2012年8月16日

8月16日「陸前高田市・出荷が始まった“野菜工場”(2)」

ほとんどのエネルギーを太陽光と地下水でまかない、ドームの中で1年365日、毎日野菜を収穫できる。
未来の農業のカタチを実現した野菜工場「グランパファーム陸前高田」。

7月に完成して、今月から野菜の収穫が始まったのですが、この野菜工場にはもう一つ大きな役割があります。

野菜を栽培するドームは、3棟が稼働中。9月に8棟がフル稼働します。
そこで、働き手として7〜8人を募集することになります。
この野菜工場は、雇用を創出するのが目的でもあります。

現在、グランパファーム陸前高田では、パート15人を含む18人の地元の方が働いています。それぞれが震災で元々の職を失った方々です。

 ○地元商社で働いていたが津波で辞め年金生活をしている方。「仕事をしている方がいい」
 ○水産加工をしていたが、家が流され、仮設住宅で暮らしている方。
 ○子を持つ親。昨年の震災時には迎えに行けなかったが、今回被災者限定求人で応募。家から近いこともあり、ここで働くことを決めた。




農業については、東北だけでなく日本全体が後継者問題を抱えています。
この野菜工場はもしかしたら、その問題を解決してくれるかも知れないと、陸前高田市の戸羽太市長も、そこに期待しているようです。

◆市長が掛ける期待
 被災前から一次産業には色々な課題がある。農業の担い手不足、高齢者で後継ぎがいない。
 グランパファーム陸前高田は、スタッフもスニーカーにポロシャツで農業が出来る。若い人たちが農業への考え方を変えてくれるかもしれない。
 世界の食糧不足は分かっている。岩手・宮城が食糧供給基地として役目を果たすには非常に友好的。
 被災して路頭に迷う人がいる中、この事業が次の展開を見据えたものであること。その一番はじめの従業員として働くこと。プライドもあるし、頑張りでこの事業がどうなるかという責任感もある。普通の事業より色んな思いを持って働いているのではないか。



グランパファーム陸前高田は、将来的には8つの野菜ドームを全て稼働させ、「1日に3600株」のレタスなどを収穫できるようになるということです。

そして、ここで栽培されたレタスは、サンドイッチ・チェーン「サブウェイ」の仙台をはじめ東北12店舗で、サンドイッチとして食べることが出来ます。
また、地元のスーパーでも「復興レタス」として購入することが出来ます。

2012年8月15日

8月15日「陸前高田市・出荷が始まった“野菜工場”(1)」

8月4日(土)、岩手県陸前高田市で、ある農業施設が初出荷を迎えました。
これは「グランパファーム陸前高田」という“野菜工場”。
今も農業用地の9割が復旧できていない陸前高田に大きな可能性もたらすかも知れないという事業です。



この野菜工場は、陸前高田市米崎にあります。
サッカーコートより1回り〜2周り広い敷地に、真っ白いドームが8棟並んでいます。(現在稼働は3つ)
ドームの大きさは直径29m、硬い柱が1本も入っておらず、空気で膨らんでいます。

ドーム内は、地下水と太陽光という自然エネルギーを効率よく、最大限に活用する仕組みで温度調整もほとんど太陽光で行ないます。
ハウス栽培と違い、燃料はほとんど使わず、エコで低コストです。
このドームでは1日450株のレタスが獲れ、暑い日も寒い日も安定供給が狙えるということです。



陸前高田市の戸羽太市長は施設のお披露目会で、このように話していました。

◆新しいチャレンジへ
 陸前高田市は壊滅的な状況。ただ復旧するのではダメ。新しいことにチャレンジしようという思いがある。
 具体的に何かと考えた時に植物工場の話があった。この技術が確立したら世界へ売ろうという話をしている。
 実現すれば、悲惨な状況だった陸前高田市が、世界の新しい技術のスタートラインに立つ。被災者全体にも励ましになる。




中西哲生がサブウェイサンドイッチ親善大使を務めるサンドイッチ・チェーン「サブウェイ」も、このプロジェクトに協力。
仙台をはじめ東北12店舗で、この野菜工場で収穫されたレタスが使われています。


収穫されたレタスは、地元小中学生がデザインしたパッケージに包まれ、陸前高田などのスーパーでも購入できるということです。
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パーソナリティ 鈴村健一

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