2018年12月19日

「小高ワーカーズベース」和田智行さん1

今日は福島県南相馬市の小高区で活動を続ける、「小高ワーカーズベース」和田智行さんのお話しです。

小高は2016年夏に避難指示が解除になり、その後、鉄道や学校も再開。一方で、住民の帰還は11月現在で約8000人中3000人程度、その約半数が65歳以上と、今なお若い世帯の帰還が思うように進んでいない地域でもあります。

そんな小高で、仮設スーパーなど、住民の暮らしを支えるサービスや、「地域の100の課題から100のビジネスを創出する」をコンセプトにしたコワーキングスペースを作って、さまざまなプロジェクトを生み出しているのが、「小高ワーカーズベース」です。

まず避難指示解除から丸2年を過ぎた小高の現状について伺いました。


◆「駅前に学生がいる日常の風景が戻った」

「学校が去年の4月に再開して、とくに高校生が500人くらい通うようになったので、駅前なんかは朝とか夕方、高校生が歩いているっていう、どこの地域にもあるような当たり前の風景が、小高にも戻ってきつつありまして、芥川賞作家の柳美里さんも新しい書店を駅前に始めたり、その裏の倉庫のスペースを使って劇場を作ってそこでいろんな芝居を始めたり、そのような動きもあって、駅前に関していうと、前よりはだいぶ動きが出てきてるなっていうのは感じます。店もぼちぼち増えてはいますけれど、やはりその飲食店はそんなにそんなにまだ増えてない、で我々が運営させてもらっている仮設スーパーも閉店となるので。そこでいま高校生が部活帰りにカップラーメン食べたりとか買い食いしたりとか、イートインスペースもあるので、そこがある意味“溜まり場”になってたんですけど、そういう場所もちょっとなくなってしまうので。単純に市からの委託事業なんで契約が終わる、仮設としての役割が終了、市がより大きな公設民営のスーパーを作る、というのはあるんですけど、ただちょっと通学路から離れてるんですよね。駅前でもないですし、そこはどうしようかなってのは、市も含めて話し始めているところですね。」





「小高ワーカーズベース」、和田智行さんは避難指示解除前の2014年から、小高で活動しています。当時は道行く人もなくまるでゴーストタウンのようだったといいます。一時は人のいなくなった町に、いまこうして高校生が歩いている風景・・・和田さんにとっては特別な感慨があるのではないでしょうか。

一方で、高校生が“溜まり場”として使える場所が、駅周辺に無くなることが不安ということ。これは、住民が少ないから駅前でも閑散としていて、夕方にはあたりは真っ暗。そんな中、駅で電車を待たせるのは、防犯上、心配ということなんです。以前、小高で書店を開いた柳美里さんも同じことを話していました。

『LOVE & HOPE』、明日も「小高ワーカーズベース」、和田智行さんのお話しです。


「小高ワーカーズベース」

パーソナリティ 鈴村健一

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