2019年1月15日

新成人の声4 福島県浪江町・横山和佳奈さん

今週は、福島県浪江町の新成人、横山和佳奈さんの声をお届けしています。

和佳奈さんは、浪江町・請戸地区の出身。東日本大震災の津波と原発事故の影響で、ふるさとを離れ、郡山市で育ちました。
そんな和佳奈さんが大事にしているのが、地域の伝統行事「請戸・田植え踊り」です。
和佳奈さんは、踊り手の一人として、いまも活動を続けています。

◆「私は浪江じゃなくて、請戸の人間」
植え踊りは震災後ずっと続いてはいるんですけど、昨年2月に初めて請戸に戻って、苕野神社の土地で田植え踊りが無事にできて、東日本大震災から7年経って、ようやく夢がかなったというというか、本来の形に戻ったというか。ただ周りにお客さんがあまりいなくて、マスコミの方だったりとかなので、そこはちょっと複雑でした。ずっと「自分と浪江を繋いでいるのは田植え踊り」という想いがあったが、今回成人式や同窓会に参加してみると、ここが自分の故郷なんだなって改めて感じたというか、踊りがなくても繋がり続けていたんだな、と感じました。

今回成人式で改めて浪江町と自分のつながりを再認識したんですけど、もともとは浪江じゃなくて「自分は請戸の人間」という想いが強かったので、浪江が(避難解除になって)帰れるようになっても、自分は請戸に住みたいけど浪江町に住みたいわけではない。請戸の繋がりってすごく強くて、知らないおばちゃんに「どこどこの孫だべ?」と言われる。悪いことをしたらすぐに広まるような繋がりの強い地域なので、それもあって、請戸にこだわりが強いのかもしれないです。
でも踊りも仮設で踊らなくなってしまったし、同世代の請戸の子とは会えても、当時(震災前に)挨拶していたおじいちゃんおばあちゃんとは会う機会が減ってしまうのは悲しい。請戸で踊るのも大事だとは思うけど、復興公営住宅とか、避難した方が多く住んでいる地域に行って踊れる機会もあったらいいのかなと思います。


福島県浪江町の新成人、横山和佳奈さんの声をお届けしました。

「請戸の田植え踊り」は毎年2月の第三日曜日に行われる「安波祭」で披露されます。和佳奈さんは、今年も踊り手として参加する予定です。
地域の伝統行事が、和佳奈さんとふるさと請戸を繋いでいます。

明日も横山和佳奈さんの声をお届けします。

パーソナリティ 鈴村健一

メッセージ、ご意見、プレゼントご応募はこちら

特別番組 LOVE & HOPE ~10年目の春だより

TOKYO FM 特別番組 HANABI

「LOVE&HOPE~防災ハンドブック2015」PDF版ダウンロード配信中

アーカイブ

  • いのちの森
  • Support Our Kid's
  • TOKYO FM
  • JFN