2012年5月28日

5月28日「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト(1)」

震災による瓦礫の広域処理が思うように進まない状況が続いていますが、瓦礫を処理するのではなく、活かそうという試み「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」がスタートしています。

5月25日、一般財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」が設立総会を開き、理事長・細川護熙元総理をはじめとした賛同者の記者会見が行われました。

◆後世に残る事業
 瓦礫を厄介者にするのではなく、復興の有効資源とするもの。マウンド(瓦礫を使った小高い丘)を作り、土地の植生13〜14種類を密植して植える。20年後には立派な森として防潮堤の役割を果たす。
 今後10年で東日本海岸沿いに300?、9000万本を植える計画。震災から立ち上がる日本のシンボル的な事業。後世に残る事業になる。


この会見に先駆け、4月には岩手県大槌町にマウンドが試験的に作られ、横浜ゴム主催の植樹祭も行われました。
これには大槌町の住民をはじめ、約550名が参加。3400本の苗木が植えられました。


【写真:細川護熙さん/4月30日の植樹祭にて】


震災直後からこのアイデアを提唱してきた、横浜大学・宮脇昭名誉教授(植物生態学)にお話を伺いました。

◆瓦礫で丈夫な防潮堤を作る
 大事なことは、生きた緑の構築材料。単なる緑化では無く、土地本来にある植物を使う。
 故郷の木によるふるさとの森。混植、密植による「せりあい効果」で競争しながら土地本来の森を作る。
 瓦礫は亡くなった方の遺品や生き残った方の思い出の品が詰まっている。
 分別は終わっている。この危機をチャンスとして森を作っていきたい。


◆マウンドに瓦礫を使う意味
 下にコンクリの瓦礫を小さく割って敷き詰める。そのあいだに流木を20%〜30%混ぜる。
 小さな木の枝やその他は資源として使う。根は息をしているので隙間が大事。養分が大事。
 植物性のものはゆっくり分解して森の養分となる。分解して穴が空くとそこに酸素が入る。
 タブの木、カシ類は、南三陸などで調査すると、根が6mも入り込み、津波を壊す効果がある。
 南北300?の海岸沿いに積極的に作る。その最初の例が大槌で行われた。歴史的なもの。ノウハウを東北〜日本に発展させたい。



【写真:宮脇昭さん/4月30日の植樹祭にて】


4月の大槌町に続き、5月26日(土)には岩手県岩沼市でも同様の植樹祭が行われています。
これらの取り組みはまだ試験段階ですが、会見の席で細川元総理は「国の事業とも連携して進めていきたい」と話しています。
また、政府もこの取り組みを「参考にしたい」としています。


 

2012年5月25日

5月25日「Support Our Kids・子どもたちのその後(3)」

東日本大震災の被災地の子どもたちに、海外でホームステイをしながら数週間の語学留学を体験してもらう「Support Our Kids」
昨夏に実施されたニュージーランド語学留学の参加者の中には、東京に出てきて、社会人として新生活を始めている子もいます。

震災を経験した彼らにとって、海外で過ごした数週間は、どんな意味があったのでしょうか。


◆岩淵一美さん「笑顔を学んだ」
 最初は販売がしたかったが、ホームステイを経験し、震災などを考え直したところ、医療従事者不足を知り、医療の道を考えた。
 この4月から看護師になるため、午前中は病院の仕事。午後は準看護学校で勉強。毎日学び、復習。病院と学校で覚えたことを家で復習。料理もしなきゃいけないから疲れが溜る。大変だけど、充実している。
 ニュージーランドの人たちに笑顔を学んだ。患者と向き合う上で不安にならないために笑顔を崩さないように。


◆中村元さん「自分が変わるきっかけ」
 千葉県の城西国際大学で英語と観光を勉強している。
 地震の後、ボランティアでディズニーのホテルの方が来てくれた。ディズニーランドホテルに招待されたのが、ホテルマンになりたいという憧れのキッカケ。
 ニュージーランドのホームステイで、夢が明確になった。地震で姉や友人、犬を失ったが、地震があったことをマイナスに考えないで、自分の将来への試練だと思うようになった。そしてプラスになり、夢も決まり、自分が変わるきっかけになった。
 僕だけじゃなく、被災して過去を引きずっている人たちには(ホームステイに)参加して欲しい。行けば変わる。



被災地の子どもたちを支援したいという、多くの方の寄付で運営されるSupport Our Kidsでは、今年も語学留学に参加する中高生を募集しています。
Support Our Kids事務局の新山明美さんは、このように話しています。

◆背中を押して欲しい
 現地の家に滞在、語学学校に通い、各国ならではの体験をする。カナダならトレッキング、米国ならテクノロジカルな場所の視察、英国は五輪の空気に触れられる期間なのでスゴイ経験ができる。
 情報をキャッチするのは親御さんのはず、子どもに提案して背中を押して欲しい。




Support Our Kidsプロジェクトでは、今年も7月下旬から2週間の語学留学を実施します。
今回は、イギリス、ニュージーランド、アメリカ、カナダの4カ国に、50人前後を派遣する予定です。
お申し込みはSupport Our Kidsのホームページから応募用紙を印刷し、推薦書とともに、指定の住所まで郵送して下さい。
応募期間は、6月4日まで
詳しくは、Support Our Kidsのホームページでご確認ください。
【Support Our Kids 第2回ホームステイプログラム参加者募集ページ】
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パーソナリティ 鈴村健一

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