2018年11月15日

方言が日本を救う?(東京女子大学 篠崎晃一教授)?

年末年始、災害から復興を目指す地域へ「応援」の意味も込めて出かける方へ方言の楽しさ、魅力をお伝えしておりますが、
一方で、地域によっては 方言そのものの「消滅」が懸念されているケースもあると言います。

これも実は、みんなで真剣に考えなければいけない問題。方言研究で有名な東京女子大 篠崎晃一教授に伺いました。

◆消えていく方言
方言にも、もてはやされる方言があれば、だんだん消えていく方言もあると思うですね。まずジャンルで言うと、最初に言ったような感情や感覚を表す方言と言うのは、共通語に置き換えにくいので残りやすいと思うんですね。ところが、例えば昔は雨上がりにはちょっと道端にカエルがぴょんぴょんしてたりとかあったんですが道路が舗装されるとカエルを見かけなくなって、そういうもの自体が身の回りから消えていくとそれを表していた方言も一緒に消えていくんですね。時代の流れ、文化の発展とともに消えていく方言と言うのはたくさんあるし、生活様式や昔使っていた農具を使わなくなればそれを表していた方言も消えていくということはあるんですね。一方で、体系としての方言、まとまりとして消えていく。1つの事例で言うと山梨県に奈良田と言う集落があるんですね。ここは南アルプスの登山口で早川という川の上流にあたる集落なんですが、ここは室町時代に使われていた発音が残っている非常に面白いところなんです。伝説があって奈良時代に女帝が病気の療養に訪れて、そこにつき従ってきた人たちの子孫がそこに住み着いて、谷間の深い所にいると言うのでみんな深沢さんと言う名字なんですけども、そこが居住している人が20人前後なんでしょうかね、だんだんそこに住んでいる人が減っていくと、言葉も一緒に消えていくと言う事はあると思うんですね。だから限界集落のようなところが、そこが独自の方言体系を持っているとすれば、それは消滅していくと言うことでしょうね。


方言が消滅してしまう大きな理由の一つが、その地域の人口減少。実は東日本大震災による人口減少によって、東北・岩手県でも方言消滅の危機におちいっている地域があるということです。

明日も、方言消滅という問題についてお伝えします。

パーソナリティ 鈴村健一

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