2017年11月21日

11月21日「福島の声を聞こう」木村紀夫さん(2)

今週は、作家の渡辺一枝さんが東京で続けているトークイベント『福島の声を聞こう』から、双葉郡大熊町出身、木村紀夫さんの声をお届けします。

木村さんは、東日本大震災の津波で、父と妻を亡くし、長女と二人で長野県白馬村に移り住んだ後も大熊町に通い、行方不明の次女、汐凪ちゃんを探し続けました。白馬から大熊まで、片道6時間をかけて捜索に通う日々。ボランティアの手を借りた捜索でも、5年以上の間、汐凪ちゃんの発見には至りませんでした。

◆重機を入れて一か月。あっけなく自宅近くのがれきの中から見つかった
靴が見つかっているので、がれきがずっと気になっていて。そこでがれきでの捜索が始まりました。電柱とか家のはりとか、人の力では動かせないものがたくさんあるが、そこを動かせる範囲で掘り起こしながら捜索を続けました。そんな中、大熊町の自分の住んでいたところ、津波の浸水域についても、福島県内で出た除染廃棄物を置いておく中間貯蔵施設にしようという話が持ち上がったんです。環境省としては国で土地を買い上げて、そういう施設をつくるということだったと思う。だが、売る気も貸す気もないと伝えました。まだ自分の娘が見つかっていない状態で、自分の土地を手渡すわけにはいかないと話をさせていただいた。
その後もボランティアの方たちと一緒に捜索活動を続けていましが、見つけるということについて全然先が見えず、がれきの山も前と変わらず。結果を出したい、次女の汐凪を見つけるため、手伝いに入ってくれている仲間のためもあって、これはやっぱり国のお世話にならないと先には進まないのかなと思い、こちらから連絡して環境省に連絡をしました。環境省としては、精一杯捜索をして、それから造成して、緩衝地帯にしたいと。まず捜索させてくれということだったので、「捜索をお願いします」とお話ししました。それが2016年の9月。で11月から重機を入れた大規模な捜索を始めて、一か月で汐凪の遺骨の一部が見つかったんです。もう本当にあっけなかったです。


環境省の力で重機を入れて捜索を行った結果、およそ1か月であっけなく見つかった汐凪ちゃんの遺骨。見つかった場所は、大熊町の自宅から、わずか数百メートルの海岸沿いでした。
 
汐凪ちゃんの遺骨が自宅近くで見つかったことで、木村さんが改めて考えたこととは。明日も木村紀夫さんの声をお届けします。

パーソナリティ 鈴村健一

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