今年も「春の全国交通安全運動」がスタートします。
明日5月11日(土)から20日(月)までの10日間。

今回と次回は、その大切なポイントを追跡します。
話を伺ったのは警察庁 交通局 交通企画課 植垣 浩太朗さん。
春の交通安全運動の全国重点は4つあります。


1)子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止

2)自転車の安全利用の推進

3)すべての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底

4)飲酒運転の根絶



前半の今回は1)と2)について。

1)子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止

小学生では歩行中が最も多くて過去5年間では全体の約6割。
特に1年生の歩行中の死者・重傷者数は6年生の約3.6倍。
非常に多くなっています。

事故に遭う時期は5月、特に中・下旬が多く、
入学したてに実施されていた集団下校が終わり、学校生活にも慣れ始めて、
放課後の行動が活発になることが影響している可能性がありますと植垣さん。

時間帯や行動目的を見ると下校中が約20%、
友達の家や習い事の行き帰りなどのプライベートが約70%。

事故に遭った小学生の3分の2が、
交通ルールを守っていなかったということが確認されています。
道路を渡る時には、必ず立ち止まる、
右や左から車が来ないかをよく見るなどのことを、
子どもにはしっかり教えるようにしましょう。

一方でドライバーは、
子供は思わぬところから道路へ飛び出す、
遊びに夢中だと車に気付かないことがある、
といったことを頭にとめておきましょう。

また、最も歩行中の死亡事故が多い
高齢者は車の速度や距離を誤りやすいもの。
歩行者を見かけたらスピードを緩める、一時停止をするなど、
歩行者の動きに対応できるよう心がけて下さい。

横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合は車を停止させ、
歩行者の通行を妨げないことが義務付けられています。
信号機のない横断歩道では歩行者の有無をしっかり確認して下さい。


2)自転車の安全利用の推進

そして、「自転車の運転」。
自動車に対しては事故の被害者になり、
歩行者に対しては加害者にもなります。

自転車に乗って亡くなった方の7割以上に安全確認をしなかった、
一時停止を怠ったなどの法令違反が認められました。

また、歩行者との事故の約4割は歩道で起きています。
自転車は標識で認められている場合以外は車道走行が原則。
歩行者には十分注意をして走りましょう。

自転車事故は8割弱が自動車との衝突。
その半数以上が出会い頭衝突となっているので
自転車の利用者が増える今、ドライバーも一層の注意を心がけましょう。

4月から中学や高校に進学して
自転車で通学するようになった人も多いでしょう。

自転車と歩行者が衝突して歩行者が重傷を負った、
あるいは亡くなった事故のうち、自転車に乗っていた方の約4割が10代。
自転車は車両。交通ルールを守り、安全運転を心がけてください。

また、万一の場合に備えて必ずヘルメットを着用しましょう。
そして、できるだけ損害賠償責任保険等に加入しましょう。

  

10連休のゴールデンウィーク。
折り返しましたが、今日を入れてあと4日。

まだ、混雑する中をクルマで出かける人はいるでしょう。
Uターンの渋滞もあります。
そんな時の運転で気をつけたいのが「眠気」です。


☆ 睡眠不足で運転しない ☆

まず、大前提として長時間の運転で禁物なのが「睡眠不足」。
一般に適切な睡眠時間は7時間以上とされています。

アメリカの高速道路交通安全局が行った交通事故調査を
全米自動車協会 交通安全財団が分析しました。
事故前の24時間にドライバーがどれだけ睡眠をとっていたか?
以下は7時間以上の睡眠をとったドライバーと比較した事故発生率です。

【6〜7時間の睡眠】 1.3倍

【5〜6時間の睡眠】 1.9倍

【4〜5時間の睡眠】 4.3倍

【4時間未満の睡眠】11.5倍


睡眠が大切なことは一目瞭然です。
運転前は7時間以上の睡眠をとりましょう。

お出かけ前よりも出先から戻る前に注意が必要。
楽しくて夜更かしということが往々にしてあるはず。
でも、無事に帰ってこそ、楽しい思い出になることをお忘れなく。


☆運転中に眠気に襲われたら☆

できるだけ仮眠をとりましょう。
時間は20分程度がいいとされています。
深く眠ってしまうと覚醒に時間がかかるからです。

そして、最近言われているのが
「仮眠前にコーヒーや紅茶などを飲むといい」ということ。

個人差はありますが、
フェインを摂取すると15分程で覚醒作用が発揮されます。
カフェインが含まれるコーヒーや紅茶を仮眠前に飲めば、
起きた時に頭と気分がスッキリ。
睡眠 + カフェインで相乗効果が期待できます。

高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、
安全な場所に車を停めて仮眠をとってください


☆眠気さましに必要なのは刺激☆

眠気覚ましになるのが様々な刺激です。
以下、その例をあげましょう。
実践してみてください。


<窓を開ける>

高速道路では難しいですが、
窓を開けて冷たい風を感じると眠気が覚めます


<冷たい水で顔を洗う 冷たい水を飲む>

「冷たい」刺激は活動を司る「交感神経」を活発にして目が覚めます。
ただし、即効性はあるものの継続時間が短い点に注意。


<ガムなどを噛む>

「噛む」動作は、脳の神経伝達物質の分泌を促進。
覚醒水準の低下を一時的に抑えられると考えられています。


<運動する> 

安全な場所車を停めて、車外に出て、歩いたり、ストレッチをする。
血行が良くなり、頭も心もスッキリします。


<耳を刺激する>

多くのツボがある耳も効果的だとされています。
左右の耳たぶをもって下にゆっくり引っ張って離す。
4、5回繰り返すとツボを刺激して覚醒が期待できます。


<話す、歌う>

GW時期ですから多くの場合は同乗者がいるはず。
会話をすると、脳が働いて、眠気が解消されます。
積極的に話しをするようにしましょう
歌も、もちろん眠気からの覚醒に繋がります。

特に行楽からの帰り。
同乗者も疲れているかもしれません。
でも、ドライバーはもっと大変。

自分は運転していないからと勝手に寝てしまわず、
ドライバーを気にかけ、話しかけるようにしましょう。

楽しいGWの車でのおでかけ。
居眠りが原因の事故を起こさないために参考にして下さい。




明日からGW。
連休中に、帰省や行楽でクルマに乗って遠出する方。
いつもより混雑する「高速道路」にも気をつけましょう。
今週は渋滞する「高速道路」についての注意喚起です。

Q) 高速道路での交通事故は、
  渋滞していない時と渋滞している時
  起こる確率はどちらが高くなるでしょう?

A) 答え・・・「渋滞している時」


Q) 渋滞の高速道路で死傷事故が起こる確率は 渋滞していない時の何倍?

  1)10倍   2)20倍   3)30倍

A) 答え・・・3)30倍



NEXCO西日本が「GW期間の高速道路における渋滞予測について」という
ニュースリリースで自社調べとして「30倍以上」と注意を呼びかけています。
では、どんな事故が高速道路で多く起きているのか見てみると。

<平成28年のデータ>

「車線上の停止車に衝突」 46%。
「その他の追突」     27%。
「衝突・接触・車相互・他」19%。

   

GW期間中の高速道路での運転。
気をつけるべきポイントを4つ、覚えておいてください。


<車間距離を十分にとる>

渋滞に巻き込まれれば先を急ぎたいもの。
前のクルマと車間ギリギリで走るドライバーも少なくありません。
でも、それでどのくらい目的地に早く着くのでしょう? 

むしろ、事故を起こせば渋滞はひどくなるばかり。
車間距離を十分とっていれば前車が急ブレーキをかけても
追突する危険性が低くなります。
車間距離を十分にとって運転しましょう。



<走行車線を走る>

急ぎたいドライバーは追越車線を選ぶ傾向があります。
東名高速道路のデータによると、交通量が多い時の追越車線の利用率は、
交通量が少ない時の「2倍以上」。
反対に走行車線の利用率はそのぶん減ります。

渋滞時は追越車線にいても、さほど早くは進めません。
むしろ走行車線の利用率が上がり、ムダな車線変更をしないほうが、
渋滞の緩和にわずかながらでも役立つかもしれません。


<サグを見極める>

高速道路には上り坂と下り坂があります。
「サグ」とは下り坂が上り坂に切り替わる場所のこと。

このサグが渋滞の大きな原因の1つです。
ドライバーは下り坂ではアクセルを緩めてスピードをキープします。
しかし、サグには気が付かず、アクセルを緩めたまま上り坂に入ると、
スピードが自然と落ちて、後続車がブレーキをむことになります。
それが連鎖して、道路が徐々に詰まり、最終的に渋滞となるのです。
上り坂に変わる際は、意識して、少しだけスピードを上げましょう。


<渋滞を意識的に回避する>

渋滞時に運転をしないほうが、事故に遭遇する確率は減ります。
ですから、渋滞予測や交通情報をチェック。
できるだけ渋滞する時間の高速道路利用を避けましょう。

ラジオやカーナビで渋滞情報を確認できますし、
高速道路会社のWebサイトでも情報を発信しています。
渋滞を避ければ、苦痛なドライブからも解放されます。

GWの高速道路上での事故をなるべく減らすには、
「できるだけ渋滞を生じさせない」という姿勢が大切です。

自分だけ急ごう運転をしても大して急ぐことはできません
身勝手な運転は渋滞を悪化させ、事故の確率を高めます
ドライバーのスマートな運転が渋滞回避に繋がり事故の危険を減らします。
       
すべてのクルマとドライバーは共同体という考えを持ちましょう。
それはGWだけでもなく、高速道路だけでもありません。

«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 86 | 87 | 88 |...| 156 | 157 | 158 || Next»