2013年2月1日

2月1日 宮城県気仙沼市唐桑町の「からくわ丸」〜“よそもの、わかもの、ばかもの”の被災地支援〜(5)


宮城県気仙沼市の唐桑地区で展開されている街づくりプロジェクト「からくわ丸」。中心となっているのは代表の加藤拓馬さん、24歳です。唐桑の住民と一緒に、地域の魅力を掘り起こす「からくわ丸」の活動。加藤さんが見つめているのは、唐桑の「復興」と「未来」です。

◆「自分たちの街の魅力を知る」が「復興のスタートライン」
去年の2月から発行しているフリーペーパーがある。名前は「けっから」。どうにかしてこの地域の人たちが前向きになれる話題を提供したいと思い、唐桑の中で頑張っている人をピックアップして唐桑の人に紹介する。すると「どこどこの誰々さんはこういうことしてるんだ」と思って、「じゃあ私もこういうことできるかもしれない」と思ってくれるかもしれない。震災を機に家が流されて別の場所で避難生活を送っている人が、唐桑のいまの写真を見て、「すごく唐桑に帰りたくなった」と涙を流しながら読んでくれたりする。
仮設住宅も区画整備もどうなるかわからない、まだまだ復興なんて進まない状況の中で、「まち歩きをしながら古井戸を見つけて感動している」なんて、(からくわ丸は)すごく平和なことやってるなと思われるかもしれない。でも、なんでこういうことを丁寧にやらなiいといけないかというと、「自分たちの街が好き」だとか、「自分たちの街にはこういうものがあるんだよ」というのがわかっているのと、わかっていないのとでは、復興のカタチが全然変わってくると思うから。自分たちがいまやっていることが、復興の前提の基礎づくりになればいいと思っている。住民が自分たちの街を誇りに思える、「唐桑にはなにもない」じゃなくて「唐桑にはこういうものがある」と思えれば、これからの復興にもっともっと住民の主体性が出てくると思う。そこが今年、来年あたり、すごく重要。そういったことが住民の人たちと一緒に確認できるかどうかが、今後の復興に大きく影響してくるんじゃないかな、という気持ちでやっている。


「けっから」とは、唐桑の言葉で「くれてやるから」「あげるから」という意味。「からくわ丸」の活動報告やフリーペーパー「けっから」は、「からくわ丸」のオフィシャルサイでチェックできます。

からくわ丸サイト

2013年1月31日

1月31日(木)宮城県気仙沼市唐桑町の「からくわ丸」〜“よそもの、わかもの、ばかもの”の被災地支援〜(4)

「からくわ丸」は宮城県気仙沼市の唐桑地区で展開されている街づくりプロジェクト。唐桑の魅力を再発見する「まち歩き」やメンバーが唐桑の将来について話し合う「唐桑ルーキーズサミット」など、さまざまなプロジェクトを展開しています。中心となっているのは代表の加藤拓馬さん、24歳。子供のころ神戸で阪神淡路大震災を経験した加藤さんは、東日本大震災のあと、就職を控えていたにもかかわらず、いてもたってもいられず、東北へボランティアに向かいます。いまは住民票も唐桑に移し、唐桑での生活が2年を迎えようとしています。

■「昔ながらの近所づきあい」に日本の突破口がある
たぶん(唐桑の)地元の若者たちが(からくわ丸と一緒に)活動をしているのは、「地元愛」地元のことがほんとにすきなんだと思う、僕等とは比べ物にならないくらい。
唐桑のよさは、海がきれいで、山の幸、海の幸がとれること。そして、自分が唐桑に2年住んで一番魅力的に感じるのは、昔ながらの狭いコミュニティ。前田浜には前田さん、佐々の浜には佐々木さん、馬場の浜には馬場さん。そういった狭いコミュニティだから、いい意味でも悪い意味でも、他人に対しての地域内の関心が強い。悪い意味で働く場合の多いけど、ひとたび震災のように有事になると、お互いがお互いのことを助け合うのが当たり前。その関係性は「ボランティア精神あふれる街ですね」なんていう言葉はあてはまらない。そういうんじゃない。もともと日本の社会がもっていた原型みたいなものが、唐桑には残されているというふうに自分は感じた。それは東京では味わえないものだし、これからの社会、20年、30年経っていて、どんどん人口が減って経済がだめになる中で、どういうふうに人と接していけばいいのか、社会と向き合っていけばいいのか、たぶんいろんな人が直面する問題だと思うが、その突破口が自分は「田舎の近所づきあい」にあるんじゃないかと感じた。
だったらもう住むしかない、と。東京に帰る理由がなくなってしまった。



からくわ丸サイト
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パーソナリティ 鈴村健一

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