っているという点では、評価できます。
しかし、1年で133人もの命が失われているのです。

「自分は死亡事故なんて起こさない」。

「自分は交通事故に遭って命を落とすことなんてない」。

根拠のない自信を持つことは今すぐやめましょう。
きっと多くの事故当事者も事故の直前まではそう思っていたでしょう。
起きてしまったら取り返しがつかないのです。

東京都内の交通事故の死亡者を年齢層別に見ると、
「少なくとも54人」が65歳以上の高齢者。
クルマ、オートバイ、自転車に乗っている時は、
高齢者の行動に特に気をつけるようにしましょう。
高齢者が身近にいる方は日常生活で注意を促すようにして下さい。





さて、2019年は12月に施行された改正道路交通法で
スマートホン使用など「ながら運転」の罰則が強化されました。
そして、これからは「あおり運転」についても厳罰化される見通しです。
12月6日、警察庁が自民党の交通安全対策特別委員会で明らかにしました。

これまでは・・・

前方のクルマに激しく接近、挑発 

不必要な急ブレーキ 
       
左側から追い越す 
       
極めて接近する幅寄せ 



といった運転をした場合、違反点数は「2」、
罰則は「3ヶ月以下の懲役、または「5万円以下の罰金」でした。


後方車が急ブレーキ、急ハンドルで避けなくてはならないような進路変更 


これは違反点数「1」または「5万円以下の罰金」でした。

これを、かなり厳しくすることが考えられているようです。
検討されているポイントを挙げると

◼︎  道路交通法を改正して「あおり運転」を法律上で定義

◼︎  1度の違反で違反点数「15」以上、免許取り消しとする

◼︎「あおり運転」で免許取り消しとなった場合、1年以上、再取得できないように設定

◼︎  罰則は「2、3年以下の懲役」または「30万円以下の罰金」を軸に検討

◼︎  摘発する対象は「通行の妨害」をすることを目的として
 「交通の危険を生じさせる恐れ」を引き起こした場合などにする



かなりの厳罰化となりますが、
最近、報道される「あおり運転」は、かなり悪質。
こうした法整備は、社会が求めるところでしょう。





そして、去年11月に内閣府と厚生労働省が、
保育園や幼稚園など、保育施設園児の安全を確保するための
「キッズ・ゾーン」設定の推進について都道府県などに通知を出しました。
滋賀県大津市で起こった信号待ちの保育園児が巻き込まれて亡くなった事故など、
子どもが被害者となる交通事故が相次いでいるためです。

キッズ・ゾーンとして設定されるのは、
保育施設を中心に原則500メートルの範囲。

設定されたあとは保育施設を管轄する市町村などの担当部署が、
都道府県警察や道路管理者と協力し、
ドライバーへの注意喚起や意識啓発を行います。

想定されているのは「ガードの設置」や「路面の塗装による注意喚起」など。
それぞれの道路環境に即した施策が求められます。

小さな子供たちは自分の身を守りきれません。
社会全体で守っていく意識が必要です。
有効なキッズ・ゾーンが全国に設置されていくといいですね





2020年。
より交通事故の少ない社会にしていきましょう。
それは社会を構成する一人一人の義務です。

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