2012年4月18日

4月18日「仮設のトリセツ(1)」

厚生労働省は昨日、原則2年間とされていた被災地の仮設住宅の入居期間を、1年間延長する方針を明らかにしました。
対象となるのは「みなし仮設」を含む、およそ12万戸です。

「仮設」とはいっても、そこは大切な「住まい」。
仮設で、より快適に暮らすための知恵や工夫が、いま被災地で注目されています。

そこでご紹介するのが、ウェブサイト「仮設のトリセツ」です。
仮設住宅をカスタマイズするさまざまなアイディアやヒントを提供しています。

サイトを運営している新潟大学工学部建設学科・岩佐明彦准教授に、サイト立ち上げのきっかけを伺いました。

◆住まいの工夫
 最初に仮設住宅に関わったのは中越地震のとき。当時仮設住宅を調査したが、最初の状態だと住みにくいということで、各自工夫をされていた。そのときの住まい方の情報をHP上で公開したのがきっかけ。
 住んでいると、人が集まるところが必要なので、通りに椅子を置こうとか。夏はすだれや、緑のカーテンとか。どういう場所にどういう工夫ができるか。そのためにはどういう道具や材料があるのか。その材料はここで売っている。などの情報を掲載してある。
 一人きっかけになる人がいると仮設のカスタマイズが始まることが多い。日曜大工が得意だったり、漁業関係の方は手先が器用だったり。情報収集と交換は女性、作業は男性という感じ。


◆共通の話題になる
 仮設住宅に手を加えるのを見ていると、最初は「問題解決」からスタート。やがて、それが面白くなったり、手先の器用な人が近所の手伝いをしてお小遣い稼ぎになったり。また、仕事がなくてやることがない中で、役割ができて生きがいの創出になったり、コミュニケーションのきっかけになったり。仮設に住む人の共通の盛り上がる話題は仮設のカスタマイズ。


「仮設のトリセツ」は、ウェブサイトからダウンロードすることができます。
また、書籍版の「仮設のトリセツ」は書店でお求めいただけます。

【仮設のトリセツ Official Website】


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これまで番組でもご紹介してきました、被災地の子どもたちに海外ホームステイを体験してもらう「Support Out Kids」。
今後10年にわたる支援を目標とする、このプロジェクトのためのチャリティオークションパーティーが開催されます。

日時:4月27日(金)受け付け開始 18時/開会 19時
会場:東京ドームホテル B1「天空」
※鈴木大地さんなどのゲスト、平原綾香さんなどのチャリティライブなども行われます。

【Support Out Kids Official Website】

2012年4月17日

4月17日「3.11に生まれた命(2)」

東日本大震災が発生した昨年3月11日に生まれた命と、その誕生を巡るエピソードをまとめた、一冊の本「ハッピーバースデイ 3.11」。
可愛い赤ちゃんの写真が載っていますが、この本に出てくるお母さんやご家族の気持ちは複雑です。
2011年3月11日に生まれた、ということ。
それは、家族と、生まれてきた子どもたちにとってどんな意味を持つのでしょうか。

この本で取材と文章を担当した、コピーライターの並河進さんに伺いました。

◆子どもたちの成長と復興
 「周りでたくさんの方が亡くなって、自分の家だけ子どもが生まれて、それはすごく自分としては嬉しいこと。それを人に言えない、複雑な気持ちだった」という方が多かった。たくさんの方が亡くなって辛い日なんだけど、でも未来に行くのはこの子たち。強く生きていってほしい。
 命の大切さを感じながら生きていくのだろうと思う。その中で福島市の橋本栞ちゃんの話を聞いた。「栞」という名前の通り、「道しるべ」という意味もある。文字通り未来の道しるべになったとお母さんが言っていた。
 1歳になれば震災から1年。5歳になれば震災から5年。ずっとこの子たちの先を追いかけると同時に、日本が復興していくことと重なり合っていく。
 でも子どもたちにはあんまり重荷に感じてほしくない。


◆神様が遣わした存在
 「何も知らずに生まれてきている」と書きつつも、佐藤春晴くんの写真を撮ったあとには、どうしても抱っこしたい気がして、抱っこさせてもらった。
 それからは、撮影するたびに抱っこしていた。抱っこした時にその子の目を見ていたら、この子はもしかして全部知っていて、この子に僕は呼び出されて写真を撮ったり取材している、神様が遣わした存在なのではないかと感じた。
 何も知らないんだけど全て知っているような気がした。晴春くんのご家族は、職場が津波にのまれたが、出産があったため、仕事をみんな休んでいた。そのおかげでお父さんもおばあちゃんも命を救われた。もしこの日に生まれていなかったら、お父さんもおばあちゃんも命を落としていたかも知れない。そういう意味ではこの子に命を救われたといっている方も多かった。



「ハッピーバースデイ 3.11  あの日、被災地で生まれた子どもたちと家族の物語」は、飛鳥新社より発売中です。
この本の印税は全額、被災地支援に寄付されます。


【ハッピーバースデイ 3.11 Official Website】


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これまで番組でもご紹介してきました、被災地の子どもたちに海外ホームステイを体験してもらう「Support Out Kids」。
今後10年にわたる支援を目標とする、このプロジェクトのためのチャリティオークションパーティーが開催されます。

日時:4月27日(金)受け付け開始 18時/開会 19時
会場:東京ドームホテル B1「天空」
※鈴木大地さんなどのゲスト、平原綾香さんなどのチャリティライブなども行われます。

【Support Out Kids Official Website】
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パーソナリティ 鈴村健一

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