2018年7月23日

豪雨被害・広島の牡蠣(1)

今回の豪雨では農産物だけじゃなく、海で獲れる水産物にも被害が広がっています。
広島湾、美能島の牡蠣漁師、大越英樹さんと一緒に牡蠣筏へと向かいました。

◆漂流ゴミ
ちょうど月曜日なんですけど、船も航行できないくらいの大量のゴミが流れていたので、大木とか家屋の一部じゃないかというような建材も含まれてて、うちの漁協組合総出でゴミの回収をして、かろうじて船の航行ができるようにはしたという状態です。潮の流れや風の向きによって今日はなかったけど明日風で流れてきたり、という状態ですね。


幸いにも、大越さんの50台ちかくある養殖筏は無事だったそうです。

現在牡蠣養殖は、ホタテの貝殻に、牡蠣の赤ちゃんを付着させる大事な時期。漁師さんはタイミングを見計らって、ホタテ貝を海に投入させますが、今回の豪雨によって海の塩分濃度が変わってしまい、うまく付着ができていないようです。

◆塩分濃度が3%から0.6%に
牡蠣養殖するのにいちばん元となる牡蠣の稚貝がホタテに付着する時期とちょうど重なって今大変な状況です。6月後半に産卵しておよそ2週間ぐらいで牡蠣の赤ちゃんがモノに付着するという性質を利用してホタテ貝に付着させるんですが、大雨で雨水がたくさん出て海の中に「真水の層」が出来ているんです。
表層部分に雨水がたくさん流れ込んだ分、塩分濃度が普段は3%を維持しているのがこの雨でひどい時で0.6%に。ほとんど真水のような状態ですね。水深2mぐらいからは3%あるんですけど、とにかく表層面があまりにも塩分濃度が下がり過ぎて(牡蠣の赤ちゃんが)いい具合に付着してない状況です。
それを今、付着する海域に筏を移動させたりホタテ貝を海に投入する作業をしているんですが、とりあえず家のことはさておき、翌年を見越して牡蠣の赤ちゃんを確保するのにみんな放浪している状態です。


能美島の牡蠣漁師、大越英樹さんのインタビュー、明日も引き続きお送りします。

パーソナリティ 鈴村健一

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