2018年9月14日

避難所初動運営キット

西日本豪雨や、北海道胆振地方の地震など、被害が大きかった災害では今も多くの方が避難生活を余儀なくされています。
今朝はこうした災害の発生に備えて、避難所の開設と初期の運営に必要な最低限の道具をまとめた防災セットをご紹介します。これは、熊本地震での「これが困った!」という声を元に、熊本大学の准教授が開発しました。
その名も「避難所初動運営キット」。
TOKYO FMアナウンサーで、防災士の、古賀涼子さんに聞きました。

◆避難所初動運営キット
「避難所初動運営キット」は避難所の開設と初期の運営にまず必要な道具25点がワンセットになっています。大地震直後の混乱に備えて、町内会など自分たちで避難所の開設の用意をする意識を持つのはとても大切です。では実際に避難所初動キットの中身、見てみましょう。

例えば、案内標識。熊本地震の避難所では「女性更衣室」や「授乳室」など配慮が必要なスペースを確保するのに時間がかかったケースも多くありました。これを受けて、運営キットには「男性更衣室」や「女性更衣室」「授乳室」など20枚の標識がセットされていて、避難所に求められる最低限の間取りを
整えることができます。つづいて、電源タップ。これは避難所で「コンセントの奪いあいになった」という声を受けたものです。この他、避難所運営者を示すための「腕章」など、避難所の運営に欠かすことのできないアイテムがひとつにまとめられています。

この「避難所初動運営キット」を開発した防災教育が専門の 熊本大学 竹内裕希子准教授は被災者同士が助け合う「共助」の意識を持つことについてこう語っています。
「避難所生活の中で積極的に運営者になるだけが「共助」ではなくて、その秩序を守るということが共助に参加していくことになります。お互いを思いやる気持ち、そして自分が出来ることを見つけて運営に参加されていくのが、避難所生活をする中で非常に重要なことになります。」
災害への備えというと、自分の身のまわりの備えがまず思いつきますが、「共助=共に助け合うため」に何が必要なのか、この機会に考えたいですね。


避難所というと、市区町村が運営する大きな避難所をイメージしますが、道路の寸断でたどり着けない場合は、町内や集落ごとに助け合って集会所などが緊急の避難所になることもあり得えます。そんなときに、このキットがあればすぐに避難所開設ができます。

詳しくは、熊本大学のくまもと水循環・減災研究教育センターのサイトから見ることができます。

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN