2018年11月16日

方言が日本を救う?(東京女子大学 篠崎晃一教授)?

今週は、日本各地の「方言」の魅力や、方言を巡る問題についてお伝えしています。

実は東日本大震災による人口流出で、岩手県の一部地域の方言が「消滅危機」にあることが、分かっています。
きょうは、そうした消滅危機にある方言・言語、そして「言葉」という存在の不思議さについて、方言研究で有名な東京女子大 篠崎晃一(こういち)教授のお話です。

◆変わり続ける言葉を守るということ
例えば世界中、いろんな少数民族の言語が消えていくので、それは消えていく前に記録して残す動きはあるんですね。例えば八丈島なんかは消滅の危機に瀕する言語に位置づけられているので、そういうところは何らかの対策が講じられると思うんですけれども、それほど知られていないような地域の言葉と言うのはやっぱり消えていってしまうというのはあると思いますね。言葉が変化していくと言うのは時代の流れであるわけで、例えば我々が使っている「はひふへほ」の発音なんかは昔は、「ぱぴぷぺぽ」が「ふぁふぃふふぇふぉ」になって、はひふへほに変わっていたとも言われているんですね。そう考えるとこれから何百年、何千年後に発音がどう変わっていくか、変わっていく可能性は高いと思いますね。例えば沖縄の方言で、フラワーの花のことをファナということがあるんですね。その音声が地方に残っている。ヒゲをフィゲ、ヘビをフェビと言う発音は、東北の一部に残っていますね。方言を知ろうという事は、ひとつは日本語の歴史的な流れを解読すると言うことですかね、その変化の過程を捉えると言うことにもつながるし、方言が本来の姿のまま残っているものもあれば、方言が共通語とミックスして新たな方言を生み出したりとか、隣接地域の方言とミックスして第3の方言を生み出すとか、そういう現状もあるわけですね。ですからまだまだ方言も進化していく進化していく、そういう面白い夢を追求していきたいと思っています。


「はひふへほ」は、昔は「ぱぴぷぺぽ」だった・・・・これ、17世紀ごろに来日したポルトガル人が作成した日本語をポルトガル語で解説した辞書などで、わかったものだそうです。言葉はどんどん変化していくのは必然ですが、人口減少などの理由で方言が消えてしまうと、その方言が内包していた「文化」も消えてしまいます。地方が抱える大きな問題のなかに方言消滅があります。

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN