2013年4月18日

4月17日 みちのく潮風トレイルを歩いたモニター調査員・後藤駿介さん

引き続き、東北沿岸部を縦断する、『みちのく潮風トレイル』の話題です。

みちのく潮風トレイルは、青森県八戸から福島県松川浦までを歩いて旅するルートです。2015年度には全ルートが開通します。そして、開通前のルートを 環境省のモニターとして歩いた たった一人の現地調査員がいます。それが22歳の大学生・後藤駿介さんです。

環境省のモニターに応募、たったひとりの現地調査員として みちのく潮風トレイルを歩ききった後藤さんに、トレイルの魅力を中西哲生が伺いました。

◆700キロの旅を経て
(モニターとして、みちのく潮風トレイルを踏破。結局何キロくらい歩いたか)
12月1日にスタート。大学の授業で5度ほど東京に帰ったが、終わったのが3月16日。結局55日間歩きました。全部で700kmと言われているけど、寄り道しまくったので1000kmくらいですね。

(東北沿岸といえば海、山のめぐみを感じたのでは)
歩いていても、漁師の方と話してホタテを頂いたりした。これすげえ美味えなと。こんなホタテがあったんだなと思いましたね。これは、東北の海が山からの栄養で豊かになっているから、自然豊かな東北だからこその味なんだなと。この森が魚を美味しくしているんだなと。自然を体感できるという意味でも、このロングトレイルは魅力があるんじゃないかと感じました。

(東北の景色で印象に残っているのは)
北からずーっと行くと、最初は岸壁なども多くて、男らしい岩の風景が続いていました。岩手県宮古あたりで景色が変わるんですね。リアス式海岸のギザギザと半島が飛び出たような景色になり、牡鹿半島では何千年前から変わらないという原生林があってこれがパワースポットなんだろうなと思った。森の中に入るからこそ出会える動物に触れられたのは面白かった。

(リアス式海岸で細かく入り組んでいるところということは、歩く距離も長い。その分海産物も取りやすい)
森に囲まれているからこそ美味しいものがとれる。森に囲まれているからこそ津波の勢いが大きくなってしまった場所もある。自然の恵みだけじゃないんだなと感じました。(※聞き手:中西哲生) 




今朝は、東北沿岸部を歩いて旅する「みちのく潮風トレイル」のモニターとして ルートを歩き切った大学生・後藤駿介さんのインタビューをお送りしました。

彼が現地調査員として書いた潮風トレイルのブログには、普通の学生が 自分の足で歩いて感じた東北の素晴らしさが、たくさん書かれています。

みちのく潮風トレイルの後藤さんのブログ

明日も、後藤駿介さんのインタビューをお送りします。

2013年4月16日

4月16日 三陸復興国立公園・みちのく潮風トレイル(2)

きのうに引き続き、東北沿岸部を縦断する『みちのく潮風トレイル』の構想を紹介します。

世界的にも優れた景観で知られる 三陸の沿岸部を『三陸復興国立公園』という大きな自然公園に指定、公園を含む東北の海沿いを歩いて旅する道≪トレイル≫を作るというのが、みちのく潮風トレイルの構想です。

ルートは、青森県八戸から福島県相馬市の松川浦まで。この東北を南北に縦断するルートを“一筆書き”で歩けるようにする計画です。

環境省・三陸復興国立公園 推進チーム長 堀上勝さんに伺いました。

●“歩く旅”による地域への効果
日本でトレイルというと登山のトレッキングがメジャーだが、今度のトレイルは、高い場所へ登る道もあるが、それよりも「遠くへ歩く」ことが出来るもの。歩きながら各地域の生活や文化を見ることができる。クルマを使って観光をすると、町には降りても集落に立ち寄る観光客は少ない。このトレイルの場合は小さい集落も立ち寄るので、それぞれの地域に経済的な効果も出てくる。
東北がひとくくりにされるのではなく、これまでなかなか発信できなかったような地域の面白いこと、文化の違いを、地域ごとに発信できる。歩く方も楽しみもあり、地域の魅力をさらに知ることが出来る。そしてまた行きたくなる。リピーターも増えれば地域への効果も高いのではないか。


この『みちのく潮風トレイル』は、極力“既存の道”を使います。東北に点在する遊歩道などを有効活用して一本のルートにする計画です。また、旅に必要な施設も、新しく建てるのではなく地域の施設を活用すると言います。

そんなみちのく潮風トレイル、どんな風景の中を歩くことになるんでしょうか。


●ウミネコ、海岸、草原、断崖絶壁・・・!!
北から、青森県八戸市の蕪島の神社を出発する。ここはウミネコがたくさんあつまる場所でもある。神社で旅の無事を祈りながらスタートして、かなり長い海岸の草原、なだらかな道を歩き、階上岳に一気に登る。そこでこれまでに来た長い道のりを振り返り、これから行く道を見る。そこから降りていくと断崖絶壁。岩がゴロゴロした海岸を降り、また一気に200mほど上る。そういうのを繰り返しながらリアスの海岸へ入っていく。変化に富んだ面白いコースになる。距離は700?以上だがルートが完全に決まっていないのでなんとも言えない。一気に歩くなら健脚な人で1か月ほど。「セクションハイク」という分割して1年くらいかけて歩く方法もある。体力や時間に合わせて歩いてほしい。(※青森県「蕪島(かぶしま)」…ウミネコの営巣が見られる日本でも数少ない場所。小さな島が昭和初期の埋め立てによって陸続きとなっている。国の特別天然記念物。)




東北沿岸部を歩いて旅する「みちのく潮風(しおかぜ)トレイル」について、環境省の堀上勝さんに伺いました。

みちのく潮風トレイルは、今まさにルートが決まりつつあります。決まったところから順次開通し、平成27年度中(2015年度中)には全線のルートが決定する予定となっています。

明日は、環境省の命を受け、一人でこの「みちのく潮風トレイル」をモニターとして歩き切った大学生、トレイル男子こと後藤俊介くんのインタビューをお送りします。
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パーソナリティ 鈴村健一

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