お盆シーズン。クルマの移動が多い時期です。
今年は明日の土曜日と明後日の日曜日が、
Uターンラッシュ上りのピークと予測されています。
そんな状況の中で気をつけたいのが車線変更。
今回はモータリング・ライター 藤田竜太さんにお話を聞きました。

まず、車線境界線が黄色の実線の区間では車線変更が禁止。
さらに、進路変更禁止の標識や表示がある場所です。
ちなみに道路交通法では「車線変更」の表現はなく、「進路変更」についてのみ記述があり
第26条に「車両はみだりにその進路を変更してはならない」と書かれています。

まずは、むやみな車線変更は避けましょう。
少し古いですが、2015年の車線変更時の交通事故を道路形状別に見ると
速度が出やすい「直線(一般単路)」が最も多く
次が交差点より30m以内の「交差点付近」で全体の約2割。

交差点の手前で慌てて車線変更をしている様子が想像できます。
黄色の実線に気づいた時に余裕がなく、
急な車線変更になっているのかもしれません。


そうしたこともあってか、5年前に新たな道路標示ができました。
“この先に進路変更禁止の規制区間がありますよ”知らせるもの。
30m手前に黄色の波線がペイントされています。


車線変更を安全に行うため、
大切なのはドアミラーの事前のセッティング。

まずはシートに奥深く座り、背中をシートに密着させ、ハンドルの一番上の部分を握って
肩がシートから離れずに、腕が伸びきらず、肘に余裕がある位置になるよう
シートスライドと背もたれの角度を調整します。

その上でドアミラーの上下方向を合わせていきます。上下方向の角度は、
ミラーの下半分に路面、上半分に空が映るのが基準です。次に左右方向ですが、
自分の車の車体が1/4ほど映り込むようにするのが基本です。

ボディが全くミラーに映らない角度だと他者との距離感がつかみにくくなりますし
反対にボディが見えすぎるのも死角が増えて危険です。
運転席側のミラーを調整したら、助手席側も同じように合わせてください。



その上で安全な車線変更の手順。

まずは周囲の状況を確認


ドアミラーとルームミラー、さらに目視でクルマの流れを確かめつつ
安全に車線変更できるスペースがあるかを確認します。

ウインカーを出す


車線変更できると判断したらウインカーで周囲のクルマに車線変更の意思を知らせます。
少なくとも3秒以上点灯させ、その時にあらためて周囲をチェック。
特に後ろから追い越そうと近づくオートバイに注意して下さい。

クルマの流れに合わせて移動


ゆっくり余裕を持って車線変更を行います。
周りの車と速度を合わせながらハンドルを切り始め
車体が真横に並行移動するようなイメージで移動しましょう。
この操作は、高速道路では走行スピードが速いので
しっかり車間距離をとった上で行って下さい。


ウインカーを早めに出す事と、ミラーと目視できちんと後方を確認する事は同じですが、
もう1つ、これから入ろうとしている車線のスピードに合わせることが肝心。

隣の車線との速度差や車間距離の判断を誤ると接触事故につながるので気をつけて下さい。
ドアミラーでは見にくい斜め後方の死角にいる車両をミリ波レーダーなどで検知して
知らせてくれる「ブラインドスポットモニター」が搭載されているクルマであれば
十分活用するといいでしょう。


ただ、今の夏休みの帰省するクルマが多いタイミングは、
高速道路は渋滞している場合も多いでしょう。
その際の車線変更は、みんなのためにも、自分のためにも、やらないほうがいいようです。

渋滞学の研究で知られる東京大学先端科学技術センターの西成活裕教授が調査したところ
高速道路での渋滞時の車線別平均速度は、左端の走行車線が最も速く、
追い越し車線が最も遅い、という結果になりました。
それは、誰もが先を急ごうとして、渋滞直前に約4割の車が追い越し車線に集中するから。
つまり、渋滞の最後尾に付くときは走行車線を走るのがベストです。

道路が渋滞しがちな夏休みシーズン。不要な車線変更はやめる。
必要な時は、しっかりゆっくり、安全を確認して行なって下さい。
先月、一般社団法人 東京 指定自動車教習所協会主宰の
第17回「交通安全」川柳コンテストの入賞作品が発表されたことを受けて
今回は受賞作を紹介しつつ、作者の方が川柳に込めた思いを、ご本人の声で伝えました。

今回、全国47都道府県から寄せられた応募作は21,619句。
その中から最優秀賞1作品、優秀賞2作品、入選3作品、団体賞1組が選ばれました。

<入選>

ペンネーム:ぴーちくぱーちく さん
 「あこがれは 父のゴールド お手本に」

お父さんは、ずっと安全運転を続けてきた方なのでしょう。
それを見習おうという気持ちがある「ぴーちくぱーちく」さんもまた、
お父さんのような優秀ドライバーになるのではないでしょうか。


ペンネーム:しろくろ さん 「曲がり角 誰もいないは 思い込み」

この番組でよく注意を促していること。
生活道路では、あまりスピードが出ていないといっても、
歩行者や自転車と衝突してしまったら大きな事故になりかねません。
「曲がり角の向こうからは、何か来るかもしれない」と仮定してハンドルを握りましょう。


ペンネーム:中潟 小屋子 さん 「守るのは 人の命と ルールです」

その通りですね。
交通ルールと交通マナーを守り、人の命も守りましょう。


優秀賞2作品と、最優秀賞1作品については、
作者ご本人による句の朗読と解説コメントで紹介しました。

<優秀賞>

ペンネーム:めぐる さん 「イヤホンで 聞こえぬベルと さけび声」


この句を考えたきっかけは、ヘッドホンをしながら自転車に乗っている人を見たことです。
危ないなと思ったと同時にどうしたらそうしことによる事故を減らせるか考えていた時、
国語の授業で交通安全川柳の応募をすることになりました。
「自分は大丈夫」という少しの油断が、大きな事故につながる危険があります
その危険性を短い言葉で伝えられたらと思い書いたのがこの川柳です。
これからも気持ちに余裕を持ち、周りにも気をつけながら安全に過ごしていきたいです


確かに、自転車に乗りながら、歩きながら、
ヘッドフォンやイヤホンをしている人を見かけることは少なくありません。
最近は、周囲の音を消して、音楽など、聴いている音に集中できる
ノイズキャンセリング機能がついたイヤホンもあります。
交通安全に関わる情報をキャッチしているのが目と耳。
聴覚を使わなければ、危険を呼び込みかねません。
自転車利用時は、ヘッドフォンやイヤホンをしてのながら運転はやめましょう。




ペンネーム:31111 さん 「無事故とは 奇跡じゃなくて 積み重ね」

この川柳は、無事故は偶然や運とかではなく、
一人一人の日頃の心がけの積み重ねで作られるものだという思いを込めて作りました。
この川柳をきっかけに、私自身もあらためて交通安全を意識したいと考えているのですが、皆さんも日頃の小さな心がけを日々大切にしていただけたら嬉しいなと思っています。


“スピード超過や乱暴な運転を続けていても、事故を起こさない自分は運転が上手い”と
そんなことを思っている方はいないでしょうか。それはこれまで運が良かっただけ。
本当に運転が上手い人は、慎重に、思いやりの気持ちを持ってハンドルを握り、
交通事故を自分から遠ざけている人です。



<最優秀賞>

ペンネーム:さささん さん 「ゴールドの ままで返納 誉れなり」

高齢者の交通事故が多い昨今、免許返納は何かを失うみたいで寂しいといういう
高齢者の方も多いと思うのですが、交通事故を起こして人生台無しになるより
ゴールド免許のままで返納したほうが、人生を締めくくるのに素晴らしいことだと
名誉を得る素晴らしいことだと訴えたいと思い作りました。

警察庁によると、免許返納の年齢で多いのは、小数点以下は四捨五入で、
70〜74歳 → 32%、80〜84歳 → 21%、75〜79歳 → 19%です。
日常生活にクルマは欠かせないという地域もあるので、
一概に免許返納を促すことはできませんが、
年齢が「高齢者」に達した方は、生活環境を鑑みつつ、
何かの折に、検討してみてはいかがでしょうか。

そして、交通安全川柳。
皆さんも、ご家族と一緒に1句つくってみてはどうですか。
交通安全の意識が、いっそう高まると思います。

車道の左側に白線などが引かれて、設けられた路側帯。
歩行者が通行できるように、またクルマが円滑に車道を利用できるように、
設けられていますが、ここでの接触事故に気をつけましょう。

歩道がない道路に設けられているのが路側帯です。
歩行者が歩くためのものですが、自転車も歩行者の通行を妨げない限りで利用可能。
ただし、2本の実線がある場合は自転車の通行も禁止です。

路側帯と混同しやすいものに路肩があります。
車道の左側に白線などが引かれていて、区分された道路部分があっても
歩道が存在するなら、それは路側帯ではなく路肩。
路側帯は道路交通法で定められていますが、路肩は規定されている法律も違います。
以下の写真のようなものが路肩です。


今回、お話を伺ったモータリング・ライター 藤田竜太さんによると
路側帯に関して典型的な事故は、クルマが路側帯を歩いている人を追い越す時、
ミラーや車体が接触したり、道路に面した駐車場や脇道などから出てきたクルマが、
路側帯を歩いていた人と接触するケース。

また、カーブや狭い道路で対向車を避けるために路側帯に寄った際、
後ろから来た自転車などに接触するケースや路側帯に停車した車が、
後方を確認せずにドアを開けて路側帯を走ってきた自転車が追突することもあります。
ちなみに路側帯では車体を路側帯の中に入れて停めてはいけません。
車道の左側に沿って停めるのがルールです。


路側帯に関して、ドライバーが気をつけるべきことは、
路側帯は歩行者の安全を守るためのスペースなのでクルマは路側帯に寄りすぎずに走り、
歩行者や自転車が安心して通行できるようにするのが基本だということ。

歩道代わりの場所なので、クルマが路側帯に入り込んで通行するのは許されていません。
また、住宅地など幅の狭い道に設けられていることが多いので速度を落として走ります。

路側帯での接触事故の主な原因は、ドライバーの視覚の確認不足や側溝間隔の不足。
こうした事故を防ぐには、歩行者や自転車を追い抜く際に十分な間隔をあけること。
間隔の目安はおよそ1.5mとされています。
道幅が狭く、十分な間隔が取れない場合は、徐行するようにして下さい。

路側帯にいる歩行者は、車に気づいてなかったり、
車道にはみ出す危険があることも想定しておくことが必要です。
道路沿いの店舗などから路側帯を跨いで道路に出る際は、
路側帯の手前で確実に一時停止をして、左右の安全確認をして下さい。

右方向は道路を走ってくる車があるので、注意深く見るようにしていると思いますが、
右から来る車に気を取られて、左側から近づいてくる歩行者などを見落とす事もあります。左右方向への目配りを忘れないようにしましょう。


自転車は歩道ではなく車道を走ることが強調されていますが、
歩行者専用路側帯を除いて路側帯のあるところでは自転車は路側帯利用が基本です。
まずは、路側帯から車道にはみ出さないことを徹底しましょう。
障害物を避けるためにやむを得ず車道側へ進路を変えることは、
後方から来る車との接触するリスクがあるので、後方の安全確認を行ないます。
路側帯に沿って車が停まっている時は、ドアが突然開くことも考えられるので、
車の脇を通るときはドアにも用心するようにしましょう。



路側帯については、優先されるべき歩行者、
さらに自転車にもしっかりと注意を払いましょう。
自転車の利用者は、クルマに気をつけつつ、歩行者と接触しないようにして下さい。
最後に歩行者は、守られるべき立場であっても、
危険な行動が事故を呼び込みかねないことをお忘れなく。
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