2018年8月17日

「荒浜再生を願う会」の解散3

仙台駅から車でわずか30分。震災前は約750世帯が暮らしていた町・荒浜。今は「災害危険区域」に指定され、一面が更地のまま。代々この地に暮らしてきた人も、新しく家を建てることができません。今後、公園や工場、商業施設などのエリアになる予定で、今年その事業者が決定。地域の再生はようやくスタートラインに就いたばかりです。



そんな荒浜で2011年から活動を続けてきたのが、今年6月いっぱいで活動に幕を下ろした、「荒浜再生を願う会」。事務局長を務めた庄子隆弘さんは、波打ち際まで歩いてすぐのところにあった自宅の跡地に、「海辺の図書館」という名前の建物を建て、「荒浜再生を願う会」と共に地域のにぎわいを取り戻そうと活動してきました。



そんな庄子さんがいま胸に抱いている“これから”について、お話しを伺いました。


◆隠れたライフワークとして・・・“いつかは荒浜へ帰る”

今7年ですけれども、10年、15年とか経って、“昔住んでた荒浜”って来た時に、なんかまったく分からないような場所にはなっててほしくないなって、もちろん(震災遺構の)小学校が遺っていれば、そこでいろんなことを知る事は出来ると思うんですけど、なんかこう、荒浜の面影というか、そういったものをちょっと遺しておけるような場所を作っていきたいなと思っています。「荒浜再生を願う会」は解散になっても今まで拠点になっていた「里海荒浜ロッジ」はそのままオーナーの貴田喜一さんが維持していくってことなのでそこはそのまま。で、私の「海辺の図書館」で、移転した人たちとどういうふうに繋がれるかっていうような“繋ぎ役”をやりながらイベント等もやりつつ、町全体とか地域全体をどういうふうに考えていくかってことをやっていければいいかなと考えています。私はじっさいにここの賑わいづくりとか拠点ということは考えつつ、やっぱり災害危険区域に指定されたっていうこと自体に対しても疑問はあるし、もしも見直しが出来るんだったらそういったところも検討して欲しいっていうところは、ホントに心の奥底に持ちつつ、で、最終的にはここにある程度は住むことが出来るということを、まあ隠れたライフワークとして、災害危険区域ってホントにここをやったらもう日本全国そうだろうっていうような誰もが思うようなことなので、そこはやっぱり自分でも勉強を進めていきたいなと思います。




震災前は、海と松林が広がる自然豊かな場所で、胸を張って人に見せたい自慢の場所だったという荒浜。なんとかこの土地の良さを伝える活動を続けながら、町を離れた人や新たに訪れる人たちを繋いでいき、そしていつかは荒浜に戻ってみせる!と固い信念を語っていた庄子さん。現在、庄子さんが館長を務める「海辺の図書館」では、荒浜の風景を撮り続けている写真家、佐藤豊さんの写真展を開催中。最終日の8月18日(土)には、灯篭流しも行なわれます。その他にも様々なイベントが計画されていますので、こちらのオフィシャルページをチェックして、そして是非、荒浜へ足を運んでください。

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN